①明訓 VS 青田(『大甲子園』秋田書店)
水島新司ユニバースにおける高校野球の祭典『大甲子園』は、高校野球版アベンジャーズである。『ドカベン』の続編で、主人公・山田太郎の高校3年の夏を描いた同作のメインイベントに当たるのが、夏の甲子園準決勝。
150キロ超の剛速球を誇る青田(千葉)の中西球道が“最強の盾”なら、高校通算打率7割5分とされる明訓の山田太郎は“最強の矛”。「水島新司はこの2人を戦わせたくて大甲子園を描いたのではないか」と言われるほどのドリームマッチは、2回表に初対決。結果は三球三振で球道に軍配が上がる。
4回表は二死一塁の場面から、二球目のストレート。山田が打ちにいくも、球道がバットをへし折りレフトフライ。またしても球道が力勝ちする。7回表は明訓が無死一、二塁の大チャンス。粘りに粘った山田は10球目を弾き返す。が、センター前へ抜けるかという当たりを球道が叩き落とし、まさかの三重殺。
ハイライトは延長10回表。普段は木のバットを使う山田が、金属バットへ持ちかえる。鬼が金棒を持ってしまったこの戦い。球道は果たして抑えられたのか⁉