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仕事も家庭も諦めない! 共働きのふたりの「いざこざ」を解決する対話術

集英社オンライン / 2022年8月16日 17時1分

仕事と家庭、どちらも諦めたくはないけれどうまくいかない——そんな悩みを抱える共働きの夫婦は「対話」による解決を試みては。パートナーシップの課題解決に取り組んできたあつたゆかさんが解説する。

仕事と家庭、両方諦めたくはないけれど、どちらかを犠牲にしてしまっている——そんな悩みを抱える共働き夫婦は多いのではないだろうか。

こんな悩みへの処方箋として、7月25日に初の著書『仕事も家庭もうまくいく!共働きのすごい対話術』を出版したのは、パートナーシップの課題解決に取り組んできた、あつたゆかさん。

今回は本書の内容を一部編集して、共働きのふたりに多い「家事」「お金」「育児」の悩みを対話で解決するコツについてお送りする。



パートナーが家事を忘れてしまう

<お互い共働きで、家事に充てられる時間は変わらないのに、最近パートナーにいくら家事をお願いしても「忘れてた」と言ってやってくれないことが多いです。「こっちも仕事で忙しいのに、なんで協力してくれないんだ?」と、悲しくなります。>

担当の家事をやってもらえなかったり、頼んでいた家事を忘れられたりすると、家庭運営に支障が出てきてしまいますよね。「なんでこっちが、やり忘れまでチェックしてタスク管理しなければいけないんだろう?」とモヤモヤする気持ちもよくわかります。

そんなときは、相手に非があると決めつけず、「最近家事をやらないのは、何か理由がある?」と、まずは背景を聞いてみることが大切です。必ずしもパートナーに悪気があるとはかぎりません。相手が悪いと決めつけずに聞いてみると、「仕事が繁忙期で体力が限界で……」「そもそも苦手なタスクを依頼されてるので取りかかりづらくて……」など、相手側の事情が見えてきます。そのうえで、どんな解決策が取れるかをふたりで一緒に考えていきましょう。

また、「仕組み」で解決する方法も考えてみるのもおすすめです。共働き夫婦のユイさん・ケントさんの事例をご紹介します。妻のユイさんは、夫のケントさんにお願いしたい家事のタスクを毎朝口頭で伝えていたそうです。でもケントさんが忘れてしまうことが多く、「何度言ったらわかるの?」と、ユイさんはケントさんにいつも怒っていました。

そこで、「何か事情があるかも」と思って背景を聞いてみたところ、ケントさんはタスクを口頭で依頼されると忘れやすい性格であることが判明。それ以降はLINEやSlackなどを活用して、家事を文章で依頼するようにしたところ、忘れることが減り、ケンカも減ったそうです。

ほかにも、出産により家事や育児タスクが増えたことからホワイトボードを導入してタスク管理をしている家庭や、Slackにチャンネルを作成し、買い物などのリマインドが自動で来るようにしている家庭もあります。

ポイントは、相手に非があると決めつけずに、「自分も相手も悪くない」という「無責的思考」になって、「仕組み」で解決できないかを考えることです。ふたりにとって負担のない方法を模索してみてください。

相手の「収入や貯金」が気になるけど聞けない

<パートナーと将来のことを具体的に考えたいのですが、じつは相手の収入や貯金額を知りません。結婚前に聞くのは失礼でしょうか?>

パートナーとの間でも「込み入ったお金の話をするのはご法度」と考えている人は意外と多いようです。実際にネットで調べてみると、「結婚前に相手の収入を聞くのはNG!」と書かれた記事などを目にすることもあります。

ですが結婚、出産、子育て、家の購入など、すべてにおいてお金はかかります。収入や貯金額をどこまでオープンにするかは個人の自由だと思いますが、お互いの経済状況が見えないままでは、ライフイベントにどれくらいお金をかけられるかわからなくなってしまいます。それに、お互いの経済状況が共有できていないと、日々の食事や買い物の予算感もつかめないですよね。

