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【日本も利上げ目前!?】賃貸vs持ち家! 結局どっちが得なん?

集英社オンライン / 2022年8月5日 18時1分

【30代で知らなきゃアウトなお金の授業】最近、アメリカの利上げに合わせて日本も利上げするかもしれないという憶測から、「金利が低い今のうちに住宅を購入した方がいいのでは?」と焦っている方を見かける。しかし、住宅ほど高い買い物はない。賃貸と持ち家を比較して「本当に家を買う必要があるのか?」をわかりやすく解説しよう。

賃貸も持ち家も同じくらいお金がかかる

住宅費は賃貸にせよ、持ち家にせよ、一生かかり続ける費用なので、どちらを選ぶかでライフプランは大きく変わってきます。「結局、得なのはどっちですか?」と聞かれることがよくありますが、コストに関しては同程度です。

賃貸は家賃がずっと必要です。一方、持ち家は住宅ローンを払い終えればローンは終わります。しかし、固定資産税はずっと必要ですし、リフォーム費用やローンにかかる諸経費など賃貸にはない費用が発生します。当然、家のグレードなどを考えればフラットな比較は難しいですが、賃貸も持ち家もおおよそ同程度の費用が必要になります。



むしろ費用より目を向けたいのは、リスクの違いです。それぞれのメリット・デメリットを整理して、どちらが自分の価値観に合うかをじっくり考えることかが、納得のいくライフプランにつながります。

いつでも引っ越せる賃貸は気軽!

賃貸のメリットは、なんといっても身軽さです。収入や家族の人数、通勤や子どもの通学に合わせ、好きな住居に住み替えていくことができます。住宅ローンを組んでしまった後で万が一、リストラなどで収入が大きく下がった場合、家計は逃げ道がありませんが、賃貸であればより安い住居に引っ越すという選択肢があるのもメリットといえるでしょう。

引っ越しが簡単で住宅ローンに縛られないため、転職で新天地に行きたい場合も、決断しやすい。もし地震や災害で住居か被害を受けても、賃貸であれば、また新しい家に引っ越せばよいだけですので気楽です。

ただし、賃貸は必ずしも希望する物件に住めるとは限りません。特に、ファミリー向けの物件は少なく、子どもの学区域が人気のエリアだと予算が大幅にオーバーするケースもあります。年金生活になり、安い部屋を探したい場合も、現実問題として高齢者は部屋を借りられないわけではないのですが、選択肢が狭まります。

また賃貸は、住宅の品質にあまり期待できないのも難点。収益率を上げるため建築コストが低く抑えられているので、たとえば高気密高断熱といった高性能な住宅は、ほぼ見つかりません。実際、僕の今の家は一戸建ての賃貸ですが、断熱性が弱く、夏は暑くて冬は寒い…。こうした住宅は、冷暖房費が高くなるという欠点もあります。

【賃貸のメリット】
●住みたい場所に気軽に住める
●いつでも引っ越せる
●収入に合わせて賃料を上下できる
●万一災害に遭っても移動できる

【賃貸のデメリット】
●住まいの機能が低いことが多い
●希望する物件に住めるとは限らない
●インフレリスク

住宅品質にこだわれる持ち家は夢が広がる

一方、持ち家は賃貸と違い住宅の性能にこだわることができるのはメリットです。多くの人が持ち家を欲しいと思うのも、家賃と同程度の負担で「こんなにいい家に住めるの?」と夢が広がることが大きいと思います。

実は僕も今、住宅を建てようと検討中なのですが、持ち家を考えたのはこの住宅品質が理由のひとつ。

今の家では夏と冬がストレスなのと、大きな地震が来たら助からないかもしれないと思ったのがきっかけです。持ち家なら耐震性も強化でき、高気密高断熱住宅に太陽光発電をつけるなどすれば、災害時に家をシェルターにできます。僕は持ち家にさほどこだわりはないのですが、住まいの役割として最も大切な命を守るという目的を考えると、賃貸よりも有利なのは事実なので、ここに価値を感じたのです。

ただし、災害は持ち家にとって脅威でもあります。もし被害を受けて住めなくなっても、住宅ローンは残るからです。このリスクは、災害の多い日本では決して他人事ではありません。

また30代で購入する場合、購入した住宅は70歳で築40年となり、リフォーム代が多くかかるという問題もあります。そう考えると、もし賃貸でも気にならない人であれば、子供がいる間は賃貸で生活をし、その後50代で夫婦ふたりで生活していくのに最適なサイズの家を買う方がよいかもしれません。

【持ち家のメリット】
●老後の住居を確保できる
●デザインや機能(耐震性や機密性など)にこだわった住まいを選べる

【持ち家のデメリット】
●長期ローンという精神的な負担
●維持費が必要
●災害後もローンが残る可能性がある

「迷う理由が値段なら買え、買う理由が金額ならやめとけ」

ここまで読んでいただいた方からすると、「結局何が言いたいの?」と思ったかもしれません。結論としては、メリット・デメリットを考慮した上で、それでも持ち家が欲しいなら買えばいいということです。

誰の言葉か不明ですが、「迷う理由が値段なら買え、買う理由が金額ならやめとけ」という言葉があります。金利が上がるからその前に買うというのは後者です。

あなたは家を買うことで得られる価値をなんだと思いますか?

それは価格に見合うものでしょうか? それがイエスなら、買えばいいのです。資産価値とか考えずにシンプルに「消費財として家を買って得られる効用が価格以上になると思うなら買う」というシンプルな基準でいいと思います。

資産価値についても、あまり気にしなくていいというのが僕の意見です。事実、僕たちの親世代は家は資産と思って、多くの人が家を買っていますが、ご自身の親の家を欲しいと思っている人がどれくらいいるでしょうか? 現実問題として、資産と思って買ったはずの親の家の処理に困る人が多く、「負」動産と呼ばれるほど負の財産となっている人も少なくありません。

不動産業界に精通し、不動産投資に明るいのであれば別ですが、普段は投資に興味もない人が、いきなり「家は資産になる」という理由を持ち出して購入に踏み切るのは自己肯定バイアス以外の何物でもないでしょう。

決して安い買い物ではないので、価格や金利と言った理由で焦って買って後悔することだけは避けておきましょう。

文/井上ヨウスケ

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