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日本代表決定からまさかの取り消し!? 稲村亜美自らが語るベースボール5のこと

集英社オンライン / 2022年9月3日 14時1分

“神スイング”でお馴染みの稲村亜美が、Baseball5日本代表決定戦を制し、見事優勝。日本代表のユニフォームを背負い、アジアカップに出場することが決定した――というニュースに沸き、さらに続いた、規定を満たすことのできない選手がいたことにより、代表権を取り消されることになったという報道に、ん!? となった人も多かっただろう。そもそもBaseball5って、一体、どんなスポーツなの?

Baseball5とは?

本人SNSより

本人SNSより

キューバで生まれた「クアトロ・エスキーナ」と呼ばれる、手打ち式野球の進化版で、ボールひとつあれば、いつでも、どこでも、楽しめるという、新感覚の都市型スポーツ。
フィールドは、野球の内野より狭く、18メートル四方とコンパクトで、フィールド上にいる選手は、男女各2人以上で、合わせて5人。


バッターは、ゴムボールを自らトスして手で打つが、本塁から3メートル以上離れた場所でバウンドさせなければならないため、ホームランは、アウト!
試合時間は、1試合20分ほどと短く、その分スピード感に溢れている。
誕生して間もない競技だが、すでに世界100ヵ国以上でプレーされており、2026年にセネガルのダカールで開催されるユースオリンピックの公式種目として採用されることが決定している。

私、本番に強いんです

――第1回Baseball5日本代表決定戦、優勝おめでとうございます。

有り難うございます!
タイブレークまでもつれ込んだ準決勝をなんとか勝ち切れことで、チームにも勢いがついて。決勝は、いい緊張感の中で戦うことができました。

――優勝する準備はできていた?

準決勝で戦った大学生中心のチーム、ジャンク5と、決勝を戦った、日本で唯一WBC公認ベースボール5インストラクターの資格を持つ六角彩子さん率いる5STARs、そして、私たち東京ヴェルディ・バンダータが、3強と呼ばれていて。
そのひとつ、ジャンク5との準決勝を前に、“いやだなぁ”“やばいなぁ”と思う反面、“ここを勝てたら優勝もあるよね”という気持ちも、どこかにあったと思います…というか、ありました!

――準決勝、決勝ともにヒットを放ち、チームの勝利に貢献。稲村亜美の代名詞である“神スイング”炸裂です。

いや、そこは…運が良かっただけです(苦笑)。
特に守備に関しては、準決勝でも、決勝でも、相手チームは、みんな私を狙ってくるのがわかっていたので、ずっとドキドキのしっぱなしでした。

――それは…?

何度も戦っているので、お互い、手の内を知り尽くしていて。だから、みんなわかっているんですよ、東京ベルディ・バンバータの穴は、稲村亜美だって(苦笑)。
実際、チームメイトがうますぎるというのもあるんですけど、比べると、私だけ一段も二段もレベルが低いですから。ただ…………。

――ただ?

準決勝でも、決勝でも、私は、ノーエラー!
運が味方したというか、奇跡が起きました(笑)。

――これまで数多くの超一流アスリートが口にしてきたように、運も実力のうち。最後に笑うのは、運を味方につけた者です。

ですね。そう、思うようにします。
運も実力のうち――。
こう見えて…私って、本番には強いんです(笑)。

――優勝後、すぐに、マネージャーに電話をしたのが、話題になっていました。

喜びを爆発させた次の瞬間、ふと、メキシコで開催される予定の第1回ワールドカップの出場権を賭けたアジアカップの日程が気になって。
あれ、そういえば、仕事のスケジュールはどうなっていたっけ?大丈夫かな?と。マネージャーに確認とお願いの電話をしました。

――ところが、でしたね。

そうなんです。仕事のスケジュールは、ギリギリなんとかなりそうだったんですけど…。

――派遣手続きの段階で、アジアカップの参加規定にある『コロナワクチン接種』(チーム全員がマレーシア入国の15日前までに3回摂取済みであること)という規定を満たすことのできない選手がいることが判明して…まさかの、代表権取り消しになってしまいました。

