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「mini」モデルは廃止に? 日本時間9/8発表の新iPhoneに期待する進化のポイント

集英社オンライン / 2022年9月7日 13時31分

Appleは日本時間2022年9月8日(木)午前2時に、スペシャルイベントを開催する。新iPhoneの発表が期待されるが、次期モデルはどのようなラインナップを携え、どういった進化を遂げるのだろうか。また、Apple WatchやiPadには新モデルが登場するのか。ITジャーナリスト・松村太郎が、その動向を予測してみた。

待望のAppleスペシャルイベントが開催

Appleは、米国太平洋夏時間2022年9月7日午前10時(日本時間9月8日午前2時)から、新製品発表のスペシャルイベントを開催することを告知した。

報道関係者向けに出された招待メールには、「Far out.」(日本語版では「超えよう。」)というメッセージが添えられており、宇宙の星々がAppleロゴをかたどる画像があしらわれていた。



今回のスペシャルイベントでは、例年に倣えば、iPhoneとApple Watchの新モデルが発表される可能性が高い。また今回の発表に盛り込まれるかは不明だが、すでにリリースから1年近くが経っていることから、iPad、iPad Pro、AirPods、AirPods Proといった製品にもアップデートの期待がかかる。

だが、今回のスペシャルイベントで最も注目を集めるのは、新iPhoneで間違いないだろう。その中でも多くの情報筋が指摘しているのは、シリーズ構成が変更される点だ。では、いったいどのようなラインナップになるのか。まずはその詳細を予測してみよう。

毎年9月のスペシャルイベントで発表される新iPhone。写真は前回のリアル開催となった2019年のもの

iPhoneのラインアップ構成が変わる?

現行の最新iPhoneシリーズは、5.4インチのiPhone 13 mini、6.1インチのiPhone 13、6.1インチのiPhone 13 Pro、6.7インチのiPhone 13 Pro Maxの4モデルで構成されている。これに加えて、廉価版のiPhone SE(第3世代)、併売されているiPhone 12 mini、iPhone 12、iPhone 11を加えた合計8モデルが、本稿執筆時点で購入できるiPhoneのラインナップだ。

「Pro」モデルではないiPhoneは、iPhone 12シリーズ以来、5.4インチと6.1インチの2サイズで展開されていた。しかし今回、5.4インチの「mini」モデルがラインナップから姿を消すと予測されている。

「mini」シリーズは、筐体サイズが小さいことから手に馴染む上、価格が最も抑えられており、iPhoneの入門機的な位置付けとなることが期待されていた。しかし、Apple自身が決算発表の際に認めたことがある通り、現在はより大きなサイズを購入するユーザーが増加している。実際「mini」については、モデル存続を危ぶむ声が、2020年からすでに囁かれていた。

モデル構成の変更について、考えられる原因としては「バッテリー性能とカメラ性能」にある。Appleはスマートフォンの基礎的な性能としてバッテリーとカメラを挙げているが、「mini」モデルではその方針を叶えることができなくなっている。そしてそれは、「mini」モデルの筐体面積が小さいことに起因している。

スマホの機能とサイズの深い関係

昨年登場したiPhone 13 miniでは、内蔵する「A15 Bionic」チップのおかげでバッテリー持続時間は大幅に改善した。

Appleによると、iPhone 13 miniのバッテリーは「最大17時間のビデオ再生」。これは、iPhone 12 miniよりも最大2時間延びている。実際の利用シーンを想定したとき、たしかにiPhone 13 miniは「バッテリーを気にせずに1日中利用できるデバイス」としてある程度進化した。

しかし動画視聴を中心にスマートフォンの利用時間が延び続ける中で、より小さな画面と短いバッテリー持続時間は、現代的な使い方を想定したときには不利になってしまう。

画面サイズの小さいデバイスは、当然ながら小さなバッテリーしか搭載できない。現在のスマートフォンのデザインは、厚みを極力抑えようとするため、「画面サイズ=端末の面積=バッテリー搭載量」の図式が成立する。そのため、5.4インチと画面が小さいiPhone 13 miniは、他のサイズに比べてバッテリー持続時間がどうしても短くなってしまう。

前述の通り、レビューする中では、たしかにiPhone 13 miniのバッテリー持続時間は問題ないレベルだと評価できる。しかし、スマートフォンという、日常生活で最も重要なツールであり、しかも数年に1度しか買い替えないのであれば、よりバッテリーが持続するモデルを選んでおきたいとユーザーが考えるのも十分理解できる。

iPhone 12シリーズから追加された「mini」モデル(写真右)。新ラインナップでは廃止になる可能性が高い(写真/apple.com)

もう一つの「面積問題」

近年のiPhoneではカメラのセンサーやレンズの大型化が続いており、特に「Pro」モデルにおいては、ボディ背面に配置された物理的なカメラ領域がどんどん大きくなってきている。

カメラモジュールの縦の長さは、3つのカメラが搭載されていたiPhone 11 Proでは約3.1mm、iPhone 12 Proでは約3.6mm、iPhone 13 Proでは3.9mmと徐々に拡大してきた。

