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カーシェアしたIONIQ 5は、ひたすら“未来”な電気自動車だった

集英社オンライン / 2022年9月14日 17時1分

Hyundai(かつての「ヒュンダイ」改め「ヒョンデ」=現代自動車)が、日本の市場に投入したクロスオーバーSUV型のEV(電気自動車)・IONIQ 5(アイオニック 5)は、いろいろな意味で注目を集めている。その乗り心地や性能を体感した、しがらみもバイアスも一切ないレビューが届いた。

一部の人からは絶対に認められない因果な車

先日、カーシェアサービスのAnyca(エニカ)を使い、Hyundai(かつての「ヒュンダイ」改め「ヒョンデ」=現代自動車)が、今年、日本の市場に投入したクロスオーバーSUV型のEV(電気自動車)・IONIQ
5(アイオニック 5)を借りて、乗り回してみた。

ユニークなランプデザインは「パラメトリックピクセル」というコンセプト


その体験記を書こうと思っているのだが、車を返却してから数日間ずっと、どのようにまとめたらいいものかと迷っている。
世の中には、韓国企業であるHyundaiに偏見を持つ人が少なからず存在し、これまでIONIQ 5について書かれた記事のコメント欄には、一部の読者から寄せられた、本質から外れる異様なコメントが目立つからだ。

AnycaからもHyundaiからも1円ももらっておらず、嫌韓派でも韓流マニアでもない僕は、IONIC 5を褒めようが貶そうが構わないフラットな立場だ。
だが、こうした前置きをしなければ書き出せないのは、日本においてこの車にかけられている、面倒臭い呪縛のようなものが気になるからに違いない。
一度は撤退した日本市場に再チャレンジしようとしているHyundaiの前には、乗り越えなければならない大きな壁があるのだろう。

ともかく本題に入る。
IONIQ 5に乗った僕の感想を一言で表すと、「ついに本当の“未来”が来たんだな」というものだった。

IONIQ 5のロゴデザインも秀逸

非対面で車を借りられるAnycaのシステム

Anycaは、車をシェアしたい個人と車に乗りたい個人とを結ぶ役割を基本としているが、カーディーラーが持っている試乗車や法人オーナー車に乗る形、またAnycaの経営母体であるDeNA SOMPO Mobilityが所有する車をレンタカーとして利用する形など、様々な形態のカーシェアを、一元管理のシンプルな手続きでおこなえるサービスだ。
僕が借りたIONIQ 5はDeNA SOMPO Mobilityが所有する「わ」ナンバーの車だった。

車探しから予約までは、Anycaのスマホアプリで完結する。
アプリ内で検索し、1000車種・20000台以上という登録車(実際にシェアできる車は、現在5000台ほどだそうだが)の中から乗りたいorシェアしたい一台を見つけ、空いているスケジュールに予約を入れるだけだ。

個人や法人、ディーラーからの車に乗る場合はまた違うようだが、DeNA SOMPO Mobility所有車を利用する場合は、非対面、つまり誰にも会わずに実車の貸し出しがおこなわれる。
指定の駐車場へ行き、借りる車の所定の位置に、事前にドライバー登録で使った免許証をタッチ。
すると車のロックは解除され、そのまま走り出すことができるのだ。
キーは車のグローブボックス内にあらかじめ収められているので、受け渡し作業は不要。
非対面で進行するカーシェアシステムは初めてだったので、なかなかよくできているものだと感心した。

リアウインドウの所定の位置に免許証をかざすとロックが開く

こうして24時間だけ僕のものになったIONIQ 5。
まず驚いたのは、今まで見たことがないような外観のデザインだった。
まるでCGの世界から抜け出してきたような、異物感を漂わせている。
僕はこの車を見てすぐ、未来的だけどどこか少し懐かしさのようなものも感じられることに気づいた。
そして“レトロフューチャー”という言葉とともに、昭和世代の僕らが憧れた、ジウジアーロデザインの車を思い出したのだが、それはなかなかいい勘だったようだ。
あとから調べて知ったところによると、IONIQ 5とジウジアーロは、直接ではないもののつながりがあるのだった。

細部までこだわった外観のデザインは見たことのない雰囲気

Hyundaiが1975年に発売した、初の独自開発乗用車・ポニーのデザインを担当したのは、イタリアの巨匠デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロだった。
そして2021年に発売されたこのIONIQ 5は、Hyundaiにとって記念碑的な車であるポニーをオマージュしたデザインになっているそうなのだ。

僕は単純にかっこいい!と感じたが、モーターショーに出品するコンセプトカーのようなデザインをそのまま市販車に落とし込んだIONIQ 5の外観は、好き嫌いが分かれるところなのかもしれない。

乗ってびっくり、驚きの連続だったIONIQ 5

運転席に座ってみるとまず、計器類からカーナビまですべてが一体となったディスプレイに目を奪われた。
最近のEV車はどこのメーカーのものも、車載ディスプレイを採用しているという知識ぐらいは持っていたが、IONIQ 5の2画面に分かれる洗練されたデザインのディスプレイを前にすると、それだけで心が踊った。

横長液晶パネルが並べられたインパネ部

もともと横幅が広くホイールベースも長めの大きな車ではあるが、車内は予想を上回る広さで、クーペ型SUVの車内であるにもかかわらず開放感があった。
特に運転席と助手席の足元に大きな余裕があり、広々としているのが心地よい。

