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山奥で暮らした中学時代「秘匿性の高さに惹かれた」ーー声優・葉山翔太が語るBLの魅力

集英社オンライン / 2022年9月4日 15時1分

『ヒプノシスマイク』(波羅夷空却役)など、数々の人気作品に出演する声優・葉山翔太。葉山といえば“BL(ボーイズラブ)好き”を公言しており、Twitterや配信番組『葉山翔太Official Channel 喫茶あまた』でもBL愛を惜しみなく発信している。そんな葉山にBLを好きになったキッカケや好きなBLの傾向、BLの魅力などを余すことなく語ってもらった。

BLとの出会いは中学2年生

――まずはじめに、BLを好きになったキッカケから教えてください。

中学2年生くらいの時に、友達からBLマンガを紹介されて読み始めるようになりました。もう10年以上前のことなので記憶が曖昧ではあるのですが、商業BLコミックスも小説も二次創作も幅広く読んでいた気がします。


――なぜそこまでBLにハマったのでしょう?

今でこそドラマが話題になって、そこまで隠すような趣味でもなくなってきましたけど、僕がハマった当時、BLってまだ秘匿性の高い趣味だったんですよね。逆にそれがよかったのかもしれないと思っています。

僕の実家が山奥にあったもので、気軽に友達の家や街中に遊びに行くことができず、家の中にいることが多かったんですよ。その中で楽しめる趣味の1つとして相性がよかったというのもあると思います。とはいえ、今ほどSNSが発達していなかったので、BL作品を掲載している個人サイト巡りをしてはイラストやマンガ、小説を片っ端から漁っていました。

――10年以上前はpixivなどの作品投稿サイトや電子書籍が出始めたくらいのタイミングでしたもんね。当時BL好きな人たちは、個人サイト巡りをしていた気がします。懐かしい……。

懐かしき時代ですよね。個人サイトをまとめたサイトみたいなものがあって、そこに載っているバナーを全部クリックして見に行くという中学生時代を送っていました(笑)。

高校生になったくらいから徐々に電子書籍が台頭し始めたんですよね。そのころ、僕も寮生活を始めて、親からお小遣いをもらっていたこともあり、電子で商業BLコミックスを買い始めました

――最初に買った商業BLコミックスは覚えていますか?

最初か明確ではないのですが、1番古い記憶として残っているのはぢゅん子先生の『コンビニくん。 』です。甘酸っぱいストーリーとぢゅん子先生の絵のタッチやキャラクターの感情表現の描き方がすごく好きで、ハマって読んでいました。

やんちゃな見た目で勝ち気な性格のコンビニ店員と引きこもりで元ニートのラブストーリー『コンビニくん。』(徳間書店)

BLから青春を摂取していた高校時代

――学生時代は使えるお金が限られているので、さまざまな作品の中から選りすぐりの一冊を買っていたと思います。当時は何をポイントに作品選びをされていましたか?

基本的には巡り合わせで、最新作の中から表紙を見て「この2人のお話ならおもしろそう」「この絵のタッチが好き」と思った作品を読んでいる感じでした。中でもぢゅん子先生、SHOOWA先生、腰乃先生、山本小鉄子先生の作品はよく読んでいましたね。

とはいえ僕、いわゆる“雑食”なのであまりこだわりがなかったんですよ。「こっちにいい匂いがするぞ……」と自分の嗅覚やセンサーを頼りに選んでいました(笑)。

――雑食ということは好きな要素とかもなかったんですか? 例えば、「こういうカップリングが好き」「こういうジャンルが好き」みたいな。

それはありました! 最初に好きだと自覚したのは、「ヤンキーくんとメガネくん」のような対極のキャラクター同士のカップリング。全く別の方角に引っ張り合っているような関係性がよくて。それこそ『コンビニくん。』はメガネではないですけど、引っ張り合っている関係性がよかったんですよね。あとは「ワンコ属性」も好き!

ジャンルは問わずに読んでいましたけど、特に「高校生〜大学生くらいの青春もの」をよく読んでいた気がします。青春を味わいたくて仕方がなかったんでしょうね……。中学時代に友達と遊ぶことが少なくて、高校で寮生活になっていろいろと解放されたんですよ。青春を味わえなかった反動が、選ぶBL作品にも影響していた気がします(笑)。

――BLから青春の養分を摂取していたわけですね(笑)。友達とBLの話しをすることはあまりなかったのでしょうか。

高校生の時にマンガ・イラスト部に所属していたのですが、そこで絵を描きながら、読んだ作品や二次創作の話しをちょこちょこしていましたね。ただ、当時からBLの秘匿性の高さが良いと思っていたので、隠しているわけではありませんでしたが、誰とでも話すわけでもありませんでしたね。

ほしいものを好きなだけ買えるのは大人の特権!

