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「結局1人では生きていけないんですよ」ー「怪奇!YesどんぐりRPG」がピンとトリオを両立するワケ

集英社オンライン / 2022年8月9日 12時1分

サツマカワRPG、Yes!アキト、どんぐりたけしのピン芸人3人によるユニット「怪奇!YesどんぐりRPG」。トリオとしてM-1グランプリに出場し、2021年は準々決勝に進出。テレビ出演も増えたが、一方でそれぞれがピン芸人としても精力的に活動を行っている。3人が、ピンとトリオを両立し続けるメリットやバランスについて聞いた。

怪奇!YesどんぐりRPG
インタビュー後編「ピンとトリオの両立」

「トリオがあるから、ピンでやりたいことを追求できる」

――「怪奇!YesどんぐりRPG」結成のもともとの目的はM-1グランプリ出場だったとインタビュー前編で伺いましたが、それ以外の時期も精力的にトリオとしてYouTube更新やライブ出演を行っていますよね。トリオを続けるメリットというのは?



サツマカワRPG(以下、サツマカワ) M-1以外にもエントリー資格が1人では満たせない場が多いですからね。

どんぐりたけし(以下、どんぐり) キングオブコントとかもそうですね。

Yes!アキト(以下、アキト) ビーチバレーとか。テニスのダブルスとか。

どんぐり 3人だから、テニスだと1人ベンチ入りですね。

サツマカワ 生きていくということも1人ではできない。

アキト でも1人で生きていけるという人もそれはそれで正解ですよ。

サツマカワ いや、考えてほしいんですけど、結局1人では生きていけないんですよ。

どんぐり 電気やガスだって誰かが作ってくれてるわけですからね。

アキト 俺は1人で生きていけるという人の考えも否定したくない。

Yes!アキト(サンミュージックプロダクション所属)

――トリオのメリットの話です。

アキト トリオとピンは両輪というか、ピン芸人だからこそやってるトリオユニットっていうのが怪奇!の特長だと思いますね。

サツマカワ ピンでいき詰まったらトリオのほうを考える、っていう関わりができるのがいい。スランプは必ずあるので、リスクを分散させたほうがいいと思うんです。SNSとかもそうですけど、やれることは全部やったほうがいいと思ってる。それはなるべく遠くまでネタを届ける努力でもありますね。

どんぐり 僕はやってみる前にやめちゃうこともあるので、そこは影響を受けてますね。

どんぐりたけし(ケイダッシュステージ所属)

――トリオでの活動の幅は広がっていますが、事務所は違うままなんですね。

サツマカワ 最初はアキトがフリー(未所属)でした。

アキト その後、僕はピンとしての働きやすさを考えてサンミュージック所属になりました。事務所が違うままだからやっぱりユニット。異例ではありますね。

サツマカワ トリオとして同じ事務所に所属すると、トリオの仕事ばかりになってしまいそうな気がしていて。今はYouTubeとかも事務所はノータッチですし、事務所が違うから自由にやれるというところもあります。

サツマカワRPG(ケイダッシュステージ所属)

――ユニット活動が緩衝地帯になっているのかもしれませんね。

アキト そうやってトリオでいろいろやるじゃないですか。そうすると逆に、ピンでやりたいことがはっきりしてくるんですよね。自分は一つに絞って深くやっていきたいタイプだけど、怪奇!であれもこれも手を伸ばしてやっているから、ピンでは周りの状況を顧みずに突き詰められるんです。例えばギャグができるテレビ番組が減るトレンドになっても、それに合わせた活動はトリオでしているだろうから、ピンではやっぱり「新ネタ50本ライブ」をやり続けられると思うんですよ。

サツマカワ 怪奇!の前にピンのYouTubeでいろいろ試してた時期もあったよね。

アキト 一年間、毎日更新したりね。いろいろやっていくうちにやりたいことはギャグを作ることなんだって浮き彫りになった。

Yes!アキトはギャグが好き過ぎる

サツマカワ 確かにアキトとどんぐりは面白いからギャグを作ったほうがいいですね。

アキト 最近気づいたんですよ。ギャグが好きなんだなって。

どんぐり いやいや、わかってたことでしょ(笑)。

アキト いや、もうヤバいくらい(笑)。俺らはプロの芸人で、商売でステージに立っているんだから、ネタの商品価値を考えなきゃいけないじゃないですか。

サツマカワ バズりそうとか、真似しやすいとか。

アキト そういうのを超えちゃってるんですよ。商品価値とかじゃなく、俺が面白いと思ってることを認めさせたい。

サツマカワ 芸術家気質だ。

アキト 最近、「Yes!アキトはギャグが好き過ぎるから呼びづらい」ってキャスティングされなかった仕事がありました。

どんぐり そんなところまでいっちゃってるんですか!?