車内は想像以上の広々空間

内装でもうひとつ特筆すべきは、運転席にも助手席にもオットマンがついていることだ。
駐車中、シートの脇に施されたボタンを操作すると、背もたれが倒れ、オットマンがせり上がってきて、シートが自動的にリラックスポジションとなる。
聞くところによると、ガソリン給油と比べると長い時間がかかる充電中、ドライバーにリラックスした姿勢でのんびり待ってもらうための機能らしい。
未来チックな車なのに、こんなところはなかなか人間的で面白いと思った。

ちなみにIONIQ 5は、90kW級の急速充電器を使用する場合、32分で10%から80%までの充電が可能なのだそうだ。思っていたよりも早いじゃないか。
充電時間の長さとともに、EVは航続距離の短さがよく取り沙汰されるが、満充電にしたIONIQ 5は、僕が借りた基本グレードで498km、上級グレードでは618kmという長い航続距離を実現している。
そのくらい走るのであれば十分であり、もうEVゆえのデメリットとは言えないのではないかと思う。

充電中の液晶パネルには完了までの残り時間が示される

肝心の走りについてだが、自動車の評論家でもカーマニアでもない一介の平凡な物書きである僕は、これまでガソリン車にしか乗ったことがなく、他のEVとは比べようがない。
少なくとも、普段乗っている愛車(スバル・XV)とはまったく違う感覚で、静かかつ滑らか、そして小気味よい加速性能が圧巻だった。
運転支援システムは今どきの車なら珍しくないのかもしれないが、初めてでもすぐに使いこなせるほどわかりやすく、先行車追随機能も車線キープ機能も非常にスムーズに作動した。

そのほかにも、オートパーキング機能や自動でホップアップするドアハンドル、右左折時にフロント画面に表示されるサイドカメラの画像などなど、たくさんの革新的な機能性が施されているIONIQ 5。

左・ウィンカーを出すとフロントパネルにサイドカメラからの画像が映し出される。右・キーを持って近づくとホップアップするドアハンドル

車庫入れや縦列駐車がもともと得意なアナログおじさんの僕に言わせれば、試してみたオートパーキングは、遅いうえに危なっかしい感じがして、「もういい! 自分でやる」となってしまったが、その他の大半は素直に称賛したくなる便利な機能だった。

お台場へ、横浜へ。運転してわかったIONIQ 5の良いところ

渋谷で借りたIONIQ 5で、僕はまずお台場へ行ってみた。
新しい車に乗るととりあえず、横目で東京タワーを眺めながらレインボーブリッジを通過し、お台場へ向かうというのは、ぎりバブル世代である僕のようなおっさんによく見られる習性なのだろう。

IONIQ 5のスムーズで力強い加速感は、平日午後の空いた首都高を走ることで、より深く味わうことができた。
極めて静かなのにめちゃくちゃパワフルで、ヒュイーンと一気に加速していく感じは、まさに新感覚。気持ちがよかった。

とりあえずお台場に行くっしょ

そしてこの車はとにかく、やたらと目立つということに気づいた。
信号待ちしているときなどは、「この車はなんだ?」という視線を、嫌というほど浴びた。

翌日は、第三京浜を通って横浜までドライブ。
そして首都高湾岸線を使って東京に戻る途中、大黒埠頭のサービスエリアに寄った。
やはり、往年の王道ドライブコースからは逃れられない世代だ。
大黒埠頭SAには、新型EV用の急速充電器が設置されていたので、充電も試してみたが、非常に簡単だった。

大黒埠頭SAの急速充電器で充電

そして制限時間いっぱいとなったので、渋谷の元の場所へ返却。
返却手続きももちろん非対面で、簡単に済ますことができた。

僕が乗った初めてのEV車で初めての韓国車であるHyundaiのIONIQ 5は、バイアスなしのピュアな目線で評価すれば、掛け値なしの素晴らしい車だった。
Anycaのシステムもわかりやすく、リピーターになりそうな予感がする。

最後に、Anycaの中の人に頼まれたので、少しだけPRを載せておこう。
IONIC 5やAnycaのシステムに興味を持った人におすすめしたいのが、この秋、軽井沢の書店でおこなわれるキャンペーンだ。

いただいた資料をそのままコピペすると、以下の通り。

蔦屋書店を手がけるカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が2018年に軽井沢に出店した軽井沢書店で、旅行者や周辺住民の皆様が排気ガスを一切ださないグリーンカーシェアリングを楽しめることにご賛同いただき、脱炭素・SDGsの取り組みの一環として「Anyca Official シェアカー」カーシェアの期間限定ステーションが実現。
これを記念して、1時間乗車無料キャンペーンを実施(終了予定:2022年11月30日)。
場所:軽井沢書店
アクセス:軽井沢駅徒歩約10分
運営期間:9/17(土)〜11/30(水)まで期間限定
営業時間:24時間
車種:Hyundai アイオニック 5、メルセデス・ベンツ Gクラス
https://store.tsite.jp/karuizawabooks/
クーポンコード:karui0916 ※9月16日(土)からクーポン登録可

だって。
確かに、秋の軽井沢をIONIQ 5やゲレンデで走ったら気持ちいいかもしれない。
この機会にぜひ。

文/佐藤誠二朗

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