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大阪桐蔭は連覇した2012年、2018年と何が違ったのか~甲子園「連覇」の戦略史~

集英社オンライン / 2022年8月20日 11時21分

感情論や印象論で語られがちな高校野球を、野球著述家のゴジキ氏がデータや戦略・戦術論、組織論で読み解く。今回は、4年ぶりの春夏連覇を狙ったものの、惜しくもベスト4で姿を消した大阪桐蔭にスポットを当てる。春夏連覇をはたした2012年、2018年と今年は何が違ったのか?

惜しくも4年ぶりの春夏連覇を逃した大阪桐蔭

2011年から2022年までの間に、春夏連覇を達成したのは大阪桐蔭、ただ一校のみ。2012年に、藤浪晋太郎(現・阪神タイガース)・森友哉(現・埼玉西武ライオンズ)の強力バッテリーを擁し、学校初の春夏連覇を達成。さらに2018年にも、高校野球史上初めて2度目の連覇を成し遂げた。

今年センバツを制覇した大阪桐蔭は4年ぶりの春夏連覇を目指したが、準々決勝で下関国際に敗退。それでも「常勝チーム」として大きなインパクトを残した。本記事では2012年と2018年の戦略を分析し、その強さの源泉に迫る。


藤浪・森の強力なバッテリーで初の春夏連覇を果たした2012年

2012年の大阪桐蔭は、夏の甲子園で一度もリードを許さず、相手を寄せ付けない力の差を見せつけた。
下記が戦績と選手の成績である。

・大阪桐蔭(2012年夏)大会戦績

決勝 :大阪桐蔭 3-0 光星学院
準決勝 :大阪桐蔭 4-0 明徳義塾
準々決勝:大阪桐蔭 8-1 天理
3回戦 :大阪桐蔭 6-2 済々黌
2回戦 :大阪桐蔭 8-2 木更津総合


・大阪桐蔭(2012年夏)選手成績

打撃成績

2 森友哉 打率.400 2本塁打 2打点
4 大西友也 打率.200 0本塁打 2打点
9 水本弦 打率.421 0本塁打 4打点
3 田端良基 打率.389 2本塁打 5打点
7 安井洸貴 打率.429 0本塁打 4打点
5 笠松悠哉 打率.353 1本塁打 5打点
8 白水健太 打率.100 1本塁打 2打点
6 妻鹿聖 打率.091 0本塁打 0打点
1 藤浪晋太郎 打率.267 1本塁打 1打点
チーム打率.295

投手成績


藤浪晋太郎 36回 49奪三振 防御率0.50
澤田圭佑 9回 5奪三振 防御率2.00
チーム防御率0.80

この年の夏の甲子園における藤浪は、歴代最高の優勝投手と言っても過言ではない。初戦から危なげないピッチングをみせ、準決勝と決勝は完封勝利を挙げた。藤浪の2番手として控えていた澤田(現・オリックスバファローズ)も、トップレベルの実力だった。主要投手2人がプロ入りするレベルの投手陣には、対戦する相手チームもお手上げの状態だったのではないだろうか。

2人の投手陣を援護する打線は、数字的な意味で派手さはないものの、西谷浩一監督
が「高校までに見てきた中で、一番いいバッター」(https://dot.asahi.com/amp/dot/2019091200005.html)と評価していた森が一番に座る。初回から森に打席が回ることも、相手には大きなプレッシャーになっただろう。

2005年と2006年に夏連覇を果たした駒大苫小牧や、2010年に春夏連覇を成し遂げた興南と比較しても、この年の大阪桐蔭は選手個人の力が高いことがわかる。当時の藤浪や森のプレーを見ると、プロ野球選手が高校生と一緒にプレーしているように見えた。

そんな2012年の大阪桐蔭の勝ち上がりを振り返る。

初戦は藤浪が完投し、木更津総合に危なげなく勝利。大竹耕太郎(現・福岡ソフトバンクホークス)を擁する済々黌との3回戦では、澤田が先発する。この試合は、同点の4回に澤田が自らを援護するホームランを打ち、次打者の森も2者連続ホームランを放ったことで大竹を攻めたてる。さらに、6回には4番の田端のホームランも出て、一発攻勢で勝利した。

