GEMS COMPANY「見つけてくれれば好きになってもらえる」という自信― どうしたら知られるかを乗り越えて

集英社オンライン / 2022年9月5日 17時1分

スクウェア・エニックスがプロデュースを手掛け、ディアステージに所属するアイドル、GEMS COMPANY。2018年に結成し2020年には、avexよりメジャーデビューを果たしている。最先端の技術と作りこまれたアイドル性で、彼女たちは新たなジャンルを作りだそうと奔走中。後編では、コロナが転機になったという活動の変化について語ってもらった。

二次元と三次元のいいとこどりで、新たなアイドル像を切り開いているGEMSCOMPANY。単なるVTuberでもアイドルでもない新たなジャンルを築くべく、彼女たちは日夜奔走している。

最先端技術が実現した繊細なモーションやバラエティに富んだ楽曲により、早耳なファンを獲得。コロナ禍という活動が制限された状況のなかで、一心不乱に4年間を走りぬいてきた。

今回は新曲が8月24日にリリースされたとのことで、メンバーの小瀬戸らむ、奈日抽ねね、水科葵、一文字マヤにインタビューを実施。後編では、活動5年目を迎えた今の心境を語ってもらうと共に、新たにリリースされる3曲について訊いた。

（右上）一文字マヤニックネーム:マヤたそ
趣味:FPSゲーム(DbD)・野球観戦(西武)・カクテル作り
特技:早泣き・英会話・ダンスチャームポイント:手足の長さ・声
将来の夢:声優アイドル・社長

（右下）水科葵ニックネーム:みずしー
趣味:日常の小さな幸せ探し
特技:ピアノ弾き語り
チャームポイント:猫耳ヘア
将来の夢:シンガー

（左上）小瀬戸らむニックネーム:らむちゃん、らむちー
趣味:寝ること、食べること
特技:アクロバット
チャームポイント:半目

（左下）奈日抽ねねニックネーム:なにぬ・ねねちゃん
趣味:コロコロ
特技:モールス信号、ヒエログリフ、ダンス
チャームポイント:コロコロ変わる表情
将来の夢:声優

ピンチが好転させたグループの雰囲気

――GEMS COMPANYは、この8月で活動5年目に突入しますよね。この4年間を振り返ってみて、いかがですか。

一文字マヤ チームとしての色が少しずつ出てきたかな。初期の頃は個人の活動が多かったけど、ライブやイベントのためにみんなで練習する機会も増えたし、メンバーでセットリストや衣装について話し合いをするようになったので。

――セットリストや衣装は、みなさん主体で決めているんですね。

奈日抽ねね ここ1,2年でそうなりました。初めの頃はわからないことだらけでしたし、「私たちがライブのテーマやセットリストに口を出していいのだろうか」と思っていたので、そもそもメンバー同士であまり話し合いをしてこなかったんですよ。

――みなさんから意見を出すようになったきっかけが、何かあったのですか。

奈日抽ねね コロナ禍に直面したことが大きかったですね。それまでのGEMS COMPANYは有観客ライブ中心の活動をしていたので、身動きが取れなくなってしまったんです。動ける体を持っているのに窮屈で。結果として、メンバーで「何かできることないかな」って話す機会が増えましたし、スタッフさんにやりたいことを伝えるようになりました。今のGEMS COMPANYは「曲やライブに自分たちのやりたいことを詰めた活動がしたい！」って気持ちが大きくなっています。

――コロナ禍に直面したことで、グループの体制がいい方向へ向かったと。

一文字マヤ もちろん、「コロナがなければもっとアクティブにライブやイベントができていたのに」と思う気持ちもあります。でも、理想を現実にするための行動は、コロナに直面していなかったらできていなかったかもしれないですね。

――“理想を現実にするための行動”とは、例えばどういったことでしょうか。

一文字マヤ わかりやすい例だと「これからの時代は、もっと配信出来たほうがいいよね」という話になり、配信環境が整備されました。今まではいろいろな兼ね合いで、割り当てられた日しか配信ができなかったんですけど、ひとりずつバンバン配信できるようになったんです。以前よりひとりひとりのコンテンツを充実させられるようになりましたし、外部とのコラボもしやすくなりました。

――コロナ以外にも、この4年間でGEMS COMPANYにとって変化を与えた出来事ってありますか。

奈日抽ねね らむちゃんがGEMS COMPANYに加入してくれたのは、とても大きなことでした。もともとはメンバーを増やすのも「どうしようかな」って感じだったんですよ。でも、当時の現状に満足していなかったし、何かGEMS COMPANYを変えたかった。天真爛漫な小瀬戸が入ってきてくれやことにより話し合いのギアもあがったし、良い影響がグループにあったと思います。