サツマカワ 3人で大阪遠征したとき、何本もライブに出演して合間もネタ合わせして、夜は疲れ切ってみんなすぐ寝て。それで翌朝9時集合だったんですけど、アキトが7時に起きて喫茶店でギャグ作ってたんですよ。

どんぐり あと2時間寝れるのに!

アキト ギャグを作ることが支えなので。

どんぐりたけしが生む「ギャグ鳴り」状態とは

――ギャグが好きというのは、それで評価されることが嬉しいということなのでしょうか?

アキト 反応も含めてですけど、自分で作って満足するっていうことの積み重ねが楽しいんですよね。今年のR-1決勝では「展開があったほうが(良かった)」とかも言ってもらいましたが、やっぱりギャグを真っ直ぐやりたかった。あのステージでギャグを真っ直ぐやってどうなるかを体験できたのはよかったですね。

どんぐり 僕もギャグは好きだけど、最近は苦しみながら作っていることも多いですね。僕は新ギャグを45個下ろすライブを月4回やっていて。

アキト バケモンなのよ。

サツマカワ 1日平均6個。

アキト 俺ですら月に180個の新ギャグはやりすぎだと思う(笑)。

どんぐり 半分はライブ中にお題の単語をもらってギャグを作るんですけど、それはめちゃめちゃ楽しいです。

アキト ゾーンに入るのを「ギャグ鳴り」って言ってるよね。どんたけ(どんぐりたけし)がワケわかんないことを言ってるのにお客さんが全員狂ったように笑う状態をギャグが共鳴し出した「ギャグ鳴り」だと。

どんぐり これが実際にあるんですよ。

アキト わかんないよ(笑)。

どんぐり でもその状態のときにできたギャグっていいんですよね、「ギャグ鳴り」状態だと真のギャグができるんです。内なるギャグが出てくる。

アキト 頭で考えてないってことね。

どんぐり 僕は考えないでぽーんって出てきたもののほうがおもしろかったりするタイプですね。

――Yes!アキトさんとどんぐりたけしさんでは、作風はかなり違いますよね。アキトさんはどちらかといえば考えさせるギャグ。

アキト そうですね。

サツマカワ どんぐりが言うように、ぽーんと降りてくるギャグってあります。でもアキトに聞いたら降りてきたギャグはゼロらしいんですよ。全部頭で考えて作ってる。

どんぐり それはそれで怖いですよ!

サツマカワ だからアキトは今までやったギャグの全部に意味があるんです!

アキト (笑)。俺はホテルのデイユースのテレワークプランでギャグを作ってる。

――カンヅメですか? 作家ですね!


アキト その時間が好きなんですよね。出て来なくて苦しいときもありますけど、苦しんでるときにどう切り抜けるかというのがすごく楽しい。この切り口はまだギャグでやってないなっていうのはやっぱり苦しんでるときに見つかるんです。

サツマカワ この日のこの時間はギャグを作ってるから返信できないって事前に言われます(笑)。

どんぐり 全てを遮断してギャグに打ち込んでる。

アキト SNSとかでお題にする単語を募集するときもありますけどね。それを紙に書き出して、じっと見る。

サツマカワ じっと見る(笑)!

アキト 考えてるときは遮断したいけど、単語募集みたいにインプットはインプットで意識してやってます。

サツマカワ アキトのギャグはおもしろいし、芸術性が高くてワクワクします。

アキト 上京してフリーエントリー方式のライブに出始めた頃、サツマカワの単独ライブに出してもらったのがきっかけで認知度が上がったことがあって。

サツマカワ 俺だけが知ってるおもろギャガーをみんなにちょっと見せようのコーナー、みたいな感じでアキトに出てもらったらボコウケしてくれたんです。

アキト サツマカワに自分を外に持っていくみたいなのをしてもらってる気がします。

サツマカワ ここでいつものおもしろいやつやってよ、という場を提供するのは得意かもしれないですね。

2022年もM-1グランプリなどが始まりつつあり、キングオブコントでは初の準々決勝進出。異色のネタで毎年話題を提供してきた3人の今年の展開に要注目だ。

終わり

取材・文/宿無の翁
撮影/柳岡創平

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