準々決勝は、大阪桐蔭が春に苦しめられた浦和学院に勝利した天理。天理には、近畿大会で敗れており、因縁の相手でもある。しかし蓋を開けてみると、初回から森の先頭打者ホームランから始まり、藤浪もホームランを放ち、得点を積み重ねていった。

藤浪も投げては13奪三振を記録する完投勝利。8対1の大差で勝利したが、この試合の藤浪について、西谷監督が「今日は球数も少なく、藤浪を褒めてやろうと思ったら被弾。何か課題を残してくれる投手です」(「週刊ベースボール 第94回全国高校野球選手権大会総決算号」ベースボールマガジン社)とコメントしたのが印象的だった。

準決勝の相手は明徳義塾。サイドスローから最速145km/hを投じる右腕、福永智之は、6月の練習試合で大阪桐蔭を苦しめた。しかし大阪桐蔭は福永から、初回に田端の犠牲フライで先制。6回に連打で3得点を積み重ねた。明徳義塾は、福永が5回まで1失点と好投していたことから、継投が後手になり、6回に追加点を許す形になった。大阪桐蔭先発の藤浪は、2安打完封と完璧に近いピッチングで決勝にコマを進めた。

決勝の相手は、センバツでも決勝で顔を合わせた光星学院。2011年夏から3季連続で甲子園の決勝に進んでいた光星学院は、この年プロに行くことになる田村龍弘(現・千葉ロッテマリーズ)・北條史也(現・阪神タイガース)を主軸に据え、念願の東北勢初の優勝を狙っていた。

準々決勝では、田村・北條のコンビで桐光学園の松井裕樹(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)を攻略。このコンビは準決勝までチーム22打点のうち17打点を叩き出していた。しかし決勝で藤浪は、田村と北條から2奪三振ずつ奪い、2安打に抑えるピッチングで春夏連覇を成し遂げた。

圧倒的な強さを誇った2012年の夏で大阪桐蔭が唯一危なかった試合は、大阪府予選決勝の履正社戦。この試合ではそれまで1失点ピッチングだった藤浪が、8回に履正社打線から連打を浴び追い上げられた。そのような危機を潜り抜けたためか、甲子園の戦いは初戦から決勝までパーフェクトに近いものだった。

甲子園の観客も、大阪桐蔭が凄すぎるが故に、静かに見守るしかない、といった様子だった。この優勝から大阪桐蔭は、甲子園で「勝って当たり前」と見られる常勝チームになったと言っても過言ではないだろう。

春2連覇と春夏連覇を同時達成。「最強世代」と呼ばれた2018年

2018年の大阪桐蔭は、二刀流で甲子園を沸かせた根尾昂(現・中日ドラゴンズ)や4番打者として活躍した藤原恭大(現・千葉ロッテマリーズ)がチームの中心となり「最強世代」と呼ばれた。

2012年も磐石な体制で優勝をしたが、この世代はプロ入り選手がなんと4人。根尾、藤原に加え、投手の柿木蓮(現・北海道日本ハムファイターズ)と横川凱(現・読売ジャイアンツ)もドラフト指名され、侍ジャパンU-18代表にも、柿木、根尾、藤原とキャッチャー小泉航平(現・NTT西日本)、サード中川卓也(現・早稲田大学)の5人が選出された。

2018年の大阪桐蔭メンバーのなかで、プロ入りをせずに進学した選手たちも活躍しているのを見ると、「最強世代」の名前にふさわしいチームだったことがわかる。
下記が戦績と選手の成績である。

・大阪桐蔭(2018年夏)大会戦績

決勝 :大阪桐蔭 13-2 金足農
準決勝 :大阪桐蔭 5-2 済美
準々決勝:大阪桐蔭 11-2 浦和学院
3回戦 :大阪桐蔭 3-1 高岡商
2回戦 :大阪桐蔭 10-4 沖学園
1回戦 :大阪桐蔭 3-1 作新学院

