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夜間高速バスで日帰り就活の日々。地元からフジテレビ合格を果たした山﨑夕貴・小山内鈴奈アナ

集英社オンライン / 2022年8月27日 10時1分

名門大学のミスコン出場者が多く名を連ねているというイメージを持たれがちな女性アナウンサーという職業。しかし、地元の大学に通いながら、フジテレビのアナウンサーという切符を手に入れた人もいる。フジテレビの山﨑夕貴アナウンサー(入社13年目)と小山内鈴奈アナウンサー(入社2年目)に自身の就職活動を振り返ってもらった。

フジテレビ系列の局がない!

――アナウンサーになろうと思ったきっかけを教えてください。

山﨑夕貴アナ(以下、山﨑) 大学時代に地元・岡山で倉敷小町という親善大使としての活動をしていました。そのときに岡山のテレビ局の方とご一緒する機会が多くあって「テレビ局って楽しそうだな」と漠然と憧れるようになったんです。



小山内鈴奈アナ(以下、小山内) 私は、さまざまな企業が参加するインターンシップの説明会で、テレビ局のアナウンサーの姿を見て「キラキラしているな」「素敵な職業だな」と思い、目指すようになりました。

――フジテレビを受けたのはなぜでしょう?

山﨑 倉敷小町の活動を終える時に、お食事をした人が岡山のテレビ局でお天気お姉さんをするということを聞いて「こんなに身近な人がテレビ局で仕事をするのか!」と思ったんです。それで「自分もアナウンサーになりたい!」と思い、まずは就職活動の時期が早かったキー局の就職試験を受けることにしたんです。

小山内 私はもともとフジテレビのバラエティ番組をおもしろいなと思っていたからという理由でした。というのも、青森ではフジテレビ系列の局が放送されていなくて、いわゆるゴールデンで放送されているバラエティ番組が、他の系列局のチャンネルで休日のお昼に放送されているんです。だから、家族で一緒に見ることが多くて、印象に残っていたんです。

山﨑 え!? じゃあ、親御さんは小山内さんの活躍を見られないの?

小山内 親戚が録画したものを見せてもらっているようです(笑)。あと昨年『FNSラフ&ミュージック ~歌と笑いの祭典~』に出た際は、青森県内でもフジテレビが映る地域の親戚の家で見てくれたらしいですね。

宿泊費、交通費……地方学生ならではのお金の苦労

――おふたりとも就職活動中は、地元から東京に通っていたんですよね?

山﨑 そうなんですよ。だから宿泊費、交通費…と、とにかくお金がかかることを心配していました。「宿泊費を出して」と親に言えず、日帰りで試験を受けようと思ったくらい(笑)。結局、学校の先生に「お願いだから、前乗りしてくれ。お金出してやるから」と言われて、風呂トイレ共同のところに泊まって挑みましたね。

小山内 私も宿泊費が掛かるから、泊まらずに就職活動をしていましたね。夜に夜行バスで青森を出発して約10時間かけて東京に到着して、面接を受けて、夜まで時間を潰した後で東京から青森まで夜行バスに乗って、朝青森に着いた足でそのまま学校に行く……みたいな。試験が中2日とかで行なわれていたということもあり、学校に行ったその足で、再び夜行バスで東京に向かうこともありました。

山﨑 それ体バキバキになりそうだけど…。

小山内 本当にバキバキでしたね(笑)。熟睡できないまま、カメラテストを迎えた日もありましたから。

――体力的にもお金の面でも大変そうですね。

山﨑 本当に。あまりにも大変すぎて、私、一度フジテレビの面接を「貴重な機会をありがとうございました」と断りましたもん(笑)。

小山内 え! どういうことですか?

山﨑 私の時代は1次面接、2次面接を連日行うようなスケジュールだったんですね。だから、本来なら東京に連泊すべきなのですが、ホテルを予約していなかったし、着替えも持ってきていなかったんです。それで「今日の20時までに連絡します」と言われてはいたのですが、それを待っていたら最終の新幹線がなくなるなと思いましたし「どうせ受かってないだろう」と思って、新幹線で岡山に帰っていたんですよ。そうしたら連絡が来て……。

――それに対して、辞退すると申し出たんですか?

