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バド混合ダブルス東野・渡辺ペア、目標はパリ五輪の金メダル、中国ペアを追い越す!

集英社オンライン / 2022年9月15日 11時1分

渡辺勇大/東野有紗は、東京五輪で、日本初となる混合ダブルスのメダル(銅)を獲得した。2人の連係力は、ともに越境入学した福島県の富岡第一中学校時代(バドミントン部は、現・ふたば未来学園が継承)から同じチームに所属して培ってきたものだ。1学年上の東野選手は年下の渡辺選手を尊敬しているといい、渡辺選手は先輩に支えられているという。2024年パリ五輪の金メダルを目指す2人は、どのように支え合い、目標に向かっていくのか。

中学から長くペアを組んでいる2人。現在は中国のペアを筆頭に4強争いとなっている混合ダブルスにおいてワタガシペアが描く、頂点へ立つ道筋とは。

――帰国時に帰省はしていますか? 渡辺選手は、叔父さんが経営するお寿司屋さんに行くと話していたことがありましたよね?



渡辺 お寿司は、最近なかなか行けてないですね。出身も活動拠点も東京なので、両親とご飯を食べに行くことはありますよ。

東野 私は地元が北海道の岩見沢市で、空港からも少し距離があって移動で半日かかってしまうので、短期間の帰国ではあまり行かないですね。でも、今年は家族には会えている方かな。勇大君の叔父さんのお寿司屋さんは本当に美味しいんですよ。私は北海道出身なのにずっとウニが食べられなかったんですけど、あのお店で出してくれたウニが美味しくて、それからはいつも絶対にウニを食べています。

――東野選手が1学年上で中学からずっと一緒ですが、互いの家族も知っていますよね?

渡辺 仲いいですよ。会場での応援も一緒にしてくれていますね。多分、うちの親は東野先輩のお母さんから僕の情報を聞いていると思います。僕は自分のことを親に話すことがあまりないですし、メールも面倒で返さないときがあるから。

東野 この間、マットで足をケガしたときも「勇大君は大丈夫なの?」って、うちの親から聞かれました。直接聞いても返って来ないから、私たち経由(笑)。

私は元気ですよって伝えたい

――4月からプロ契約となった渡辺選手は、YouTubeチャンネルも持っていますし、ファンクラブも設立しましたよね。2人とも個人で情報を発信して、ファンと交流されてますが、どのような狙いが?

渡辺 当たり前ですが、自分で発信することが大事になっている時代だと思います。会社や組織に頼らなくても、自分のプラットフォームで発信して自分の価値を上げられる。逆に言うと、自分自身にどれだけ価値を見出せるか。だからSNSが普及していると思うし、その波に乗らないと置いていかれちゃうとも思っています。Twitterも昔からちょっとやっていましたが、YouTubeやインスタグラムは広くいろいろな人に見てもらえるものだし、最近作ったファンクラブも事務所の方に手伝ってもらっていますが、責任・成果が自分というのは好きですね。

東野 コロナ禍になってから、日本で試合をするときは無観客が多く、ファンの人たちに会えていないので、私は元気ですよって伝えたいし、私がどんな人かも知ってもらえたら嬉しいし、楽しい。私は、そういう感じでSNSで発信をしています。

――渡辺選手は、学生時代「東野先輩は陽キャだけど、僕は人見知りで陰キャだった」と話されてました。何故、自ら発信していくことが得意になったのでしょうか?

渡辺 高校の頃は、ある程度勝てていたので気にしていませんでしたが、社会人になって戦う相手の層が広がって、そこで1番になるためには気を遣って隠れている場合じゃない、とにかく自分が成長できる環境にしていかないといけないと思いました。世界で勝ちたいなら、自分を表現して刺激を受けたり、評価されるために目立たなきゃいけない。そう思うようになってからは、変に気を遣うことはなくなったと思います。陰キャのままじゃダメだと思えたことが、今の僕を作っていると思います。

「このダブルスを作ってくれているのは先輩」

――以前より、東野選手がペアを引っ張っているイメージの試合が増えている気がするのですが、何か変わってきているところは、ありますか?

東野 私は何かを変えたとか、変わったという感じはしていないんですけどね。

渡辺 戦術面では僕が提案することが多いかもしれないけど、特に踏ん張りたいときとか、勝利に対するモチベーションや気持ちの面では、先輩にカバーしてもらっていることが多いです。僕も自立して一人で完結できないといけないですけど、出来ていないときが多いので、このダブルスを作ってくれているのは先輩だと思っています。
銅メダルを取った東京五輪の3位決定戦のときもそうでした。

――8/22~8/28に東京で行われた世界選手権、8/30~9/4に大阪で行われたジャパン・オープンと2週連続で決勝に進出して銀メダルでした。

渡辺 今まで参加した世界選手権は、金を取る意識はせず参加していたのですが、今大会は1位を狙うという明確な意志を持って調整して臨みました。準決勝までは先手を取って試合を作れたのですが、決勝戦では一歩及ばずでした。大会の間隔が近いジャパンオープンでも疲労が抜けず、終盤失速してしまいましたね。厳しい大会でしたけど、プラスになることもあったので、バネにして頑張りたいです。

東野 最後の一点の難しさを改めて感じる難しい大会でしたが、疲労やプレッシャーがある中で両大会とも決勝戦まで進めたことは自信につながっています。でも二大会とも観客の方がたくさん温かい応援をしてくれて、すごく頑張れました。金メダルを届けることができなかったのは残念ですが、細かいところを修正していきたいです。

中国1強に「待った」をかける

――パリ五輪の金メダルまでの距離は近付いていますか? 意気込みを聞かせてください。

東野 パリ五輪の出場権獲得レースが来年5月から始まりますけど、それまでの大会でまずはいろいろなことに挑戦して、課題を詰めていければいいと思っています。レースが始まっても、気負わずに2人のペースでやっていって、ちゃんと乗り越えられたら、パリ五輪で金メダルを取ることができるんじゃないかと思うので、自分たちを信じてその時その時の課題を克服していきたいです。

渡辺 今の混合ダブルスは、中国の鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン)組の1強。結果がそう示しています(8月に東京で行われた世界選手権で優勝)。このペアを、中国のもう1組と、タイのペア、そして僕たちが追いかけている、そういう勢力図だと思っています。一時期より実力は近付いていると思いますけど、まだ差は大きいと思っています。この差を詰めていかないと、パリ五輪の金メダルは難しい。中国ペアが崩れてくるのを待つのではなく、追い越しに行きます!

東京五輪には、20代前半の若手ペアとして臨んだ。実績で上回り、金メダルを期待される先輩たちがいた分、プレッシャーが軽減されていた面もある。24年パリ五輪では、日本のエース格として臨むことになるだろう。コート内外で、これまで以上にコミュニケーションを取りながら、2人は世界の頂点を目指す。

<渡辺選手>
トップス ¥15400、パンツ ¥17600/ハーフテン_カンタベリー(カンタベリー吉祥寺) 〈0422-29-7150〉 シューズ/スタイリスト私物

<東野選手>
ジレ ¥9779、トップス ¥8800/romile 〈info@romile.jp〉 パンツ ¥34650/オブリ(LUCK TOKYO) 〈https://obli.tokyo〉 太リング ¥26400、サークルリング ¥18700/hHOME 〈http://hhome.jp/

取材・文/平野貴也 構成/星山江里可 撮影/猪原悠 ヘアメイク/榎田茉季(ROI) スタイリスト/坂下シホ

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