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パクリ、低予算、おふざけが生む悪名高き「アサイラム」映画の傑作ベスト5

集英社オンライン / 2022年9月27日 12時1分

クセ強映画スタジオ「アサイラム」の奇跡の名画ランキングベスト5をお届けする

低打率ながら奇跡の名作を生みだす

皆さんは〝アサイラム〟という映画スタジオをご存じだろうか。マイケル・ベイ監督の映画『トランスフォーマー』(2007年)に便乗して『トランスモーファー』(2007年)なるパチモン映画をリリースしてみたり、低予算早撮りの単純娯楽映画を粗製乱造し、数で勝負してみたりと、そのクセの強い製作スタイルがファンの間では有名だ。

それゆえ打率は低めのスタジオではあるのだが、ときにはなにかのはずみで、ちょっとした良作・名作が生まれることもある。というわけで今回は、悪名高きアサイラム社から奇跡的に生まれた〝割と面白い方のアサイラム映画〟についてご紹介しよう。


第5位:『ZOOMBIE ズーンビ』(2016年)

アサイラム社が誇る異色のゾンビ映画が、『ZOOMBIE ズーンビ』(2016年)だ。その間の抜けた響きのタイトルが表す通り、動物園(ZOO)が舞台の作品だ。

「とある動物園に、謎のウイルスが蔓延。多種多様な動物たちが次々とゾンビ化していき、人類を襲う」というストーリーの本作。見所はもちろん、上記の舞台設定をぞんぶんに生かしたアニマルゾンビたちの活躍だ。

すばしっこいゾンビモンキーの襲撃や、獰猛なゾンビライオンとの対決、仕留めた相手の断末魔を真似するゾンビオウムの薄気味悪さなど、その見所には事欠かない。さすがに映像面の安っぽさまでは否めず、脚本面もかなり大味なものの、バリエーション豊富なアニマルゾンビの襲撃シーンが見てくれの悪さを補っている。いわゆる〝ポップコーン・ムービー〟として、あまり細かいことは考えずにそのジャンク感を楽しむべき一本になるだろう。

『ZOOMBIE ズーンビ ネクスト・レベル』(2019年)なる続編も存在するため、2本併せてお楽しみいただきたい。

第4位:『メガ・シャークVSグレート・タイタン』(2015年)

アサイラム社の代名詞といえばサメ映画。

そしてアサイラム社が初めて製作したサメ映画が通称〝メガ・シャークシリーズ〟であり、今回紹介する『メガ・シャークVSグレート・タイタン』(2015年)はその四作目に位置する。

漫画『進撃の巨人』に登場する〝超大型巨人〟にそっくりな巨大ロボットが登場する本作。その内容は「封印を解かれた怪ロボット〝コロッサス〟と、太古の巨大ザメ〝メガ・シャーク〟の生き残りが鎬を削る」というもの。一応過去三作品からの続き物だが、単品で観たところで特に問題はない作りになっている。

一作目や二作目の頃に比べて3Dモデルが小奇麗になっており、映像面でもそこそこ見栄えする点が特徴。軍を相手に圧倒するメガ・シャークの活躍と、歩く爆弾コロッサスを巡る人類の奮闘が主な見所になるだろうか。過去三作品とは少々違った趣向の後半戦なども嬉しい限り。

「知名度の割にはそこまで面白くない」メガ・シャークシリーズの中では、特に面白い一本である。

第3位:『ダブルヘッド・ジョーズ』(2012年)

メガ・シャークシリーズに続き、かつてのアサイラム映画の顔役『ダブルヘッド・ジョーズ』(2012年)の名も挙げておこう。

「突如として現れた双頭の巨大ザメが、航海中の若者たちを襲撃。近くの環礁に移動した主人公一同だが、折悪しく発生した大地震の影響で陸地が沈み始め……」という低予算サメ映画。人食いザメは二つの頭を活用し、一度に二人獲物を丸呑みにすることも。

全体的にかなり勢い任せの作りではあり、大勢いた登場人物は次から次へとハイペースで数を減らしていく。しかし一方で、ハルク・ホーガンの娘ブルックホーガンが演じるヒロインは、タフに人食いザメと渡り合う。終盤で彼女が、サメの頭と頭の間に生じている安全地帯からサメをひっぱたくシーンは必見だ。

ところでこの『ダブルヘッド・ジョーズ』、意外と売れたのか、のちに『トリプルヘッド・ジョーズ』(2015年)、『ファイブヘッド・ジョーズ』(2017年)、『シックスヘッド・ジョーズ』(2018年といった多頭系サメ映画シリーズの続編を生み出すこととなる。

第2位:『メガ・パイソンVSギガント・ゲイター』(2011年)

良作アサイラム映画を語るならば、『メガ・パイソンVSギガント・ゲイター』(2011年)は外せまい。

「国立公園を舞台に、巨大なヘビとワニが戦う」シンプルな筋書きの本作だが、注目すべきはその豪華キャスティング。80年代を代表するアイドル歌手であり、かつてライバル関係にあったデビー(デボラ)・ギブソンとティファニー・レニー・ダーウィッシュの二人が、ダブルヒロインを務めているのだ。

その上、作中ではデビーとティファニーが壮絶なキャットファイトを演じるシーンまで用意されているというのだからたまらない。ちなみにデビーは〝ヘビを偏愛する狂気的エコ・テロリスト〟、ティファニーは〝ワニをドーピングしてヘビ抹殺を目論む森林保護管〟という役回りである。

その二人の存在を抜きにしても、ヘビやワニの暴れっぷりが痛快で見所も豊富。良い意味でのチープさを伴った、王道モンスター・パニック映画に仕上げられている。

数あるアサイラム映画の中でも、トップクラスの一本になるだろう。

第1位:『シャークネードカテゴリー2』(2014年)

そしてアサイラム社を語る上で絶対に欠かせない作品群が、シャークネードシリーズだ。中でも二作目の『シャークネード カテゴリー2』(2014年)の評価が特に高く、ファンからは圧倒的な支持を得ている。

「かつてサメを伴った竜巻〝シャークネード〟からロサンゼルスを救った主人公。彼はニューヨークへのフライト中に、上空でまたしてもサメと遭遇してしまう。新たに発生したシャークネードを前に、フィンは再び立ち上がる……」というその荒唐無稽さが特徴。

後半、前作『シャークネード』(2013年)に引き続き、主人公がチェーンソーを片手にサメを切り倒す様は痛快の一言。もっとも、さすがにやりすぎだと判断したのか、続編では「シャークネードのサメは普通のサメとは違う」、「気の毒だが、自衛のためにシャークネードと戦う必要がある」などのサメに対するフォローがなされているが。

ともかく前作以上にキャッチーな見所が多く、クライマックスの盛り上がりはまるで名作。全六作品の続き物だが、あえてこの二作目から観るのもいいだろう。

なおアサイラム社、日本向けのインタビューでは「(アサイラム映画は)日本以外の国では嫌われているんだ」などとうそぶきつつも、このシャークネードシリーズの(特に自国での)大ヒットでしっかり利益を上げ、主演に莫大なギャランティーを支払ってもいる。

以上が、イチオシのアサイラム映画だ。ばかばかしいものやおふざけにご理解のある方は、せめて『シャークネード カテゴリー2』だけでもご鑑賞いただきたい。

取材・文/知的風ハット

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