・大阪桐蔭(2018年夏)選手成績

打撃成績

7 宮崎仁斗 打率.435 1本塁打 5打点
9 青地斗舞 打率.400 0本塁打 4打点
5 中川卓也 打率.280 0本塁打 4打点
8 藤原恭大 打率.462 3本塁打 11打点
6 根尾昂 打率.429 3本塁打 5打点
3 石川瑞貴 打率.250 1本塁打 6打点
4 山田健太 打率.316 0本塁打 3打点
2 小泉航平 打率.263 0本塁打 1打点
1 柿木蓮 打率.000 0本塁打 0打点
チーム打率.328

投手成績

柿木蓮 36回 39奪三振 防御率1.00
根尾昂 13回 13奪三振 防御率4.15
横川凱 5回 9奪三振 防御率1.80
チーム防御率1.83

柿木・根尾・横川の3本柱は、左右のバランスもあり、全員プロ入りした投手陣だ。全員がかなりの実力があるので、非常にバランス良く投手運用ができていた。下記が投手陣のイニングと球数の内訳だ。

柿木漣
1回戦 9回105球
2回戦 1回24球
3回戦 4回66球
準々決勝 4回50球
準決勝 9回155球
決勝 9回112球

根尾昂
2回戦 8回119球
準々決勝 5回95球

横川凱
3回戦 5回78球

3回戦までは全投手先発させて大会中の調子を見た上で、結果的に柿木が準決勝と決勝は完投している。さらに各投手の登板間隔を、1〜2戦目は中6日、2〜3戦目は中2日にすることで、先発をローテーション化していた。

野手陣を見ても、根尾と中川は複数のポジションを守れるため、ユーティリティプレイヤーとして起用されていた。高校野球でありながら、先発投手のローテーション化や中心選手のユーティリティ化などプロ野球のような戦略を取り入れていたのである。どの高校よりも勝利しながら、選手マネジメントや戦略性も高いことを見ると、大阪桐蔭が常勝チームたる所以がわかる。

実際、2018年の大阪桐蔭は個人の力のみならず、選手マネジメントも素晴らしかった。

センバツ後の4月から5月におこなわれた春季大阪大会では、怪我やコンディションに配慮して、エースの柿木や4番の藤原をベンチ外にしながらも大会を制する。続く春季近畿地区大会では藤原恭太が復帰したものの、柿木と宮崎抜きでこの年のセンバツ決勝で対戦した智弁和歌山を下して優勝した。

ちなみにセンバツから試合に出続けていたのは、中川・根尾・山田・青地の4人のみ。主力以外も起用しながら、春季大会を勝ち抜いた。この時点で、選手層が厚く主将・中川を中心にチームとしての完成度は相当高かった。

この夏の大阪桐蔭の勝ち上がり方を振り返ると、大阪府予選は非常に苦しい試合がいくつかあった。それが顕著に現れたのが、準々決勝の金光大阪戦と準決勝の履正社戦だ。

まず、金光大阪戦ではスライダーの切れ味鋭い左腕の久下奨太と鰺坂由樹を交互に投げさせる小刻みな継投策に、わずか2点しか得点できなかった。

準決勝の相手の履正社は先発として、今大会初先発の濱内太陽を起用。大阪桐蔭にとっては想定外の起用だったことだろう。大阪桐蔭は根尾が先発し、両校の先発が6回まで3安打に抑える投手戦となった。そのような状況で大阪桐蔭は、7回に藤原がチャンスを作り、根尾がタイムリーを放ち先制。青地斗舞のタイムリーなどで3点差をつけて優位に試合を進めた。

しかし履正社は、このままでは終わらず、疲れが見え始めた根尾をたたみ掛けた。7回裏に1年生ながら5番に座り、のちにチームを夏の甲子園優勝(2019年)に導いた小深田大地(現・横浜DeNAベイスターズ)の2塁打を足掛かりに1点を返す。8回裏には筒井大成、西山虎太郎の連打で1点差。その後、主将の濱内太陽の一塁ゴロで追いつく。さらに、途中出場の6番、松原任耶が浮いた球を左中間に放ち逆転に成功した。

