――トリオ結成のきっかけは?
サツマカワRPG(以下、サツマカワ) M-1グランプリは2人以上じゃないと出られないんですが、漫才師より俺らのギャグのほうがおもしれぇだろ!と思って。それで当時身近にいた“激おもろギャガー”の2人に声を掛けました。
どんぐりたけし(以下、どんぐり) いやいや、おもろギャガーなんてそんな。
サツマカワ 出会いは「ギャグライブ一撃」です。
集英社オンライン / 2022年8月9日 12時1分
事務所の垣根を越え、3人のピン芸人が集まって活動している「怪奇!YesどんぐりRPG」。サツマカワRPG、Yes!アキト、どんぐりたけしによる異色のユニットだ。M-1グランプリでは3人が順番にギャグをする独自のネタで2018年から話題になり、2021年は準々決勝に進出。地上波の出演も増え、トリオの単独ライブはチケットが完売するなど注目度上昇中。周りを巻き込むネタで知名度を上げてきた3人の歩みを聞く。
――トリオ結成のきっかけは?
サツマカワRPG(以下、サツマカワ) M-1グランプリは2人以上じゃないと出られないんですが、漫才師より俺らのギャグのほうがおもしれぇだろ!と思って。それで当時身近にいた“激おもろギャガー”の2人に声を掛けました。
――ギャグライブとは?
Yes!アキト(以下、アキト) 1時間ギャグしかやらないライブが存在するんですよ。「動きだけで何のギャグかを当てよう」というような企画をやって、「ギャグがどうやってできたか」っていうトークコーナーもやって、本ネタとしてギャグをやったりと。
サツマカワ エンディングで「告知ある人~!」って出演者に聞いて、「あ、じゃあ最後にギャグやっていいですか」ってまたギャグをやって終わる。
アキト ……ヤバすぎるライブで出会いましたね。
サツマカワ 当初は単に友達でした。3人でトークライブとかやったりして。
アキト 10人くらいしか入らないような会場でね。
Yes!アキト(サンミュージックプロダクション所属)
――「怪奇!YesどんぐりRPG」の名前をつける前から3人での活動があったんですね。
どんぐり 当時からライブのタイトルでボケるノリがありました。当時のトークライブはアキトさんの発案で「ミルク工房うし」でした。
アキト ネタ工房かわだっていう知り合いの芸人の名前をもじって。
サツマカワ お笑い芸人は全員が「ネタ工房」だろって話なんですよ。
どんぐり で、最初のトリオでの単独ライブが「デビナポリ芸人しんいち」。2019年ですよ。
アキト お見送り芸人しんいちがR-1優勝したから今でこそ伝わるけど。
どんぐり この間の単独ライブは「ギャし野グん『恋』」。
サツマカワ だから、星野源さんも2年後にR-1で優勝すると思いますよ。
どんぐりたけし(ケイダッシュステージ所属)
――3人の徹頭徹尾ボケるノリが合っていたんですね。M-1グランプリにこだわった理由は何なのでしょうか?
サツマカワ お笑い好きなら全員が見ている大きなコンテンツだから、売れるための最大の足掛かりなんですよ。決勝進出して地上波放送に出演するのももちろんそうなんですが、予選3回戦の動画がYouTubeなどで配信されるので、そこでバズれば認知されるなって。
アキト ……というのもありますし、俺たちが一番おもしれぇ!っていうのを見せられる最大の場所だっていうのがやっぱり大きな動機だと思いますね。
――実際、初出場の2018年に3回戦に進出しています。自信はあったのでしょうか?
アキト 出ればウケるだろって気持ちはずっとありました。
どんぐり 正直、僕は全然わかんなかったっす! 3回戦でルミネtheよしもと(新宿)の大きな舞台に立ってみて、うわー!って。ウケるんかーい、と(笑)。2回戦は緊張しすぎてネタを飛ばしましたし。
アキト ネタの冒頭に入る自己紹介を飛ばしたんです。伝説ですよ(笑)。
サツマカワ 7億回やってるはずの自己紹介を。
――「プレイヤーチェンジ」と唱えて3人が入れ替わり、順番にギャグをしていくネタをされていて、「これは漫才なのか?」という点でも話題になりました。このネタはどうやってできたのでしょうか?
サツマカワ 深夜2時くらいの稽古場です。3人で遊びながらM-1の相談をしていて。「俺らはギャグをどう見せるか、どう漫才に落とし込むかだよね」という話をしていた。それで縦一列でやってみたり、全員椅子に座ってみたり。
どんぐり いろいろやりましたねぇ。
サツマカワ 急に俺が「等間隔で三角形に並んでくれ!」って言い出して、真ん中にいたどんぐりが自己紹介した後、誰からともなく「プレイヤーチェンジ、プレイヤーチェンジ……」と。
どんぐり これだ!ってなりましたよね。
――プレイヤーチェンジが降りてきた感じ。
どんぐり そんな感じでしたね。その時点で僕が(自己紹介ギャグの)「C3PO」しかやらないのは決まってました。
サツマカワ どんぐりがもう一回同じこと言ったらおもしろいんじゃないかと思って。これは3人でやってみながらじゃないと思いつけなかったことですね。ノートに書いていたら思いつけなかった。
アキト だからこのインタビューを文章で読んでいるあなたには多分伝わってない(笑)。
どんぐり じゃあ、繰り返して声に出してみてください(笑)。
アキト 「C3PO R2D2 DTKC どんぐりたけし」を3回(笑)。3回言うとおもしろくなってくるはず。
サツマカワ 「ムール貝」のネタも現象としてはまったく同じですね。3回くらい声に出して言うとおもしろくなる。
――「プレイヤーチェンジ」ができたときに手応えがあったのですか?
