「続いてはですね、天文に関する質問をいただいています。愛知県のお友だちです。おはようございます」
司会役の女性アナウンサーが挨拶をすると、「おはようございます!」と男の子の元気の良い声が電話口から返ってきた。
「どんなことが聞きたいですか?」
「気球は宇宙に行けますか?」
8月初旬に放送されたNHKラジオ第1の番組「子ども科学電話相談」での一コマである。
この5歳の子の質問に対し、天文・宇宙を担当する国司(くにし)真先生(67)が丁寧に説明している。5、6分ほどやりとりがあった後、男の子は鼻歌を歌い出してしまった。国司さんとアナウンサーは、そろそろといった感じで話のまとめに入った。
「子どもが飽きたなと感じたら、すみやかに切り上げた方がいいんですよ」
国司さんは同番組で33年以上も回答者を務める大ベテラン。説得力がある。