山﨑 はい。電話で次に進めると言われた時は、嬉しかった反面「どうせこの先、受かるわけない」と思いましたし、提示された面接時間は始発で行っても間に合わない時間だったので「本当にありがとうございました」って一度断りました。

小山内 そこからどうなったんですか?

山﨑 人事の方が新幹線で来ても間に合う時間にずらしてくれて受けることができました。そこからは荷物も一泊分だけではなく、覚悟を決めて、最終まで残れる着替えを持って行くことにしましたね。とはいえ、お金も無かったのでシャツは買い足さず1枚だけ、消臭剤で乗り越えましたけど(笑)。

就職活動中支えてくれた友人の存在

――お金の面以外だと、頼れる人が周りにいないのではないかと想像します。

小山内 たしかに、初めて面接会場に着いた時はアナウンススクールのつながりなのか、「久しぶり〜!」と声を掛け合っている子たちを見て「おお…」と怖気付いてしまいました。

山﨑 そうでしたね。私の場合、東京に来たこと自体1回しかなかったですし、頼る人が誰もおらず、本当に孤独でした。だから採用試験中に、たくさん友達を作ったんですよね。

小山内 え、すごい! 山﨑さんから声をかけたんですか?

山﨑 私が受けた当時、キー局の試験日程が全部一緒だった上に毎日行なわれていました。それで、どの局も最後の方まで残る人が固定されていたこともあって、自然と仲良くなっていったんですよね。

アナウンサーになれたのは「よく見せたいと思っていなかったから」

――面接でもう1つ気になるのは、標準語で挑むか方言のままかという問題です。おふたりはどうされましたか?

小山内 アクセントやイントネーションを気にしてアナウンサースクールに通っている子もいて、私も3日間だけ短期のものを受けました。でも、完全には方言が抜け切らないまま試験を迎えました。

山﨑 私は自分がしゃべっている言葉が標準語だと思っていたタイプなので「標準語にしなきゃ」とすら思っていませんでした。でも、他の子たちの原稿読みを聞いた時に「これはかなわない」と思って、すごく感情を込めて読んだのを覚えています。「雪がしんしんと……」って(笑)。そういう試験ではなかったのに。

小山内 それもまたすごい話ですね!

山﨑 でも後から聞いた話では、人事の方も「のちのち苦労するんじゃないか」と心配していたみたいです。だから、もしもスクールに通えるなら通ったほうがいいのかなとは思います。入社後にはアクセントの勉強に充てる時間も減りますからね。

小山内 そうですね。ただ、方言に関してはやる気さえあれば、入社後でもどうにかなるなと思いました。フジテレビの場合、1年半かけて丁寧に研修をしてくれましたし、私はそれが楽しかったので。

山﨑 それは本当にそうだね。こんなにも研修が充実しているんだと驚きました。

小山内 一番もったいないのは「訛ってるから、受けない」と思っちゃうこと。アナウンスの大会で1位を取っていたり、スクールで優秀だった子だけが受かる訳ではありませんからね。興味がある方にはぜひチャレンジしてもらいたいです。

――さまざまな面で苦労しながらも晴れてフジテレビのアナウンサーになったおふたり。なぜ受かったんだと思いますか?

山﨑 記念受験のつもりで受けたからというのが大きいかなと思います。そもそも親からも「社会経験のために受けてきていいよ」って言って送り出してもらいましたし、本当に受かるなんて思っていませんでした。

小山内 わかります。私も受かるわけないと思っていました。それに東京のテレビ局で働いている人とお話しする機会って、当時の私に取っては今後ないかもしれない貴重な機会だったので、「とりあえず楽しむか!」という姿勢で臨めたのが大きかったのかなと思います。

山﨑 もともと緊張すると手が震えてしまうようなタイプなのですが、当時は「よく見せたい」とすら思っていなかったんですよね。だからリラックスした状態で受けていましたし、自然体で会話ができたのがよかったのかもしれません。


9月1日より「24年度アナウンサー職」募集開始予定!
フジテレビ採用HPをチェック!!
https://www.fujitv.co.jp/recruit/

後編 「東京で仕事できるわけないは幻想」はこちらから(8月28日10時公開予定)

取材・文/於ありさ 撮影/松木宏祐

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