――子どもの頃からたくさんの本を読まれてきた田村さん。読書から得たものはありますか?
田村保乃(以下、同) いっぱいあります。本を通じてさまざまな言葉や考え方に出会い、「こういう考え方をしたら人生が楽しいよな」とか「こういうふうに人に接することができたらいいよな」と考えたり。現在の「田村保乃」ができたと言ったら大袈裟かもしれませんが、それまでの自分に足りなかったものをたくさん補ってもらったと思います。
特に学生時代は、まだ自分というものの基礎が固まってなくて、どういう人間になりたいか迷うことも多かったのですが、小説の中の素敵な言葉がいい方向に導いてくれたように感じています。
――ハートフル小説の魅力は?
忙しいときや、何かを頑張らなくてはならないときに読むと、心が安らぐところです。ただ単にほっこりするだけでなく、人生が楽しくなるような考え方など、何かしらの「気づき」があるのも魅力。学生時代は、重いテーマの作品や、ちょっと刺激のある作品ばかり読んでいましたが、大人になるにつれてハートフル小説を手に取ることが増えました。