どんぐり ネタ下ろしした時に爆裂ウケましたよね。
サツマカワ 新宿バティオスの「M-1未対策ライブ」ですね。
アキト Aマッソとか真空ジェシカとかが一緒に出演してました。そこで思ったよりウケましたね。
サツマカワ これは?これは?いくんじゃない?って。それでM-1の3回戦でもホントにウケて。これがGYAO!で動画配信されるってことは、売れちゃうんじゃな~い!と。確かにGYAO!がきっかけで割とすぐテレビのオファーを2本くらいいただけて。結果も出たし、それなら2本目のネタも作ろうか、3本目のネタも作ろうか、という感じで来ました。
――漫才を見に来ているお客さんにウケるというのは、怪奇!の「プレイヤーチェンジ」というフォーマットがギャグをわかりやすくしているからのように感じます。
どんぐり やっぱり見やすさはブリッジなのかなあ。ギャグが終わりましたよの合図があるという。
アキト トリオでやっているときのネタは、ブリッジの色が濃いかもしれないですね。
どんぐり 「ムール貝」に至ってはもともと僕のギャグですしね。これをギャグとギャグの間に入れてみたらどうだろう、と思って。
――ムール貝のネタはどんぐりたけしさん発信なのですか?
どんぐり ピン芸人だけを集めた「すだちマッカーサー」っていうライブがあって。
サツマカワ いいよ、その名前出さなくて(笑)。
どんぐり そこでピンネタとして披露して、お客さんは笑ってなかったんですけど、後ろで見ていた2人だけ笑ってて(笑)。
アキト 俺としては超おもしろくて(笑)。
どんぐり でも1人でやってるとどうもパンチが足りないなと感じていて、3人でやってみませんかと提案しました。2018年に入賞した、大阪の今宮戎神社主催の「今宮戎 マンザイ新人コンクール」のときですね。
アキト 懐かしいですね。それがのちに、ネタ中に勝手に名前を出したサマンサタバサのホリデー親善大使就任につながるとは……。
――「ムール貝」のネタが企業まで巻き込んだわけですね。「プレイヤーチェンジ」も周りの芸人を巻き込んだ動画がSNSで人気を得ています。
サツマカワ あるとき、流れ星のちゅうえいさんとライブで一緒になったんです。ちゅうえいさんもギャガーだし、プレイヤーチェンジを一緒にやらないかな……って思って。Aマッソの加納さんも近くにいたので声を掛けて。
どんぐり あのときかぁ。
サツマカワ 動画を撮って公開したらバズるんじゃないかと思って、ナイチンゲールダンスの中野なかるてぃんに撮ってもらって。Twitterに載せたら1000以上のいいねがついて、みんなを巻き込めるんだなって思ったんです。それ以降、ライブのエンディングに怪奇!のメンバーがいるときはギャグを用意しておかなきゃいけないという流れに(笑)。
アキト すごく印象に残っているのが常滑(愛知)でのお笑いフェスです。他の出演者が芸歴20年以上とかの結構な先輩ばかりで声を掛けづらかったんですが、オテンキのノリさんがコウメ太夫さんとかを捕まえて、「プレイヤーチェンジを撮りましょうよー!」って言ってくれて。めちゃくちゃ撮らせてもらいました。
サツマカワ 最高でした。
アキト そういうふうに、周りの人が想像以上に協力してくれるんです。ギャグをやってくれるだけでもありがたいけど、「撮ろうぜ」ってフランクに言ってくれる人が多くて、それが先輩とのコミュニケーションにもなっていますね。
サツマカワ よくお世話になってる先輩は誰かって聞かれるんですよ。いっぱいい過ぎて特定の人を答えられてなかったんですけど、これからはオテンキのノリさんって答えます(笑)。あと、ランジャタイの国崎(和也)さんとかも会うたびに向こうから「今日、プレイヤーチェンジ、撮ろうよ!」って声掛けてくれますね。
どんぐり ギャグを2個用意してくれてたり。撮った後に、「もう1個撮ろう!」って。
――テンプレートが一人歩きしている感じがおもしろいですね。
サツマカワ でもプレイヤーチェンジはもう撮り尽くしたかもしれない(笑)。
どんぐり 毎回声掛けてくれるのは国崎さんだけで、普通は2回目は嫌がられます(笑)。もともとギャグがないタイプの芸人さんに声を掛けていることも多いので。
サツマカワ それにコロナでライブの出演者が集合できなくなったのもあって、プレイヤーチェンジの動画がなくなってきてYouTubeっぽい企画動画を撮るようになりましたね。
取材・文/宿無の翁
撮影/柳岡創平
外部リンク
日刊SPA! / 2024年9月10日 8時53分
ORICON NEWS / 2024年9月4日 20時30分
日刊スポーツ / 2024年9月2日 6時0分
ねとらぼ / 2024年8月14日 19時8分
クランクイン! / 2024年8月14日 18時0分
週刊女性PRIME / 2024年9月13日 7時0分
NEWSポストセブン / 2024年9月13日 7時15分
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月13日 9時26分
週刊女性PRIME / 2024年9月13日 9時30分
週刊女性PRIME / 2024年9月13日 11時0分
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