漫画家・本宮ひろ志氏が『遠い島影』でデビューしたのは1965年。当時の日本は高度経済成長時代の真っただ中で、前年の1964年に東京オリンピックが開催。その好景気の余韻が漂っていた時期だ。以来、半世紀以上、本宮氏のマンガは何度もブームを巻き起こし、読んだ人の人生に大きな影響を与えてきた。
その数々の作品の中でも、あなたの一番好きな本宮作品の歴史マンガは何ですか!?
どれかを選ぶなんてとてもムリ。人それぞれのベストがあるのは承知の上だが、この記事では「本宮作品歴史マンガ編」として、あらためてふり返りたいと思います。
本宮氏は、初期から歴史マンガに挑んでおり、初の連載にしてアニメ化もされた大ヒット作『男一匹ガキ大将』(1968)の次作が、『武蔵』(1972)だった。あの剣豪の宮本武蔵だ。武蔵は戦国時代の終わり、江戸時代初期の人だが、本宮氏は幕末や明治、そして昭和まで、さまざまな時代のさまざまな人を取り上げてきた。