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ぶっちゃけ保険って必要ない!? 200万円でできる「自分保険」という手段

集英社オンライン / 2022年8月25日 13時1分

【30代で知らなきゃアウトなお金の授業】「大人になると保険に入るのがマナー」と考える人が多くいる。日本人のうち約70%以上が医療保険に加入していると言われているが、日本には「国民皆保険制度」が導入されており、医療保険が必ずしも必要と言えないのも事実。医療費の目安などから貯蓄対応するために必要な貯蓄額の目安を解説する。

保険とは「貯蓄がない人」のための商品

最初にお断りをしておくと、私はインターネット上でよく見かける「保険不要論者」ではありません。貯蓄が少ない人には医療保険は必要であり、貯蓄を多く持つ人にとっては無くても特に困らないと考えています。そもそも保険とはリスクヘッジの手段の一つであり、場合によっては必ずしも保険で備える必要はありません。例を使って考えてみましょう。



あなたの貯蓄が1億円あったとします。そして隣に貯蓄が0円の人がいます。貯蓄1億円のあなたと貯蓄0円の人の保険の必要性は同じでしょうか?

そんなことはないですね。貯蓄で支払いができるなら保険はいらないからです。つまり保険とは貯蓄が少ない人ほど必要性が高く、貯蓄が多いほど必要性が下がっていくということになります。

しかし、現実にはそれだけの貯蓄を保有している人は多くありませんので、貯蓄の程度によって必要性を考えていかなければなりません。一般的に1000万円以上の支出が発生する場合は保険で備えます。

火災保険や自動車保険、死亡保険などは人生で一度も使わない人が多いですが、発生した場合に保険に入っていないと、どうしようもなくなるので保険が必要となります。一方、発生したとしても100万円前後の支出であればどうでしょうか?

この程度だと貯蓄がある人は保険ではなく貯蓄で払うことができるはずです。

健康保険で負担はある程度抑えられる

では、実際に保険ではなく貯蓄で対応できる分野はどこでしょうか?

それは医療の分野です。理由の一つとして、日本は健康保険制度があるため、負担がある程度抑えられる様になっています。

例えば、1か月で100万円の治療費がかかったとします。この場合、自己負担はいくらになるでしょうか?

あなたの所得によって負担額は異なりますが、平均的な所得の場合、87,430円となります。30万円と思った人も多いと思いますが、高額療養費制度を活用することで自己負担は9万円足らずとなります。

高額療養費制度とは一定金額以上の治療費が発生した場合、負担が軽減される制度です。年収が370万円〜770万円の方の場合ですと、以下の図のように80,100円を超過した部分はほとんど負担がなくなります。

もう少し所得が低い方が該当する区分であれば、どれだけ治療費がかかっても健康保険対象の費用であれば、上限は57,600円となります。

他にも世帯で合算できたり、過去12か月以内に3回以上上限に達した人は多数月該当となり、さらに負担が抑えられる仕組みもあります。

このように僕たちが意識することなく加入している健康保険には手厚い保障が用意されています。まずは健康保険の保障内容を理解し、それでも不足する場合に民間の医療保険を検討する必要すればいいでしょう

治療にかかる費用の平均額は20.8万円

しかし、病院に入院する場合は健康保険対象外の費用も発生します。病院での食事代や大部屋ではなく個室や2人部屋を希望した際に発生する差額ベッド代などは全て自己負担となります。

では、差額ベッド代を含めてどれくらいの負担が発生するのでしょうか?

生命保険文化センターの調査によると、直近の入院時の自己負担費用の平均は20.8万円となっています。100万円以上かかった人の割合は2.7%となっており、30万円以下の割合は75%以上となっています。

アメリカのように治療をすれば数百万円の治療費が発生する訳ではないので、医療費は貯蓄で対応できる範疇であることがわかります。

自分保険の目安は200万円

話をまとめると、貯蓄でカバーできる範疇であれば貯蓄でカバーすることが合理的です。

保険料は大まかに言えば保険会社の経費と今後支払うであろう保険金をベースに決められています。そのため、一部の人は払った金額以上のお金を受け取れますが、ほとんどの人は掛け損になります。その点、貯蓄であれば、病気にならず介護になった場合や長生きリスクにも転用できます。

では、どれくらい貯蓄があれば医療保険を使わずに貯蓄対応できるでしょうか?

個人的には200万円ほどが目安と思っています。一度の入院負担を仮に20.8万円とするなら、200万円あれば複数回入院したとしても足りると考えています。貯蓄が貯まるまでは保険を利用し、貯まれば解約すればいいでしょう。

とはいえ、それでも…と思う人もいると思います。そういう方は保険に加入した方がいいです。保険に加入しておくことで安心できるのであれば、保障に加えて精神的な支えが手に入るのですから、悪くない選択です。

人は不合理な生き物です。経済的な合理性だけで判断できる人はいません。しかし、「不安だから保険に入る」ではカモにされるだけです。

どれくらい負担が発生するのか、保険からどれくらいの給付があるのかを確認し、ご自身に保険が必要かどうかを考えてはいかがでしょうか。

文/井上ヨウスケ

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