1点ビハインドの状況で9回の攻撃を迎えた大阪桐蔭だが、焦る様子は全くなく冷静だった。代打の俵藤夏冴がヒットで出塁し、続く石川瑞貴のバントミスがあったものの、宮崎・中川・藤原・根尾の連続四球で追いつく。そして、山田がタイムリーを放ち、大阪桐蔭が逆転に成功。最後はエースの柿木が抑えてこの激戦を勝利した。

その年のセンバツ準決勝の三重戦でも劣勢の場面を跳ね返していたが、この試合も勝者のメンタリティや集中力の高さを見せつけるような戦いぶりだった。

甲子園出場後は、作新学院戦と高岡商戦は僅差の試合を勝利。沖学園戦と済美戦は逆転勝利した。僅差から逆転勝ちまでバリエーションが豊かな試合展開で勝ち上がり、準々決勝以降は優位に試合を進めていった。

準々決勝の浦和学院戦は、渡辺勇太郎(現・埼玉西武ライオンズ)を攻略して勝利。この試合は、藤原・根尾のアベック弾も出た。準決勝の済美戦は、クリーンアップに打点がなかったものの、石川・山田のタイムリーで済美のエース山口直哉を打ち崩した。

そして決勝は、この大会の「主人公」だった吉田輝星を擁する金足農業。その勢いを圧倒的な実力で跳ね返すかのように、13点を積み重ねて勝利。この春夏連覇は史上初の2度目の春夏連覇となった。前年の夏の甲子園3回戦で、仙台育英を相手に9回2死から逆転負けを喫した悔しさを翌年に晴らした。

2018年の大阪桐蔭は、ビハインドの場面を迎えても必ず追いつき逆転する姿が印象的だった。選手の能力はもちろんのこと、西谷監督と選手の冷静さはまさに「勝者のメンタリティ」を体現していたのではないだろうか。

高校野球ながらも「勝って当たり前」のプレッシャーを跳ね除ける大阪桐蔭の凄さ

これまで見てきたように、高校生でありながらどの世代も「勝者のメンタリティ」を兼ね備えているのが大阪桐蔭だ。どの世代も「勝って当たり前」と見られるなかで、結果を出せるチームを作り上げる西谷氏の手腕も光る。

西谷氏の凄さの一つは、選手のモチベーション管理を含めたマネジメント能力だ。戦力的に充実している年が多いため、「優勝して当たり前」と見られがちだが、多くの世代の野球ファンなら誰もが知るタレント軍団をまとめた上で、優勝に導くために個々の能力を活かし切れている。

また、派手さがある年とない年があるなかでの、監督やチームとしての「勝ちパターン」も豊富だ。さまざまなチームカラーで優勝しているからこそ、複数回の優勝を達成できている。色々な勝ち方ができる要因は、確立された戦略や運用力だ。

優勝した年には高確率で「掘り出し物」の選手や「ラッキーボーイ」的な存在がいる。チーム内で比較的目立つ主役と脇役のバランス感覚が絶妙で、他の監督には行き届かない領域に達している。さらに、「大阪桐蔭」といったネームバリュー、ブランド力もあると、初戦の序盤であったり、試合終盤に相手にプレッシャーがかかり、萎縮するなどでミスを誘えることもある。

さらに、試合運びのうまさも西谷監督の強みのひとつ。これは、2014年のチームが象徴的だ。この年の大阪桐蔭は、これまで優勝した年とは違い「圧倒的な強さ」はなく、新チーム発足直後の大阪秋季大会ではライバルの履正社を相手に13対1のコールド負けの屈辱を喫している。

ただ、秋季大会終了後の成長度合いはもの凄かった。そして、勝ち方や逆転の仕方にもバリエーションがあり、「試合巧者」として勝ち進むにつれて再現性を高めた結果が、夏の甲子園の準々決勝、準決勝、決勝の試合運びに表れた。

