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タコ鍋にレトロポチャにおしゃれカフェ。変わる新大久保の韓流飲食店

集英社オンライン / 2022年8月8日 12時1分

超人気韓流ドラマ「梨泰院クラス」をもとにリメイクされ、話題となっているドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日系)。放映を機に、韓流の飲食店がさらに盛り上がりそうだ。そこで国内随一の韓流スポットである東京・新大久保で、オープン間もないのに、 週末は行列もできる「最旬」のお店を紹介しよう。

韓国で大人気のタコ鍋専門店が日本初上陸!

「イイダコって韓国では定番だけど、日本には専門のお店がまだ少ないですよね」

と話すのは「チュクミドサ 新宿本店」の店長アン・ヒジュンさん(35)。韓国で52店舗を展開する大人気タコ鍋チェーンの、日本初上陸店だ。5月にオープンしてから週末は行列ができるほど評判となり、早くも同じ新大久保に2店舗目を出すという人気ぶりだ。


イイダコとホルモン、エビがたっぷり入ったチュコブセ2280円

イイダコ(チュクミ)に特製ソースをたっぷり絡めて鉄鍋で炒めれば、ビールやチャミスル(韓国焼酎)にはぴったり。このソースは辛さの違う3種類の唐辛子と、さらにコチュジャンや醤油、隠し味にパイナップルも入っているそうで、汗を噴く刺激的な辛さの中にもほのかな甘みもあって深い味わい。

「ソースもレシピも韓国とすべて同じなんです」

イイダコと一緒にテッチャン(シマチョウ)やサムギョプサル(豚の三枚肉)、エビと合わせたものも人気で、これを野菜や海苔で巻いて食べ、シメは鉄鍋チャーハンだ。

そしてメニューは潔く、ほぼチュクミのみ。こんな専門店が韓国には多い。うちはサムゲタンだけ、カムジャタンだけ、タッカルビだけ……といった感じで、こだわりの一品を出している。お客も今日、自分が食べたい料理で店を選ぶ文化がある。ところが新大久保の韓国レストランは、焼肉を中心に幅広くなんでも取り揃えた、ファミレス的なメニューの店が中心だ。

「だから新大久保にも、韓国のようなちゃんとした専門店があったらいいと思って」

こうした専門店が少しずつ出てきているのが、最近の新大久保だ。

「チュクミドサ」新宿区大久保1-3-22 11~23時、無休

新大久保ナンバー1おしゃれカフェといえば

とびきりおしゃれなカフェをちらほらと見るようになったのも、近ごろの新大久保の変化だろう。

「インテリアに力を入れた、個人経営のカフェが増えていますね」

「BAM BI COFFEE」の店長、ジョン・ウォンジョンさん(33)は言う。2022年3月にオープンしたばかりだが、洗練された内装がインスタグラムで話題を呼んでいる。店名の「BAM BI」はもちろん小鹿のことではなく、「韓国語で〝夜と雨〟を意味しているんです」と、ジョンさん。

「おいしいスイーツとコーヒーでリラックスして過ごしてください」とジョンさん

だから店内には雨の月夜を描いたポスターが貼られていたり、ロゴにも傘があしらわれたりしている。どこを切り取っても絵になる店のデザインなのだ。こうしたコンセプトのある個人のカフェが、韓国ではブームなのだとか。それが新大久保にも伝わってきているようだ。

そしてシグネチャー・メニューはインジョルミ・パンケーキ。韓国伝統のきなこ餅「インジョルミ」をベースにしていて、とろふわもっちりの食感が楽しい。ビンス(かき氷)も人気で、「バムビビンス」はたっぷりの杏(あんず)と栗、北海道産のあずきと黒ごまアイスが乗っている。

人気メニューのバムビビンス1500円と、自家製クリームの乗ったバムビコーヒー650円

「インジョルミのパウダーと、ひまわりとカボチャの種とアーモンド、それにヌルンジ(おこげのせんべい)をトッピングして食べてください」

と優しい笑顔で説明してくれるジョンさんはもともと、ワーキングホリデーで日本に来たそうだ。そして言葉を覚え、日本にも慣れ、新大久保の人気店の店長を任されるようにもなった。ジョンさんのように、留学やワーキングホリデーをきっかけに日本に親しみ、社会人となっていく韓国人も新大久保には多い。彼ら若い世代が流行を発信していくのも、いまの新大久保の姿だろう。

「BAM BI COFFEE」新宿区大久保1-14-26 11~22時30分(LO22時、パンケーキのみLO21時)、無休

日本人と韓国人が一緒になって飲む「レトロポチャ」

「子供の頃の思い出のグッズや、懐かしさを感じるものを集めて、飾っているんです」

と語るのは、「レトロポチャ」の店長イ・ギュファンさん(34)。どこか郷愁を感じるポスターや看板、チラシが店内に貼られ、ラジカセや黒電話、昔のおもちゃなども並ぶ。日本人も韓国人も「レトロ」と感じるこの雰囲気が評判 となって、2021年2月にオープンしてから人気の「ポチャ」(韓国式の居酒屋)だ。

1988年、ソウルオリンピックの年に生まれたイさん。彼が懐かしさを覚えるグッズが店内を飾る

秘伝のカニ出汁をやかんにいれて煮込んだ韓国おでんや、キムチ・ピザ・タンスユク(酢豚)を合わせた「キムピタン」など、お酒に合う居酒屋メニューがいろいろ。

「新大久保にはこういうポチャがなかったし、普通の焼肉屋とはちょっと違う店をやってみたかった」

辛いおでん(左、1500円)は出汁を飲んでもうまい。チャミスル、マッコリともよく合う。キムピタン(下、1500円)もおすすめ

イさんがやはり留学生として日本に来たのは、11年ほど前だ。

「その頃の新大久保はアイドルのファンが多かったけど、いまはもっと幅広く、韓国のいろいろな文化を楽しみたいってお客さんが増えたように思います」

グルメも同様だ。焼肉やチーズドッグだけでなく、海鮮やポチャなどさまざまな店が新大久保には次々と出てきている。そして、

「うちのお客さんは、日本人と韓国人が半々であってほしいんです」

とも話す。あちこちに置かれたレトロなグッズを手に、隣同士のテーブルの日本人と韓国人が一緒に飲むなんてこともよくあるそうだ。

「店には6つのテーブルがあるんですが、その全部が仲良くなって、年齢も国も関係なく『じゃあ次はみんなでカラオケ行こう!』なんて盛り上がったこともありました。そういうのを見ているのは楽しいですね」

こんな交流の場所となっている店も、新大久保には増えている。

「レトロポチャ」新宿区大久保1-16-5 12~24時、無休

取材・文/室橋裕和 撮影/泉田真人

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