聞いた瞬間は、やっぱり、ショックでした。
でも、すぐに思い直して。
チーム全員で勝ち取った勝利なので、誰かが抜けるようなことがあっちゃいけない。全員で行けないなら、それも運命というか、しょうがないなと気持ちを切り替えました。

――アジア大会には出場できませんでしたが、優勝チームとして記録に残るのは、東京ヴェルディ・バンバータです。

大事なのは、そこですよね。
そうなんですよ、日本一は私たちなんです。
大丈夫、なんたって明るいチームなので、瞬間的に落ち込んでも、みんなすぐに復活してきますから。
来年胸を張って、連覇に挑みます!

笑顔が弾ける新感覚のスポーツ

――稲村亜美さんが、ご自身のInstagramストーリーで、東京ベルディ・バンダータに入団したことを明かしたのは、7月7日でした。まず、その経緯を教えていただけますか。

きっかけは、私がパーソナリティを務めているラジオ番組に、これまで4度日本一に輝いた軟式野球チーム、東京ヴェルディ・バンバータの熊本浩志監督をゲストとしてお呼びしたことなんですが。そこからがちょっと複雑というか、ビミョーというか。

――どういう…ことでしょう?

その時点では、Baseball5の東京ヴェルディ・バンバータというチームは影も形もなくて…。監督とお話ししているときに、Baseball5の話題になって、「私、Baseball5をやりたいんです!」と言ったことがきっかけで、「よし、じゃあ、チームを作ろう!」と、ものすごく盛り上がって。

――えっ!? ということは、稲村さんのために一からチームを作った?

一から作ったというのは正しいですけど、私のためにというのは、ちょっと違います。あくまで、きっかけが、私だっただけで。
熊本さんが奔走してくださり、チームが出来上がって、そこからは、みんなで作り上げたチームです!

――それは、いつのお話ですか。

今年の4月です。
そこから、熊本さんが、とてつもない行動力で、ぐいぐい引っ張っていってくださって。あっという間にメンバーが決まり、チームが出来て、日本代表決定戦に臨んだ…という感じでした。

――チームメイトは、軟式野球、バレーボール、元ソフトボールの日本代表、現役女子大生…と多種多彩な顔ぶれが揃いました。

元ソフトボール日本代表の長崎望未選手とは、もともと仲のいい友達で、「一緒にやろうよ」と声をかけたら、「亜美ちゃんがやるならいいよ」と、すぐにOKの返事をくれて。あとのメンバーは、全部、熊本さんの力です。

――練習は?

試合形式の練習が多かったですね。コロナ禍ということもあり、1週間に一度、みんなで集まるのが精一杯だったんですけど、結果として、そこで積み重ねてきた経験と時間が大きかったと思います。

――そもそもの話になりますが、稲村さんはどこでBaseball5をお知りになったんですか。

あっ! その話をまだしていなかったですね(笑)
決勝を戦った5STARsを率いる、日本で唯一WBC公認ベースボール5インストラクターの資格を持つ六角彩子さんとお友達で。ルールや打ち方、試合の進め方など、私が持っているBaseball5の知識や、技術は、ほぼ六角彩子さんと、5STRAsのみんなに教えていただいたものなんです。

――ライバルチームとも仲がいい?

5STARsに限らず、みんな仲がいいです。
いいプレーには、敵、味方関係なく、「ナイス、プレー!」と褒め合うし、拍手で讃える。もちろん、みんな真剣にプレーしているんだけど、それでも、試合中、ずっと笑顔が溢れているのが、Baseball5の最大の魅力だと思います。

求む! 新メンバー

――野球とBaseball5の違いを教えてください。

チーム編成が、男女それぞれ2人以上の5人で、バットも、グローブも、専用のユニフォームも要らない。ボールひとつあれば、いつでも、誰でも、楽しめるところが、Baseball5の特徴です。

――ボールも、柔らかいんですよね?

