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大相撲・幕内力士の優勝に新たな名誉!? 3色全制覇による「マカロン・グランドスラム」を達成せよ

集英社オンライン / 2022年9月24日 14時1分

スポーツの世界で優勝者が掲げるトロフィーや副賞は大きさや形も様々。なかでも知る人ぞ知る、大相撲の「日仏友好杯」は見る者へのインパクトが強烈だ。神聖なる土俵に運ばれるカラフルかつ巨大なマカロン! その由来やそもそも食べられるのかなど、ひと目見ると湧き上がる疑問の数々。そして「マカロン・グランドスラム」とも呼べる優勝予想の楽しみ方を、テレビ番組に関する記事を多数執筆する、ライターの前川ヤスタカが深掘りする。

千秋楽ではビッグマカロンにご注目を

今場所も熱戦が繰り広げられている大相撲。
相撲協会もSNSなどでの情報発信に力を入れており、女性や若い方にもファン層は広がっている(ちなみに相撲好きのことを「好角家」と呼びます)。



私も千代の富士が番付を駆け上がっていた時代から40年以上ずっと好角家の端くれではあるのだが、そこは伝統ある大相撲、私なんぞはまだまだひよっこである。なので、こんなところで偉そうに相撲について正面から語るなんて恐れ多いというのが正直なところだ。

そこで今回は、私が長く注目している、広く奥深い相撲の世界の端っこの一部分について、触れさせていただきたい。

普段相撲をご覧にならない方でも本場所の最終日、千秋楽だけはテレビでちょっと見るという人もおられることだろう。
最上位幕内の優勝者を称える表彰式で、どでかいマカロンをうやうやしく捧げ持っている人をご覧になったことはないだろうか。それこそが今回話したい件である。

ビッグマカロンとはそもそも何か?

表彰式では色々な団体から特徴あるトロフィーや副賞が贈られる。もっとも有名なのは内閣総理大臣杯で、小泉純一郎元首相が「痛みに耐えてよく頑張った! 感動した!」と当時の横綱貴乃花に贈っていたのはそれである。

そして例のマカロンが掲げられるのが、長年の歴史を持つ「日仏友好杯」だ。
元々は好角家だったジャック・シラク元大統領が出していた「フランス共和国大統領杯」をルーツに持ち、2011年(平成23年)7月場所からはピエール・エルメが副賞として特注のマカロンを贈っている。

そして2012年(平成24年)初場所、土俵上に満を持して登場したのが、通称「ビッグマカロン」である。このビッグマカロンは実際に贈られるものとは別で表彰式用のオブジェ。直径41cm、厚さ23cmのビッグサイズでこれ自体は食べられない。

テレビでは見たことがない方でも、Twitterなどでこの「天に捧げ持たれるマカロン」の画像がリツイートされてきた人は数多いのではないだろうか。

今場所の色は? 3色によるローテーション

このビッグマカロン。実は場所毎に色が異なる。SNSでは毎場所千秋楽のたびに「今場所のマカロン何色かなー」と呟く人が一定数いるのだが、マカロンの色は法則性があり決まっている。

過去の順番は以下のとおりである(前川調べ)。

2012年 1紫 3緑 5緑 7緑 9緑 11緑
2013年 1金 3桃 5緑 7金 9桃 11緑
2014年 1桃 3緑 5金 7桃 9緑 11金
2015年 1桃 3緑 5金 7桃 9緑 11金
2016年 1桃 3緑 5金 7桃 9緑 11金
2017年 1桃 3緑 5金 7桃 9緑 11金
2018年 1桃 3緑 5金 7桃 9緑 11金
2019年 1桃 3緑 5金 7桃 9緑 11金
2020年 1桃 3無 5無 7桃 9緑 11金
2021年 1桃 3緑 5金 7桃 9緑 11金
2022年 1桃 3緑 5金 7桃

