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「旦那デスノート」から始まる熾烈なバトルの結末は…!? 香取慎吾×岸井ゆきの

集英社オンライン / 2022年9月16日 14時1分

一組の夫婦の譲らないバトルをコミカルに描いた映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』。ホームセンターに勤めるごく平凡で情けなくてだらしない裕次郎と、その裕次郎への日頃のうっ憤をSNSの“旦那デスノート”に書き込む日和という夫婦を、香取慎吾と岸井ゆきのが演じた。笑えて泣けてドキッとさせられるストーリーを通し、人と人とが一緒にいることの困難と尊さに向き合わせられる本作の魅力、そして初共演について訊いた。

「情けない、だらしない、ダメな香取慎吾」が軸に!?

――脚本を読んでどんな印象を持ちましたか?

岸井ゆきの(以下、岸井) 「“旦那デスノート”なんてあるんだ?」って思いました(笑)。ただ、夫婦で言いたいことを直接言い合えていたらこんなことにはならなかったんだろうなと思うけど、言えないこともあるんだろうなと思ったり。私は未婚で、近くで見てきた夫婦というと両親になりますが、仲の良い両親でも冷戦っぽい雰囲気になった時期があって、日和を演じる上でそれを参考にしたところはありました。どこの夫婦も大変なことは普通にあるんだと思いました。


香取慎吾(以下、香取) 相手に対して良かれと思って言ったことが、言い方がちょっと良くなかったりしてこじれちゃったりね。もう少し相手のことを思ってあげられてたら、あんな風にはならなかったのかもしれないと思いました。

岸井 直接言わなきゃわからないっていうことは、これまで何億回もいろんな作品や曲で言われてきたことですが、それでも人間はなかなか直接言いたいことを言えないんだなって。でも、「言いたい」って思うことが大事な第一歩なんだなとも思いましたね。

――市井昌秀監督は脚本を書く上で、「大切な人との関係性を見つめ直すもの」ということと「情けない、だらしない、ダメな香取慎吾」ということを軸にしたそうですね。

香取 そんな感じの役でしたね(笑)。僕にも少しはそういう部分はあるけど、裕次郎は本当に駄目なヤツ。務めているホームセンターでリーダーぶって仕切ったりしてるけど、誰からも慕われてない。その感じがすごく好きですね(笑)。

楽しければ楽しいほどその後に…

――実際の香取さんは、想像していたイメージと何かギャップはありましたか?

岸井 いや、お会いしても香取慎吾さんそのものでした。芸能界は個性があってすごいなあって思う人しかいない世界でもありますが、その中でも圧倒的なものを感じました。

香取 おお~。なんか分かんないけどすごい感じ?

岸井 そう。なんかすごいんです。今に至るまで培われてきた歴史が詰まってる感じがして、「エネルギーがある!」って思いました。

香取 ある!(笑)。

――香取さんご自身はそういう自覚はないというか。

香取 いや、あると思ってます(笑)。

岸井 あははは。香取さんのいろんな顔をずっと見てきたからこそ、どこかつかみどころがないというか、特定の「香取さんってこういう人なんだろうな」っていうイメージがなかったんです。でも今回いろいろお話させてもらって、ずっと見てきた方だけど、すごく近くにいる感覚がありました。「何か話さなきゃ!」とかも思わないし、こちらが気負いせずにいられる、すごく自然体な方だなって思いました。

香取
僕が思って欲しい通りです(笑)。

岸井 おお~、よかった(笑)。

香取 ただ、笑顔が溢れる作品の方がもっと打ち解けられたとは思います。お芝居の中では基本的に本音でぶつかり合ってないからね。

岸井 そうですよね。

香取 それでも撮影の合間で喋れたけど、「そろそろ本番」っていう空気になると役的に距離を取った方がいいと思いましたから。

岸井 私としては香取さんと、出会いから結婚4年目の夫婦喧嘩までを通して演じられたのはとても楽しかったです。風で飛ばされるビニール袋を追いかけるシーンを最初の方に撮ったんですが、大人になると一生懸命走ることってあまりないですよね。でも、私は大人になっても一生懸命ビニール袋を追いかけたいタイプ(笑)。最初にああやって一緒に走り回れたのは楽しかったです。そこで役としての土台もできた気がして、良かったなと思います。

香取 僕もあのシーンは楽しかったですけど、ちょっと辛かった(笑)。僕は愛を持って生きていたい人なので、この楽しいシーンの後にあんなにお互いふさぎ込むようになっちゃうんだっていうのが本当に辛くて。楽しいシーンは回想だから分量としては少ないんだけど、そのシーンが楽しければ楽しいほど辛かったです(笑)。

現場や役によって変わる

――役がメンタルに結構影響するタイプなんですね。

香取 結構影響します。例えば、『西遊記』の孫悟空や『こち亀』の両さんを演じた時の僕と今回の僕は現場の雰囲気は全然違うし。現場に入った時から役の感じでいますからね。だから、久しぶりに会うと接し方が分からなったりもしますね。

岸井 それはわかります。私も現場や役によって結構変わるタイプであまり自分が定着していないところがあるので、どういう感じで接していたかわからなくなります。時間が空いて再共演した時に「そんなだったっけ?」って言われることもありますし(笑)。

――香取さんは役者デビューから35年近くになりますが──。

香取 そんなになりますか。10歳ぐらいからやってるからね。

――ただ、お芝居が苦手だとおっしゃっているのが意外でした。

香取 お仕事の中で一番苦手ですね。緊張しますし、すごく難しいなあって思う。今回もそうですけど、一緒にやりたいと言ってくれる方がいてくださるから、やれています。他のお仕事は、曲もステージも自分で作ってるし、バラエティ、コントも本を作るところから関わってたりするし、絵も自分で1から描いていて。

でも、お芝居だけは作られたものの中に入るから難しく感じるんだと思います。ただ、本当に嫌いだったらやらないと思うんですよね。苦手だけど好きだからやってるっていう、あまり他の人が言わないことを言ってるだけな気もします(笑)。

岸井 なるほど(笑)。

香取 「なんでそんなこと言うんですか?」ってよく言われますから。ものすごく追い詰められることもあるけど、本当に嫌でやめようと思ったことはないですね。

2時間の映画の中に詰まったもの

――お芝居をしていて楽しいなって思う瞬間はありますか?

香取 ありますよ。ぶつかればぶつかるほど楽しいんだけど、同時にお芝居って体に悪いなあって思うんです。今回で言うと、裕次郎と日和が夜、寝室で大声を出し合うシーンはやってて楽しかった。辛いんだけど、他にはない気持ちよさがあります。

――岸井さんはこのお仕事をしてて一番楽しい時はどんな時ですか?

岸井 お芝居をすること自体が楽しいっていうのはあるんですが、何かを作っている過程が好きなんです。稽古も好きですし、自分が芝居をして、それを捉える人がいて、照明を作る人がいて、音を録る人がいて、っていう状況がまず好きです。

映画がすごく好きなので、その2時間のためにどれだけの人がどれぐらいのことをやっているかを近くで見ることも好き。あと読書も好きなので脚本を読むことも好きです。辛いことはありますが、辞めたいと思ったことは一度もないですね。

取材・文/小松香里 撮影/下城英悟


『犬も食わねどチャーリーは笑う』(2022) 上映時間:1時間57分/日本
2022年9月23日(金)より全国ロードショー
出演:香取慎吾 岸井ゆきの
監督・脚本:市井昌秀
配給:キノフィルムズ
©2022“犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS
公式サイト:https://inu-charlie.jp

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