小瀬戸らむ 泣いちゃう……。

――らむさんはグループに加入して「想像と違った」と思ったことって何かありますか。

小瀬戸らむ メンバーのグループ愛が本当に大きいです。GEMS COMPANYのオタクをしていたときも、傍から「グループのことが好きなんだな」と思ってはいたんですけど、いざ加入すると想像以上でした。グループのためなら、大変さを惜しまずに動ける人たちの集まりというか。「こういう方針でやっていきたいよね」「ファンのみんなはこうしたら喜ぶよね」って、常にメンバー同士で話し合いをしています。「そこまでやるんだ」っていう驚きが、一番大きかったですね。
与えられた練習時間以外にも各々でダンススタジオを借りて個人練習していたり、9人のスケジュールを擦り合わせてメンバーだけで集まって曲の確認をしたり。楽曲のアプローチについてメンバー同士で自発的に話し合いをしているのも、本当に驚きでした。

――この4年間を経て、今のGEMS COMPANYにとって課題になっているのは、どのようなことでしょうか。

奈日抽ねね 「どうしたら私たちを見つけてもらえるか」ですかね。私たちのエンタメって、見つけてもらわないと始まらないので。

一文字マヤ そのためには、メディアさんに出させていただける機会も、もっと自分たちの手でちゃんと掴んでいかなきゃいけない。きっかけの種ってどこにあるかわからないし、ちゃんと水やりをする必要があるので。

奈日抽ねね 個性豊かなメンバーばかりなので、見つけてもらえさえすれば好きになってもらえる自信があります。

一文字マヤ あと、結果が数字に表れてないことですね。スクウェア・エニックスの看板を背負っているからこそ、それに見合う私たちでいたいし、期待には応えたい。ひとりひとりが個性を活かした取り組みをできるようになったのがここ最近なので、たくさん試行錯誤してみんなでいろんな数字を伸ばせていけたらいいなって思います。

GEMS COMPANYをたくさんの人に届けたい

――続いて、8月24日にリリースされる楽曲についても聞かせてください。「チアリータ♡チアガール」は、どのような曲でしょうか。

水科葵 テーマは、GEMS COMPANY流の応援歌。メンバーの「ライブでタオルを振って盛り上がれる曲がやりたい」というリクエストとチームとして、コロナ渦で暗い気持ちになったり、直接生活に影響が出てしまった方もいらっしゃるかもしれない・・・そんな皆さんを元気にしたい！とい思いから生まれた楽曲になります。

一文字マヤ メンバーからしっかりと要望を出したのは初めてだったんですけど、聴いた人に元気を与えられるアッパーテンポな曲を作っていただきました。振り付けにも可愛らしさが散りばめられていて、TikTokで踊りたくなると思います。

――「凛と舞いましはんなり小町」は、どのような曲でしょうか。

水科葵 「和風な雰囲気の作品が欲しいね」というチームの意見に、サウンドプロデュースを担当してくださっているMONACAの瀬尾祥太郎さんに制作をお願いした楽曲です。全員の曲としては珍しいミドルテンポで、ゆったり乗れる優雅なナンバー。「チアリータ♡チアガール」とは違う位置にある楽しい曲かな。サビはいつもの可愛いGEMS COMPANYって感じなんですけど、ソロパートは各々のキャラクターを活かした歌い方や表現にしています。ハッとしたりキュンとしたりするポイントが散りばめられているので、注目して聴いてください。

奈日抽ねね 振り付けも和テイストなものが多く、本当に“はんなり”という言葉がぴったり。ぜひライブで見ていただきたいです。

――「桜色の嘘」は、どのような曲でしょうか。

奈日抽ねね 今までGEMS COMPANYが歌ってきた楽曲よりもアーティスティック。いつものような「元気！明るい！」という雰囲気ではないので、「“桜色の嘘”ってなんだろう」「どうやって自分たちの色を出そう」って、みんなちょっと苦戦したかな。

一文字マヤ いつもと違う制作チームが楽曲を作ってくださったので、メロディーや譜割りも新鮮で。自分のものにするのに時間はかかりましたが、とても面白かったです。

――では最後に、5年目の目標を教えてください。

小瀬戸らむ 今までGEMS COMPANYを全く知らなかった人たちにも、私たちを見て好きになってもらいたい。そのために、今まで関わってこなかったジャンルの方ともコラボして、いろんな層にアプローチしていきたいですね。

一文字マヤ 私はライブを多くやっていきたいな。

水科葵 GEMS COMPANY全員でステージに立てる機会は増やしたいよね。9人で歌ったり踊ったりするとなると、いろいろネックなことも増えてくるけど、やっぱりグループとして知ってもらいたいし。

奈日抽ねね 日に日に私たちの環境もアップデートされているし、9人で全力のステージが届けられる日を夢見て、みんなで頑張っていく1年にできたらいいな。