※1=1月場所 3=3月場所 5=5月場所 7=7月場所 11=11月場所

略して書いているが、緑がピスタチオっぽいグリーン、桃が明るいピンク、金は金箔の貼ってあるようなゴールドである。

これを見ていただくと分かるとおり、最初の2012年は、今では幻となった薄紫色のマカロンからスタートし、その後はずっとグリーン。

2013年からは3色のローテーションが始まり、同年はゴールド→ピンク→グリーンのサイクル。
2014年には同じく三色のローテーションながら、ピンク→グリーン→ゴールドのサイクルに変わり、以後、今年2022年に至るまで変わっていない。
(尚、2020年(令和2年)3月場所と5月場所が「無」となっていのは、新型コロナウイルスの影響により3月場所は無観客開催(表彰式なし)、5月場所は中止となったため)

なので今場所(2022年(令和4年)9月場所)のビッグマカロンの色はグリーンであり、来場所はゴールドである。「今場所のマカロンの色が気になるー」とか思わなくても大丈夫なので、是非安心して表彰式を見ていただければと思う。

3色獲得で「マカロン・グランドスラム」達成!

で、これを踏まえて私が長年集計しているのが「各力士のマカロン獲得レース」である。知る限り、こんなことを毎場所数えているのは私だけだ。

ローテーションが確立した2013年以後、最上位の幕内優勝力士が同場所のマカロンを獲得するというルールで集計したのがこちらである。

・白鵬* 桃8 緑6 金7
・照ノ富士 桃1 緑2 金4
・鶴竜* 桃1 緑3 金2
・日馬富士* 桃1緑2 金2
・御嶽海 桃2 緑1
・稀勢の里* 桃1 緑1
・貴景勝 金2
・琴奨菊* 桃1
・栃ノ心 桃1
・玉鷲 桃1
・德勝龍 桃1
・大栄翔 桃1
・逸ノ城 桃1
・豪栄道 *緑1
・正代 緑1
・若隆景 緑1
・朝乃山 金1


*は引退

私の中で、3色のマカロンを全て獲得することを「マカロン・グランドスラム」と呼んでいるが、これまで達成したのはわずか4人。いずれも最高位・横綱の力士ばかりである。

そもそも3回以上優勝しないとマカロン・グランドスラムは達成できないのだが、そう効率よく3色揃うようには優勝できないのが難しいところ。御嶽海のように3回優勝してもまだ達成できていない力士もいる(あとはゴールドが取れれば達成なので次に可能性があるのは11月場所=九州場所)。

こうやってみると、とにかく白鵬の凄さが際立つ。実にグランドスラムを達成すること6回。その他の達成者がいずれも1回であることと比べても超人的だ。
ちなみに無観客で表彰式がなかった2020年3月場所も白鵬が優勝したので、本当ならば緑がもう1つあったはず。そうなると7回のグランドスラム達成だったわけで、こういうこともあるのがまた面白いところである。

優勝争いの見方に加えたいマカロン目線

最近の大相撲は、絶対的強さを誇った白鵬の引退で群雄割拠の戦国時代となっている。もちろん現役の一人横綱・照ノ富士が実力としては頭ひとつ抜けているが、怪我もあり盤石ではない。
その結果、毎場所のように優勝者が変わり、マカロンを1つだけ獲得している力士が大量に発生している。それはそれで面白いのだが、そろそろ圧倒的強さでグランドスラムを達成する力士も見てみたい。

そしてビッグマカロンが登場してから10年余り。そろそろ新色が出てくれないかなとも思う。世の中には色とりどりのマカロンがある。フランスの英断にも期待したい。

鉄道好きに「撮り鉄」「乗り鉄」があるように、相撲にも色々な楽しみ方がある。
是非、今場所の千秋楽はマカロン目線で見てみていただきたいと思う次第である。

文/前川ヤスタカ イラスト/Rica 編集協力/萩原圭太

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