準々決勝では「機動破壊」でお馴染みの健大高崎相手に、相手の機動力を徹底的に無視した。この試合で4盗塁を許す代わりに、投手は打者との対戦に集中したのである。

完投した福島孝輔は、「足は無視。アウトを取ることに専念した。」とコメント(「週刊ベースボール 第96回全国高校野球選手権大会総決算号」ベースボールマガジン社)。それによって、無駄なクイックが減り、球威や球速が下がることなく、健大高崎を2点に抑えた。

準決勝は、敦賀気比と壮絶な打ち合いになった。先発の福島は1回表に5点を失ったが、その裏、打撃陣が敦賀気比の2年生エース平沼翔太(現・北海道日本ハムファイターズ)から得点を積み重ねて2回に追いつく。その後、3回表には突き放されるも、4回裏には逆転に成功。結果的に15-9で大阪桐蔭は勝利した。5戦で合計77安打を記録していた敦賀気比に対して、打撃戦で挑み決勝に進んだ。

決勝の三重との試合は、全体を通して三重のペースで進んでいた。3回に2点を先制された大阪桐蔭は、4回に追いつくが、5回に勝ち越される。ターニングポイントは7回だ。三重は一死三塁のチャンスで、スクイズ失敗に終わり、追加点が取れずに終わる。

その裏の大阪桐蔭は、二つの四死球とヒットで一死満塁のチャンスをつくり、キャプテンの中村誠がしぶとくセンター前に勝ち越しタイムリーを放った。9回表も福島が一死一、二塁のピンチを背負ったが、抑えて夏制覇を果たした。

「今年は圧倒する力はないですけれど、子どもたちは夏に日本一になるためにどこの学校よりも練習してきたつもり」(同前)と西谷氏がコメントしたように、「粘りに粘る野球」が、最高の形で完結した。この年の夏の戦い方は、選手の成長はもちろん、西谷監督のマネジメント力、育成力の集大成だったとも言える。

夏の大阪府大会をみていくと、2010年代の10年間のうち8年は大阪府の公式戦(夏大会)で準々決勝より上に勝ち上がっている。2020年代も22年まで全て準々決勝より上にまで勝ち上がっている(2020年準決勝・2021、2022年優勝)。とくに、2015年以降は、履正社というライバルが存在しながらも5年間で春夏合わせて甲子園に出られなかった年は2019年のみである(この年の夏の甲子園優勝校は履正社)。

大阪桐蔭に対しても、高校野球ファンはもちろんのこと、実際にプレーをしている高校球児や指導者からも、夏の大会には合わせてくるだろうという期待感はあるのではないだろうか。球場の雰囲気など含めて、選手たちは大きなプレッシャーの中で、プレーをしているに違いない。

今大会は、準々決勝で下関国際に5対4で敗れ、3度目の春夏連覇を逃した。敗因は、バントミスや王者らしからぬ焦りが出たことだ。それが見えたのが、7回裏のノーアウト1、2塁の場面で7番打者の大前圭右にバントエンドランをさせた場面だ。このプレーは大前がピッチャーフライを上げてしまい、飛び出してきた2塁ランナーと1塁ランナーもアウトになり、トリプルプレーになった。

この場面では、采配面でも焦りが見え、その焦りが選手にもプレッシャーとして圧し掛かってしまい、トリプルプレーという結果になったように見えた。一方、下関国際は最終回に難なくバントを成功させて、逆転劇を生んだ。

高校野球の世界において大阪桐蔭は、「常勝チーム」であるがゆえに相手チームが押せ押せのムードになれば「あの大阪桐蔭に勝てるチームが現れるかもしれない」という期待感から、球場全体が大阪桐蔭にとってアウェイになる。

次の世代の大阪桐蔭は、ビハインドのときにアウェイな雰囲気を押し切る強者の野球を展開できるかがカギになるだろう。

取材・文/ゴジキ 写真/shutterstock

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