1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

年配男性よりも若い女性のほうが口が臭い!? マスク時代の口臭対策

集英社オンライン / 2022年8月23日 12時1分

マスク生活が長引く中、マスクにこもる口の臭いが気になっている人は多いはず。臭いはどのくらい相手に届いているのかわからないから、自分の息を不安に思うことも。そこで東京ブレスクリニック院長・上田恵子先生に口臭の原因、対策方法について解説いただいた。

中高年層の男性よりも若い女性のほうが口が臭い⁉

口臭には大きくわけると、歯周病や虫歯、鼻炎などが原因の「病的口臭」と、健康な人なら誰しも認められる、起床時や空腹時、飲食や喫煙などによる「生理的口臭」の二つがあります。
「病的口臭」は病気の症状として起こる口臭なので、原因となっている病気を治療すれば治ります。
対して、健康な人も起こりうる「生理的口臭」は唾液の分泌量が減少し、口が渇いた状態になるのが原因です。


口の中の唾液の分泌量が減り、揮発性硫黄化合物などがニオイ物質となり呼気臭として放出されるのです。
口が渇いた状態になるのは、寝ている間に唾液の分泌量が減る起床時や食事をしてない空腹時などですが、その他にストレスがかかった時や緊張時に多いことがわかっています。
唾液の分泌は、自律神経によってコントロールされていますが、ストレスや緊張を感じると
自律神経のバランスが崩れてしまい、唾液の分泌量が減少してしまうのです。

また、2019年に発表された口臭白書において、口臭測定値の基準値をオーバーした人は、男性より女性のほうが2倍以上多かったというデータが出ています。さらに年代別に見ても中高年層の男性より若年層の女性のほうが口臭が強いという驚くべき結果になっています。

これは女性のほうがライフスタイルを通してストレスを感じることが多いからでしょう。妊娠、出産、更年期などによるホルモンのバランスの崩れや、仕事と子育ての両立などストレスによって自律神経が乱れ、口の中も緊張した状態が続くと唾液の分泌量が減り、口の中が渇きやすくなるためです。
そのため、女性は男性より生理的口臭が引き起りやすいと言えるのです。

食後に歯磨きをしても口臭ケアにならない

口の中が渇けば渇くほど、口臭は強くなるので、口の中が渇かないようにさらさらした唾液を作ることが口臭ケアのポイントになります。

ポイント1:朝起きてすぐと就寝前に歯磨きする
起床直後は1日の中で臭いの元となる細菌が爆発的に増え、口臭が強くなる時です。その細菌を飲み込まないために、まずは口を軽くゆすぎ、丁寧に歯磨きをしましょう。

また、起床時の細菌の増殖を防ぐためにも、就寝前にきちんと歯磨きすることがおすすめです。
ただし、コシゴシとブラシを強く当てしまうと粘膜が剥がれて唾液を濁らせてしまう原因になるので、柔らかなブラシでやさしく歯磨きするようにしましょう。

ポイント2:朝食をしっかりとる
朝食をとって、しっかり噛むことで朝から唾液が出やすい環境を作ります。その後の口の中が渇きにくくなるので、午前中の空腹時の口臭を予防します。

ポイント3:食後は歯磨きでなく、水うがいを
口臭ケアのためにどんなことを気をつけているか尋ねると「食後すぐ歯を磨く」と答える人がほとんどです。
ですが、歯を磨いても口の中がすっきりするだけで、実は口臭のケアにはなっていません。
食後すぐに歯磨きしてしまうと食事によって出た唾液を洗い流してしまい、界面活性剤入りの歯磨き粉を使用することで口の中が乾燥してしまいます。さらに食後は口腔内のpH値は酸性に傾いているため、歯磨きすると歯のエナメル質が剥がれやすくなってしまいます。
また、細菌の栄養源になる食べカスのほとんどは舌の上に溜まります。だからといって舌磨きをしてしまうと、粘膜を傷つけてしまいます。
そのため、食後は歯磨きや舌磨きではなく、水うがいをして口腔内のpH値を中性に戻すことが大切です。

ポイント4:乾燥予防と唾液の確保のため、水をこまめに摂取
口の中の乾燥予防には水分をとるのが一番です。ただし、水分といってもなんでもいいわけではなく、基本は水をとるようにしましょう。お茶やコーヒーはカフェインが含まれているため利尿作用があったり、口が渇きやすくなったりします。起床時の歯磨き後や食間にはコップ1杯の水を飲むように心掛けましょう。

ポイント5:噛みしめぐせに注意する
緊張して顎に力が入って噛みしめてしまうと唾液の流れが停止してしまいます。その他、パソコンやスマホの操作で顔が下向きになる、ゲームに夢中になっている、焦ってバタバタしているなど無意識に噛みしめていることは案外多いのです。できるだけ、顔を上げて、上下の歯と歯の間を空けるようにして、唾液の流れをスムーズにさせましょう。

ポイント6:「ら」 スマイルで唾液を出す
口の中が乾燥してきた時におすすめなのが舌の位置を「ら」と発音するときのようにしてみることです。そうすると舌先が前歯の内側につくので、その状態で口を横に開いてスマイル! 唾液が自然に出てきます。マスク着用したままでもできるので、気が付いたときにやってみましょう。

また、病的な口臭の原因となっている虫歯や歯周病がないか歯科医院でチェックを。
さらに定期的に歯石除去など受けるようにしておくと、歯周病の予防になり、ひいては口臭の予防にもなります。

マスクの臭い対策には鼻呼吸を心掛ける

普段は気にならなくてもマスクをつけることで、吐息がこもり自分の口臭に気がつきやすくなります。
マスク内が臭くなるのは、マスクに付着する唾液の飛沫の臭いが原因です。
マスクをしていると、どうしても口呼吸になりがちなため、口の中が乾燥し唾液の分泌量も減ってしまうのです。また、咳による喉奥の炎症産物が付着して臭うこともあります。
その他、マスクそのものの臭いも原因になることも。

今後もマスク生活は続くので、先に挙げた口臭ケアをしつつ、以下の点も加えて対策しておくのがおすすめです。

対策1:マスクが湿ってきたら交換する
マスクの内側にはかなり飛沫が付着しています。そのまま着け続けると当然、細菌が増えます。湿り気が気になったら交換するようにしましょう。布や他の素材より不織布のほうがおすすめです。

対策2:鼻呼吸を意識する
会話時以外は口呼吸せず、鼻呼吸を心掛けましょう。ガムを噛んだり、ガムを丸めて舌の上においたりすると鼻呼吸しやすくなります。唾液も自然とわいてきます。

対策3:目線はまっすぐになるように心掛ける
マスクを着けたまま、下を向いてパソコン作業などしていると奥歯が接触して舌が動かなくなります。呼吸が浅くなり、マスクで息苦しく唾液もネバネバ状態に。
目線を上げ、上下の奥歯を咬まないようにして唾液の流れをスムーズにしましょう。

対策4:喉が渇いてなくても水分をとる
マスクを着けていると思っている以上に口の中は乾燥します。こまめに水分補給をしてください。

口臭はストレスや生活習慣の乱れが原因なので、どんな人にも引き起こるものです。正しいケアを心掛けで、口臭を防ぐようにしましょう。


取材・文/百田なつき

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください