従業員の働き方改革やDXの推進、さらに世界規模のコロナ禍や国際情勢の不安定化によって私たちのビジネスを取り巻く環境は急速に変化している。ビジネス機会の創出を目的とする見本市や展示会はオンライン化が進み、対面の営業や商談にもZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議ツールが普及した。
もちろん、こうしたデジタル化の進展によって仕事の効率が向上したビジネスパーソンもいるだろう。しかし、その一方で今までと異なるコミュニケーションのスタイルに馴染めず、営業成績の伸び悩みやストレスを感じている人もいるのではないだろうか。
オンラインでは、対面と比べて相手の時間を確保するのが難しくなっただけでなく、コミュニケーションにおける「余白」が大きく失われたと前田鎌利さんは指摘する。
「コロナ禍以前であれば、会議室に入った際やプレゼンの本題に入る前の雑談などでアイスブレイクが可能でした。しかしオンラインへと移行した今では、窓から見える光景や相手の持ち物など、ちょっとした情報を話の掴みとする会話術もうまく利用できません」