――中学・高校から今まで絶えることなくBLが好きだったんですか?

そうですね。そうはいっても学生時代はお小遣い問題で好き勝手買い漁ることができなかったので、試し読みをして買い物かごに入れたまま買えずに悔しい思いをした作品もたくさんありました。だけど自分でお金を稼ぐようになってからは大人の力(クレジットカード)を使って、ほしいものが好きなだけ買えるじゃないですか。だから、気づいたら買ってしまっています(笑)。

――いろいろ買えるようになった今、どんなポイントを重視して作品を選定していますか?

学生時代と変わらず、まずは試し読み機能で読んで、ビビッと来た作品を買っていますけど、基本それも本能的なものに任せているんですよね(笑)。本当になんでも好きなんですよ! ハッピーエンドもバッドエンドも好きだし、ほのぼのでも暗くても良いし……リバも大丈夫です(笑)。

――雑食だといろんな作品が読めそうですね。羨ましい限りです……! 特にこういうのを選びがちという傾向はありますか?

強いていうならパッと見た時に引き込まれるような絵のタッチは好きかもしれません。例えば、こふで先生の『べな 』はシンプルな絵柄だけど筆っぽいタッチの線画は個性が光っていて、すごく好きですね。

ひとりぼっちの鬼の子べなと、見世物小屋に拾われて働く壱の江戸BL『べな』(双葉社)

あと、学生時代はがっつりエロい作品を読んでいましたけど、大人になってからは徐々にストーリー重視になってきた気がします。もちろんエロに重きを置いた作品も好きなんですけどね!

――ちなみに、大人になってからハマった作家さんはいらっしゃいますか?

いろんな先生がいますけど、はらだ先生と春泥先生の描かれる作品は楽しいなと思っています。おふたりとも、フェチズムに特化した作品を描くのがとてもお上手で! ハマって読んでいますね。

はらだ先生の描く、小学生のゆうと近所のにいちゃん景の衝撃の禁断愛『にいちゃん』(プランタン出版)

春泥先生の描く、懐かしくも新しい珠玉の短編集『雑音』(竹書房)

「誘い〇〇」のキャラクターを演じてみたい!

――葉山さんはドラマCDやボイスドラマ、朗読劇など声優のお仕事でBLに関わられていますが、BL好きな声優として何か意識していることはありますか?

単純に学生の頃からBLを嗜んでいた方がキャラクターに命を吹き込むのと、ずっとファンで読んできてキャラクターに命を吹き込むのでは明確に熱量が異なるとは思います。でもやっぱりお仕事ではあるので、これまでメインキャラクターの声を当てた2作品(『そのアホ捕まえといてください! 』、『嫌いな奴とくっつく魔法にかかる話 』)に関してはいらない熱を出さないように意識していたかもしれません。とはいえ、そこまで作品に出ているわけではないので、まだまだ勉強中です!

――今後BL作品で「こういうキャラクターを演じてみたい」という願望はありますか?

本当にBL好き目線での願望になってしまうのですが……(笑)。相手より自分の方が小柄な見た目の「誘い攻め」または「誘い受け」を演じてみたいです。今までBL作品で演じてきたキャラクターが「子犬系」「スパダリ」「物静か」「ツンギレ」だったので、それらとはまた違ったムンムンな色気を醸し出した肉食系のキャラクターをやってみたい!

コミカルなノリのハッピーな作品で、僕演じる「誘い〇〇」系のキャラクターが相手に食ってかかる。食われる側のキャラクターがワタワタするのも良し、逆に食われ返されるのもよし。考えるだけでも楽しいですね(笑)。

――葉山さんの演じる「誘い〇〇」、とても聴いてみたいです……! それでは最後に、葉山さんが感じるBLの魅力を教えてください。

1番はなんといっても楽しいことですね。「秘匿性の高いジャンルだから惹かれた」とお話しましたけど、今ではほかのジャンルと何ら大差なく楽しめるジャンルであると感じています。学生同士のラブコメ作品や大人向けの人間ドラマが描かれた作品、自分の持つ価値観に問いかけてくるような深い作品もある。さらにマンガだけではなく、小説、ゲーム、映像作品、音声作品など多様なコンテンツで作品を楽しめるんですよ。

僕はBLの様々な作品やコンテンツからたくさん栄養をもらっています(笑)。そういう意味でもBLというジャンルは僕にとってなくてはならない、本当に大好きなものです。これからも大切にしていきたいなと思っています。

取材・文/阿部裕華
撮影/小川遼

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