レンズのサイズも、iPhone 13になるタイミングで直径約14mmに拡大しており(iPhone 12では直径約12mm)、iPhone 12 Pro Maxと同じサイズになった。iPhone 13 Pro Maxには、さらに大きい約15.5mmが搭載されている。

今後もカメラセンサーとレンズを拡大し続けながら光学的にカメラ性能を高めていく場合、カメラモジュール部分もそれに比例して拡大していくことになる。

そこで問題になるのが、筐体の面積が小さい5.4インチの「mini」モデルだ。

現行iPhoneのボディ背面にはカメラモジュールに加えて、ワイヤレス充電やアクセサリーを磁石で接続できる「MagSafe」が配置されている。カメラサイズが拡大し、モジュールが大きくなっていくと、端末の中央に配置してあるMagSafeと干渉してしまい、アクセサリーをくっつけられなくなってしまう懸念が生じる。

バッテリー性能だけでなく、カメラ性能の面から見ても、サイズが足枷となってしまう「mini」モデルがラインアップからなくなってしまうのは、十分に納得できるものだ。

背面のカメラモジュール部分が拡大し続けている昨今のiPhone(写真/apple.com)

「Far out.」というフレーズの意味

Appleは毎回、発表会の招待状に、新製品・新機能を想起させる画像とフレーズを添えている。たとえば新色とリンクするカラーが用いられていたり、5Gの高速通信をイメージさせる画像を使ったりなど、新たに盛り込まれるデザインや機能をテーマにしながら、シャレも交えたフレーズが選ばれてきた。

では、今回の「Far out.(超えよう。)」というメッセージと星や宇宙を思わせるAppleロゴのアレンジは、どう解釈すればよいだろうか。

昨今、iPhoneやMacBook Airに用いられるベーシックなカラーとして「ミッドナイト」と「スターライト」という新しい名称が用いられるようになった。今回の招待状に添えられた宇宙と星の瞬きのイメージは、ミッドナイト、スターライトにピッタリだが、iPhoneにこれらの新色が採用されることに何の驚きもない。

また、ここ最近の技術動向を参考にすると、iPhoneが衛星通信をサポートする可能性が考えられる。

米・テスラ社のCEOイーロン・マスク氏が率いる航空宇宙メーカー「スペースX」は、衛星インターネットサービス「Starlink」を提供している。2022年8月25日、同氏はStarlinkの第二世代で、衛星とスマートフォンを直接通信できるようにすることを発表した。

さらに、2020年に楽天モバイルが資本業務提携を行なった米国の衛星通信スタートアップ「AST & Science」は「SpaceMobile」を提供しており、こちらもスマートフォンで直接衛星通信を可能にすることを目指している。

これらのサービスの目的は、電波が届かない場所をなくしたり、災害時の通信を確保できるようにするもの。特に米国中を移動する運送業に関わる企業や従業員、登山などのアウトドアを楽しんでいる人々にとっては、日常的に重宝する機能になるだろう。

今回の招待メールには、星で形成されたAppleロゴと「Far out.」のメッセージが添えられていた

Apple WatchとiPadの動向にも注目

Apple Watchは、iPhoneとしか組み合わせることができないスマートウォッチであるにも関わらず現在非常に勢いがあり、Appleによると「購入者の2/3が新規ユーザー」だそうだ。

ユーザー数が拡大する中で、新モデルに期待されることは、体温や血圧、血糖値などのさらなる生態情報の収集や、長らく維持されているデザインの刷新だ。

現在、Apple Watch Series 6をベースにしたApple Watch Series 3をエントリーモデルに据え、Apple Watch SEとApple Watch Series 7が販売されている。加えて、Apple Watch NikeやApple Watch Hermèsといったコラボモデルも展開されている。

今回のイベントでは、ハイエンドな「Pro」モデルが追加されることが期待されている。「Pro」モデルでは、より大きな49mm前後のケースが採用されると見られ、ボタンの増加など操作性にも変化が見られそうだ。そうなった場合、トライアスロンを楽しむ人たちを中心に人気のあるスマートウォッチ「Garmin」の競合になることも考えられる。

Apple Watch Series 7、Apple Watch Series 3、Apple Watch Series SEのラインナップに、新たに「Pro」モデルが追加されることが期待されている(写真/apple.com)

またiPadは現行モデルが第9世代目で、次に登場するのが10世代目と、プロダクトとして節目を迎える。iPadは半導体不足などのサプライチェーンの問題でなかなか販売台数を伸ばせず、機会損失を被っている状況にあるが、近年iPad Air、iPad Pro、iPad miniの各モデルで、USB-Cポートを採用した新世代デザインを採用するなど、着実な進化を遂げてきた。

iPadシリーズの供給不足はこの先も続くと思われるが、もし新モデルが発表されるのであれば、iPad向けのApple純正キーボード「Magic Keyboard」との組み合わせへの最適化やUSBポートの統一など、新しい要素が加わっていくと考えてよいだろう。「Far out.」のキーワードを考慮すると、こうしたフルモデルチェンジと呼ぶにふさわしい進化が期待できるかもしれない。

日本時間では深夜のイベントとなるが、現地からレポートをお届けしたい。


文・写真/松村太郎

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