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全英女子3位で渋野日向子は完全復活? タケ小山は「難しいね」と言葉を濁す

集英社オンライン / 2022年8月8日 18時31分

日本時間の8月8日早朝に終わった女子ゴルフのメジャー最終戦「AIG全英女子オープン」で、渋野日向子が1打差単独3位でフィニッシュした。最近、不振に喘いでいた“シブコ”はこれで完全復活といえるのだろうか? プロゴルファーで解説者のタケ小山氏は「難しいね~」と言葉を濁した。

アグレッシブなシブコが帰ってきた?

8月7日(日本時間8日)に行われた「AIG全英女子オープン」ファイナルラウンドの最終組、首位に5打差の2位タイでスタートした渋野が、1イーグル3バーディ1ダブルボギー3ボギーのパープレー71と、出入りの激しいゴルフながら、1打差の単独3位に入る健闘を見せた。出入りが激しかったのは最終日だけではなく、4日間のスコアも65、73、66、71とまさに日替わりの様相だった。



プロゴルファーで解説者のタケ小山氏は、渋野の改造中のスイングとコースの相性をこう分析する。

「今回の会場になったミュアフィールド・リンクスは全体に平らなコースです。渋野が改造中のスイングは、小さなテイクバックからシャローイング(※クラブを低く上げて鈍角に下ろすスイング)しながらインパクトを迎える、下から上へのスイングなんですね。これは平坦か左足上がりのライならいいんですが、それ以外の、例えば左足下がりとかつま先下がり、あるいはそれらが混ざった複合ライに対してはボールをダウンブローに打てない。ところが今回のコースは、コブとかはあるものの、平坦なところが多い。そこが彼女に味方した部分は大きいですね」

タケ小山氏

「いいときと悪いときの差が大きすぎる」

優勝したのは、アシュリー・ブハイ(南アフリカ)。チョン・インジ(韓国)との4ホールにわたるプレーオフを制し、米ツアー初優勝をメジャー初制覇で果たした。ちなみにブハイは渋野が勝った2019年の全英女子オープンで、決勝ラウンド2日間を同組で戦った「戦友」でもある。最終日18番ホール、渋野が6メートルのバーディパットを入れて優勝を決めた瞬間、グリーン上にいたブハイが万歳をした光景は記憶に新しい。今回は役どころが入れ替わったというところだろうか。

2022年の渋野は、メジャー第1戦の「シェブロン選手権」で4位。続く「ロッテ選手権」で2位と順調な滑り出しを見せた。直ドラ(※フェアウェイなどでティーアップせずにドライバーで打つこと)が注目されたのもこの頃だ。

しかしその翌週、4月中旬の「DIOインプラントLAオープン」で63位に沈んだのを皮切りに、次戦の「パロスバーデス選手権」から、古江彩佳が優勝した7月末の「スコットランド女子オープン」まで、8試合中6試合(日本ツアー1試合含む)で予選落ち、1試合は棄権と、まさにドツボにはまっていた。

このことは、渋野の部門別の順位(スタッツ)を見ても顕著で、ドライビングディスタンスは73位、フェアウェイキープ率は34位、パーオン率は48位、平均パット数に至っては116位となっている。

渋野のスタッツに関して、タケ小山氏は注文をつける。

「パッティングが問題です。いいときと悪いときの差が大きすぎます。それが日替わりみたいなスコアに表れてますよね。もう少し安定感がほしいですね」

たしかに、116位はいただけないデータである。

今回の「全英女子オープン」では、初日65の6アンダーで単独首位に立つロケットスタートを決め、その後出入りがあったものの、何とか上位をキープして最終日最終組のティーに立った。優勝したブハイが崩れるトラブルに陥ったとはいえ、終盤には1打差まで詰め寄り、あわやと思わせるシーンも確かにあった。はたして、この結果をもって「渋野日向子、復活!」といえるのか。

ホールアウト後のインタビューで渋野は開口一番、「悔しいです」と涙をこぼした。そして、「結果に関しては、自分がすごく成長したと思いたいです。でも内容を振り返ると今日(最終日)も3パットを3回もしたり、すごくもったいないことが多かったし、自分のミスが目立ってしまったなと思います。難しい素敵なコースでこういう結果が出せて、悔しさもありながら嬉しさもあります」と話し、“シブコスマイル”と共に一定の手応えを感じている様子も見せた。

「完全復活というには、もうワンピース、確信の持てる何かをつかむ必要があるでしょう。今回の結果は、ブハイが75と崩れたから1打差になったともいえます。渋野は、最終日はパープレーですから、やはり伸ばせなかったのは課題だと思います。でもこの結果で、少しは自信が戻ってくるんじゃないかな、とも思いますよ」

そう話したタケ小山氏は今後のシブコに期待を寄せる。

2022年の海外女子メジャー5試合はすべて終わったが、米ツアーの残り試合はもちろん、早くも2023年以降の海外女子メジャーでのシブコの活躍に期待したくなってくる。

取材・文/志沢 篤
写真/Getty Images

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