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ペアで2万円のフルコースも。高級冷凍食品の凄すぎるラインナップ

集英社オンライン / 2022年8月23日 19時1分

コロナ禍でおこもり需要が高まって久しいが、今、冷凍食品業界では「高級ブランド」がトレンドとなっている。その中でも注目なのが、お取り寄せグルメ「ブレジュ」のディナーセット。2人分で約2万円という高価格帯にも関わらず、ブランドの中でも人気を集めている商品だ。高級冷凍食品が人気の理由や最新のトレンドを、冷凍食品ジャーナリスト山本純子氏にうかがった。

超高級「冷凍食品フルコース」の中身とその価値

――ブレジュのコースセット、お値段にも驚きますが、それ以上に内容の豪華さに驚きます。

これは我々冷凍食品業界にかかわる者にとっても衝撃のセットです。

高級お取り寄せブランド「ブレジュ」の「三ツ星シェフのおうちディナーセット 奥出雲和牛のプレミアムハンバーグコース (2名様分)」は、ブレジュの人気商品を揃えてセットにした商品です。



【コースセット内容(約2名様分)】
・前菜:奥出雲和牛のプレミアムローストビーフ モモ×1袋(150g)※1ブロック
・前菜:鰯と多伎イチジクのマリネ×1袋
・前菜:砂糖不使用 甘くないチーズケーキ×1袋
・スープ:車海老の濃厚ビスク×1袋
・パスタ:国産本からすみのクリームソース&スパゲッティ×1袋
・メイン:奥出雲和牛のプレミアムハンバーグ ポワブルベールソース添え×2袋
・デザート:平飼い卵のなめらかカスタードプリン×2個
・他:パン(天然酵母パン4個)×1袋

特長は、なんと言っても間違いなしの人気メニューを揃えていること。そして、奥出雲和牛をぜいたくにセットされているところ。奥出雲和牛は島根で育てられた和牛で、「神戸牛よりもおいしい」と評価する人がいるほどの絶品。しかも月間約40頭しか出荷されないため、とても希少な和牛肉です。

そんな和牛を使ったハンバーグとローストビーフがどちらも入っているのですから、もはや2万円でもお得といってよいと思います。

奥出雲和牛のプレミアムハンバーグ ポワブルベールソース添え(画像/ブレジュ)

奥出雲和牛のプレミアムローストビーフ モモ(150g)(画像/ブレジュ)

――プロの目から見ても、2万円出してでも食べたいセットだということですね。

そうですね。そのほかのパスタやプリンも、こだわりの国産の食材を使っていて、まさに「全てが主役級」ですから。

ただ、このコースは決して「チンして楽に食べられる」というものではないんですよ。湯煎で温めたり、簡単な野菜を用意したり、前日からの冷蔵解凍が必要なものもあります。一定の手間がかかるものなんです。

しかし、その時間も含めてこの商品のバリューなのだと思います。おうちの中で、ご家族やパートナーとわいわい楽しみながら準備をするのもこのセットの醍醐味。

普段キッチンに立たない方も「2万円のコースだって?」と、興味をもって準備に協力するかもしれません(笑)。そういった時間や機会を提供してくれるという無形の価値もあると思いますね。もちろん、ギフトとしても喜ばれる内容ですので、贈り物にもおすすめです。

前菜からデザートまで、たっぷり楽しめる内容となっている ※写真はイメージです。(画像/ブレジュ)

「冷凍食品=安くて手抜き」の食品じゃない

――冷凍食品が楽しい食卓を演出してくれるということですね。こういった「高級冷凍食品」トレンドが生まれたのは、やはりコロナ禍がきっかけなのでしょうか。

現在のトレンドはコロナ禍によるおうち時間の需要も大きいと思いますが、「高級冷凍食品」というジャンルは昔からあったものなんですよ。百貨店の冷凍食品専門売り場は昭和20年代末あたりからあり、最初は冷凍魚を扱っていましたが、その後調理食品も増えてきました。そこでは1,000〜2,000円以上するものも売られていたんです。もちろん、スーパーが多店化して冷凍食品を取り扱うようになってからも、スーパーの売場の一部には1,000円台の商品も並んでいて、人気を博していました。

