――1章には本誌に連載いただいたイラストが掲載されています。アイデアはどうやって生まれるんですか?
月ごとにテーマだけは決めていたんですけど、何を描くかは、その時その時に、ふと思いついたものを描くという感じでした。なかなかね、先のプランが立てられないの。落ち着きがなくてバタバタしている性格なので。今考えても汗かいちゃう。だから、一人の子をずっと描き続けられればよかったんだけど、描くたびに顔が変わっちゃったんですよ。
――全てキュートで心躍ります。イラストにはセツコさん自筆のポエムも付いています。メモ魔でいらっしゃるんですね。
私は紙とえんぴつさえあればしあわせ。いつもメモ帳を持ち歩いていて、電車の中でも平気で書いています。「たまねぎ」とか、買い物メモも書くし、交差点で聞いた会話とか、気になったフレーズもパッと書きます。いい言葉って、いろんなところから入ってくるんです。最近の名台詞は「本当の締め切りはいつですか?」。私は締め切りを気にしすぎるんです。いつもプレッシャーなの。あるとき、カフェでお会いした方に「あぁ、こんなことしている場合じゃないわ。締め切りが来ちゃう」って帰ろうとしたら、「田村さん、『本当の締め切りはいつですか?』って、編集者に聞けばいいんですよ」と言われて、えっ! そんなものがあるの? って。私はそういうことわからないのね。驚いたのでメモしました(笑)。
メモは部屋じゅうに貼ってあるんです。それを眺めて笑ったり、話しかけたりしてね。私の心の健康法です。