私が新卒で入社したサイボウズという会社では、「質問責任」「説明責任」という考え方が社内文化として浸透していました。気になることがあったら相手の年次に関係なくきちんと尋ねる。そして聞かれた側は、ちゃんと答える。むしろ疑問に思っているのに質問しないことは、同じ会社で働く仲間としての責任を果たせているとは言えない。という考え方です。

収入や貯金は家庭運営や日々の暮らしに関わる重要なトピックなので、「質問責任」「説明責任」の精神で、気になるのであればお互いに開示したほうがよいでしょう。ポイントは聞き方です。

「ふたりの将来を考えるためにお互いの収入や貯金を知っておいたほういいと思うんだけど、どうかな?」

こんなふうに、「わたし」を主語にした「Iメッセージ」で尋ねることを忘れずに。「収入や貯金を知る」ことが目的なのではなく、あくまで目的は「ふたりの将来を考える」ことであり、そのための手段として知りたいと伝えます。

予想よりも低かったとしても、「どうしてこんなに貯金が少ないの?」「もっと稼ぎたいとは思わないの?」など、疑問形で責め立ててはいけません。状況を共有したうえで、「それならどうするか」を考えることが重要です。家庭運営の第一歩として、お互いの「予算」を見える化できるよう、情報の共有という視点で対話してみましょう。

育児の負担が偏っていてキャリアに影響が出そう

<子供の体調不良が多く、夫と私のどちらが仕事を休むかでよくモメます。私が折れることが多いのですが、私だって仕事を頑張りたいのにと、モヤモヤしてしまいます。職場に申し訳ないし、自分の今後のキャリアも不安です。どうしたらよいですか?>

仕事を早退して子供を迎えに行かなければならなかったり、急な休みを取る必要があったりしたときに、「どちらが休むか?」は難しい問題です。共働きである以上、それぞれの仕事やキャリアも大切です。どちらかに負担が偏ってしまうのは、なるべく避けたいですよね。

共働き夫婦のサヤさん・ユウイチさんの例を紹介します。サヤさんは子供の熱が出た場合にお迎えに行く頻度が自分だけ高いことにストレスを感じていました。自分だって外せない会議があるのに、自分だけ職場を抜けたりしなければいけない状況に罪悪感も持っていました。

そこで、夫のユウイチさんとも相談し、お互いの仕事のスケジュールをウェブ上のカレンダーで共有することにしました。調整可能な社内ミーティングなのか、調整が難しい社外打ち合わせなのかなど、「重要度」や「調整しやすさ」も含めて、夫婦で共有するようにしたそうです。

すると「今日の会議は議事録で追えるから、私がお迎え行くよ! あなたは商談を優先してもらって大丈夫だよ」と、快く引き受けられるようになったそうです。反対に自分が外せない会議が入っている際は、パートナーから「今日は僕が行くね!」と申し出てもらえるようになりました。

職場の人間関係や仕事内容、抱えているプロジェクトの進捗状況なども共有しておけると、自分の忙しさや仕事への真剣な思いは、相手もまた抱えているものだと気づけるでしょう。こうした関係性を日頃から築いておくことが、育児と仕事の両立において大切なことなのだと思います。


心理学の三大巨匠と呼ばれるアドラーは、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言いました。なかでも「家族」が、あらゆる対人関係のなかでいちばん難しいとされています。ひとりで生きてきた人生から、ふたりで生きる人生に変わると、当然、悩みも増えることでしょう。だからこそ、対話によって関係を維持する「マネジメント」が必要です。お互いの理想を実現するには、日々の対話や情報共有、意見のすり合わせなど、地道な努力が欠かせないのです。

簡単なことではないかもしれませんが、「パートナーは最強の味方」ということを忘れないでください。ひとりで悩むよりも、ふたりで考えたほうが、きっと、理想の実現がぐっと近づくはずです。

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