現在の「冷凍食品=安い」というイメージが定着したのは1980年代ごろ、お弁当用冷凍食品がブームになってからですね。そこから徐々に日本では「冷凍食品は安くていろいろ種類があり便利に使えるもの」という評価になってしまい、高級冷凍食品はぐっと少なくなりました。スーパーの値引き販売も“安いもの”というイメージ定着を加速させたと思います。高品質のイメージが低下して、百貨店からも姿を消しました(海外では多種多様な冷凍食品がずっと楽しまれています)。

――百貨店に冷凍食品専門売り場があっただなんて、知りませんでした……。

そもそも冷凍食品は「安くて手抜き」の食品ではありません。作りたてのおいしさを冷凍してその時間を止め、空間を(場所を)超えて消費者に届けるすばらしいシステムです。

事実、先程のブレジュの2万円のコースセットも、元々は島根のおいしい食材を全国に広めたいという思いで作られたメニューです。

セットには「多伎イチジク」という品種のイチジクを使ったマリネがあります。大変美味しい品種ですが傷みやすく、遠方への出荷が難しい。しかし冷凍というシステムを使えば、誰でも、どこでも食べることができます。

鰯と多伎イチジクのマリネ(画像/ブレジュ)

お取り寄せという買い物のスタイルや「おうち時間」が当たり前になった令和においては、これからどんどん冷凍食品の認識や価値は変わっていくと思いますね。

――具体的には、現在どのような「冷凍食品」トレンドがあるのでしょうか。

高級ラインはやはり人気だと思います。各社様々なラインナップを揃えて、通販などで購入できるようになっています。

リアルの店舗でいえば、8月31日に松屋銀座に冷凍食品専門売り場「ギンザ フローズン グルメ」がオープンします。そこではブレジュやZ‘s MENUといった定番のお取り寄せブランドのほか、銀座の名店といわれるレストランのメニューが「銀ぶらグルメ」として手軽に購入できます。

百貨店の冷凍食品売り場が久々に復活したことで、「プレミアムなものを冷凍食品で食べる」というブームが来るかもしれません。

松屋銀座の「ギンザ フローズン グルメ」では、銀座の名店グルメや、松屋銀座でしか購入できない高級グルメが気軽に購入できる(PR TIMES)

しかし、冷凍食品は徹底した温度管理によっておいしさをキープしておうちまでやってきます。本当においしくいただくには、食べる瞬間まで気は抜けないんですよ。

説明書き通りの解凍・調理がマストなわけ

――食べる瞬間まで気が抜けないとは、どういうことですか?

冷凍食品は徹底した温度管理によっておいしさをキープしておうちまでやってきます。それを「コールド・チェーン」と言いますが、まずはおうちで、そのチェーンを切らさないようにしっかりと冷凍庫に保管することが重要です。言うなれば、アイスクリームと同じ感覚で取り扱っていただきたいのです。

冷凍庫から出して、さて料理というとき、皆さんは、冷凍食品の解凍方法、解凍時間、電子レンジならワット数と時間をしっかり守って、説明書き通りに解凍していますか? どんなにこだわった冷凍食品でも、解凍・調理の仕方でおいしさが半減、もしくはそれ以下になってしまうんです。

冷凍食品のおいしさや品質を決めるものは何か?という問いに、食品冷凍学の権威、鈴木徹先生(東京海洋大学特任教授)は「システム論」を唱え、分かりやすく「1×1×1×1=1」と説明しています。

――「1×1×1×1=1」とは、どういった意味なのでしょうか?

掛け算の1は、それぞれ「素材・調理」「凍結」「貯蔵」「解凍・調理」を表しており、そのどれか一つが1以下になると、答えの「品質・おいしさ」を表す1も変わってしまうということを表しています。

冷凍食品とは?(山本純子氏提供)

消費者である我々に関係があるのは「貯蔵」「解凍・調理」ですね。つまり、おいしく食べるには私たちの最後の一手がとても重要になるということです。

――なるほど! 私、今までかなり適当に解凍していました……。

そういう方は結構多いですよね(笑)。「冷凍シューマイを買ったが、パサパサでおいしくない」という方がいました。よく聞いたらラップをかけずに温めていて、必要な水分が飛んでしまっていました。

ある食品メーカーでは電子レンジを約30台を使い、いろんな状況下での解凍を想定して商品を開発しています。誰でもおいしく食べられるよう作られて、調理方法も表示しているので、高級かどうかに関わらず、ぜひ説明書き通りに解凍・調理して味わってほしいですね。

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