軟式テニスのボールくらいなので、当たってもケガをすることはないし、5イニング制なので、1試合にかかる時間が長くても20分くらい。小学校、中学校の授業でも出来るし、お昼休みにだって、出来ちゃいます。

――他にも、ありますか?

フィールドが18メートル四方とコンパクトなので、学校の体育館、公園やショッピングモールの広場でも出来ちゃうのも魅力の一つですね。

――確かに。日本代表決定戦も、1日目の予選は、東京・明治神宮外苑の室内競技場で、決勝ラウンドは、新宿住友ビル三角広場での開催でした。

新宿の高層ビルが立ち並ぶエリアのど真ん中で試合をするなんて、野球ではちょっと考えられないですよね。
感覚としては、バスケットボールの3on3に近いかもしれません。

――守備や走塁は、野球に近いような気もしますが。

そうですね、近いと思います。ただ、守ることに関して言えば、ボールが柔らかいので、華麗な守備を目指すのではなく、確実にとって、確実に投げる。ひとつひとつのプレーを確実にこなすことが大事で、走るという点では、試合中、ず〜〜〜〜っと走っている感じなので、走ることが苦手な私にとっては、かなりハードで。正直、野球よりキツいです(苦笑)。

――打つのはどうですか?

自分でトスしたボールを自分の手で打つので、簡単だろうと思われるかもしれませんが、慣れるまでは結構、大変でした。
コツは、とにかく強く打つこと――。
バレーボールの選手から、中指の下あたりの骨を固めると、強い打球が打てるようになる…というアドバイスをもらったんですけど…なんのことかまるで理解不能で(笑)。
自分でできる範囲で、目一杯、頑張とうと思います。

――11月(7日〜13日)には、第1回Baseball5のワールドカップが開催予定で、2026年にセネガルのダカールで開催されるユースオリンピックでは、公式種目として採用されることが決定。オリンピックでの正式採用も見えてきました。

そこは…どうなんでしょう? 正式に決まるまでは、なんとも言えないんですけど…。
でも、もしも…もしも、ですよ。それが本当に実現したら、生きている間に、もう、これ以上はないってくらいの、夢のような話だと思います(笑)。

――日本代表のユニフォームに袖を通し、フィールドでプレーする自分の姿を想像しちゃう?

いえいえいえ。さすがに、それはないです(笑)。
まだまだ、全然早いです。遠すぎて、カケラも見えていない状態ですから。
ただ…もしも、そんな夢のようなことが起きたら、その夢に向かって全力で挑みたいと思います。

――正式種目に決まると、思っていない強力なライバルたちが、どんどん、名乗りを挙げてきそうですね。

プロ野球、陸上、バレボール、テニス、大学・高校生のチーム、競技の枠を超えたスペシャル・チーム…想像しただけで、頭がクラクラしてきそうです(苦笑)。
ただ、プロ野球選手が、Baseball5に向いているかどうかは、また、別の話なので。どんなチームが来ても、第1回のチャンピオンとして、正々堂々、真正面から戦いたいと思います。

――最後に、メッセージをお願いします。

Baseball5は、みんなの顔に笑顔が溢れる、とにかく楽しい競技です。
見るのも楽しいですけど、実際にプレーしたら、もっと楽しい。
ぜひ、一度、プレーしてみてください。
それと、もうひとつ――
Baseball5は、最大8人まで登録できますが、私たち、東京ヴェルディ・バンバータの登録選手は現在、7人。1人、余裕があります。
やってみたい!という人は、ぜひ、東京ヴェルディ・バンバータのホームページにご連絡ください。男子、女子は問いませんが…走るのが好きな人、足の速い人、それが女子なら、もう、大歓迎です!

取材・文/工藤晋 スタイリング/森島友香 ヘア&メイク/山田みずき 撮影/石田荘一

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