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冷房や水分の摂りすぎが原因。ツラい夏冷え・むくみを解消する、医師のおすすめ対策

集英社オンライン / 2022年8月24日 14時1分

まだまだ厳しい暑さが続くが、水分の取りすぎや冷房による冷えで、夏ならではの「むくみ」に悩む人もいるはずだ。今回は、漢方医学、食事療法、自然療法でさまざまな病気の治療に取り組むイシハラクリニック副院長の石原新菜氏が、むくみ解消のおすすめメソッドを伝授する。

夏はむくみやすい条件がそろっている

連日30度を超える異常な暑さが続き、体調を崩し気味の人も多いのではないだろうか。熱中症を防ぐためにも、我慢せずに冷房を適度に利用すること、しっかりと水分を摂ることが重要だ。

一方で、暑いからといって一日中冷房の効いた室内にいたり、冷たい飲み物をガブ飲みしていると、ますます体調が悪くなってしまうこともある。石原氏はその原因は夏冷えによる「むくみ」であると語る。



「夏は暑くて汗をかくし、血流も代謝もいいからむくまないと思っている人が多いです。しかし、朝起きると顔がパンパン、夕方になると脚がパンパンということも! 実は、夏場のむくみに悩む人は結構多いんです。

人間の体は、動脈から流れてきた血液の水分が細胞にしみだして、細胞へ栄養を行きわたらせた後、静脈やリンパ管に水分が吸収されて戻っていきます。しかし、体のめぐり=静脈やリンパ管の流れが悪いと水分が吸収されずに細胞に水分が溜まってしまい、むくんでしまうのです」

体のめぐりを悪くする3つの要因が、「冷え」「水分の摂りすぎ」「運動不足」。石原氏は「夏はこの3条件が揃いやすい」と指摘する。

「まず、猛暑のせいで冷房の温度を低めに設定することで、体が冷えて静脈やリンパのめぐりが悪くなります。また、涼しい屋内にいるにもかかわらず冷たい飲み物をたくさん摂っていると、体が冷えるうえに水分を吸収しきれず、溜めてしまうことも。さらに、夏場は屋外での運動を避けがちですが、筋肉はリンパや毛細血管のポンプの役割を果たしているので、筋肉を動かさないとポンプの役割が弱くなり、体液循環が低下してしまいます」(石原氏)

女性の場合は、さらに生理によるむくみもある。

「排卵後から生理前までの時期は、妊娠に備えた身体をつくる役割がある女性ホルモン、プロゲステロンの分泌量が増えることで、体内に栄養や水分がため込まれ、むくみやすくなります。しかも、生理が重い人は体を動かすのもツラいですから、横になっているとますます体のめぐりが悪くなってしまいます。ただでさえむくみやすい夏場の生理中は、最悪の体調になってしまう方もいるほどです」(石原氏)

空き時間にできる! むくみ解消に有効なストレッチ

ただでさえ夏バテ気味なのに、むくみによってますます体調不良になってしまってはこの夏を乗り切れない……。むくみを解消するためには、どんなことに気をつければよいのか?

「手軽にできるのは、体のめぐりをよくするためのストレッチですね。水分は重力によって下に落ち、心臓から遠いところほどむくみやすくなっているので、特に足はむくみやすいのです。つま先立ちをしてかかとを上げ下げしたり、仰向けになって足をあげてブラブラすると良いでしょう。また老廃物の出口である鼠径部のリンパを流すために、あぐらをかいて前屈するストレッチは、空き時間に簡単にできて静脈やリンパの流れを改善できるのでオススメです」

食生活に気を付けることにより、むくみを改善することもできる。

「まずは、冷房の効いた室内にいるのであれば、過剰に水分を摂らなくても熱中症の心配はありません。ガブ飲みはせず、常温やあたたかい飲み物も摂るようにして、冷えを防ぎましょう。夏場にあたたかい飲み物なんて飲みたくない……と思うかもしれませんが、クーラーで冷え切った体が温まり、思いのほか心地よいものです。また、冷たいものを飲みたいときは、水より炭酸水がおすすめです。血管が拡張し、血行を促進する効果が期待できます」(石原氏)

塩分の摂りすぎもむくみの原因となると言われているが、塩気が少なすぎても物足りない。健康的に塩分を摂取するにはどうしたらいいのだろうか。

「塩分を摂りすぎると、体内の塩分濃度を下げようと水分を溜めこんでしまうので、むくみにつながります。そこで、むくみたくないけれど塩は使いたいという人は、むくみの原因となるナトリウムだけで作られている食卓塩ではなく、利尿作用があるカリウムも含まれている自然塩を使ってみましょう。むくみにくくなるのでオススメです」(石原氏)

スイカ、あずき、レモンetc. 利尿作用のある食材を摂ることでむくみ改善

むくみ解消に効果的な成分が含まれている食材を摂ることも重要だ。

「きゅうり、スイカ、アボカド、バナナなどは利尿作用のあるカリウムが多く含まれ、体内に溜まった水分、塩分を排出してくれます。また、抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれる食物を摂ることで血行がよくなり、老廃物が効率的に排出されます。ポリフェノールは小豆に多く含まれているので、カレーやサラダなど普段の食事の中で無理なく摂取してみてはいかがでしょうか。煮汁も一緒に飲むとさらに効果的です」(石原氏)

血管を拡張することで血行促進を促すレモンも積極的に摂りいれたい食材だという。

「レモンに含まれるポリフェノール、レモンヘスペリジンは、血管を拡げる物質の産生増加に加えて、腎臓の体液調節を整える機能へ働きかけることがわかっており、顔周りや目の周りのむくみが軽減されることがわかっています。同じく血管を拡張する効果がある炭酸水にレモンを絞って飲むのもよいでしょう。生のレモンはちょっとめんどくさいという人は、市販のレモン果汁でもOKです」(石原氏)

最近は薬局でも手軽に買うことができる漢方も、むくみ解消に効くものがある。

「漢方がむくみに効くと言われても、体調や体質に合わせてどれを選ぶかは素人判断では難しく、専門知識のある医師に判断してもらうのが一番です。

むくみに効くと言われる代表的な漢方として、防己黄耆湯、防風通聖散、五苓散があります。防己黄耆湯は色白で筋肉・体力が無くぽっちゃりしているタイプ、防風通聖散は体力がある固太りタイプに合っていると言われています。

けれど、色白だけど固太りだったりなど、自分がどちらのタイプか判断するのは難しいですよね。そんなときは、体力の有無にかかわらず体内の水分を捌いてくれる五苓散がオススメです」(石原氏)

流行りの「サウナ」もむくみ解消効果抜群!?

最後に、実は空前のブームに湧く「サウナ」も、むくみ解消に非常に効果的なのだとか。

「サウナで温まることで体のめぐりがよくなるだけでなく、汗をかくことでむくみの原因となる余分な水分や塩分が排出されるので、むくみには効果的ですよ」(石原氏)

サウナの後は「体がスッキリした!」と漠然と感じている人も多いかもしれないが、体のめぐりを改善しつつ、水分や塩分を排出してくれるので、むくみ対策としては一石二鳥なのだ。

ストレッチ、食生活、漢方、サウナ……夏冷え&むくみ対策をしっかりしながら、まだまだ続く暑さを乗り切っていきたい。

取材・文/田中三呂

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