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「視聴率20%を超えると世界が変わるよ!」フジテレビ佐野・伊藤アナの海よりも深いテレビ愛

集英社オンライン / 2022年9月25日 12時1分

フジが誇る男性看板アナウンサー、佐野瑞樹アナ(94年入社)と伊藤利尋アナ(95年入社)による対談。二人の若手時代、『めちゃ×2イケてるっ!』と『とんねるずのみなさんのおかげでした』の話を経て、最後はやっと本題(就活のお話)に。後輩アナウンサーをずっと見続けてきた、おじさんふたりのテレビ愛に溢れた最終章。

長寿番組

――現在佐野さんは、アナウンス室バラエティ担当。伊藤さんは、アナウンス室情報担当ですが、後進の育成についてはどう考えていますか?

佐野 いつも言われるんですよ、俺と伊藤は。どうしてウチには佐野さん、伊藤さんの後に、バラエティのアナウンサーがいないんですかって。言われるんだけど、育てるって話でもないわけで。



伊藤 幸運にも佐野さんは、『めちゃ×2イケてるっ!』に、僕は『とんねるずのみなさんのおかげでした』に出会えて。いろんなことを経験させてもらって、チームの一人としてそこに居場所を作ることができて。でもそれをどう伝えるのかとなると……言葉では難しいんですよね。

佐野 だからね、俺はいつも言っているんですよ。だったら新卒を採るときに、バラエティ志望のアナウンサーを採りなさいって。

伊藤 いやでも。

佐野 それが正解かどうかわからないって言うんだろう? それは、わかっているんだけどさ。俺も伊藤もバラエティ志望で入ってきたわけじゃなく、スポーツ志望で入ってきているわけだからさ。でもそれくらいしかないんじゃないかって思うんだよね。

伊藤 ひとつだけ、いいですか? ひとつだけ案がないこともないんですけど。言葉にするのも、書くのにも書きづらいことではあるんですけど。

佐野 あっそう。でもさこの際だから、言っちゃったら?

伊藤 弊社に限らず、このところ長く続くテレビ番組があまり多くないじゃないですか。

佐野 そこ!? そこに来た? それは口にしちゃダメなんじゃないの? みんなは知らないことなんだから。

伊藤 いや、もうみんな知ってることでしょう?

佐野 そうか!? まぁそうだな。

伊藤 『めちゃイケ』も、『みなさん』も、『ネプリーグ』もそうですけど、長く続く番組に身を置いていると、今回出来なかったことを次はこうしようとか、アナウンサーとしてモノ作りにアプローチすることができるんですよ。

佐野 自分なりの方法でアプローチして、それが上手くいったとき“テレビって楽しいな”って、思えるようになるんだよな。

伊藤 少なくとも、僕はそうだったので。なんか楽しそうな世界だなと思ってフジテレビに入社して。一度はアナウンサーをやめようと思ったけど、多くの番組、スタッフ、共演者と出会えたことで、やっぱりテレビって楽しいところだと思えて。それでずっとやってきたので、後輩にも味わわせてあげたいなと思うんですけど。

佐野 上手くいかなかったところをチーム全員で考えて、次の回にはそれを克服して、それで視聴率が上がって、チームとして盛り上がってというね。番組が長く続けば続くほど、そういう“みんなで感”も盛り上がっていくからなぁ。

ディレクターマインド

――そういう状況の中で、いまアナウンサー、あるいはテレビ局を目指しているという学生にアドバイスがあるとしたら、どんなことでしょう?

伊藤 今日のメインテーマはそこですよね。

佐野 後編の半ばを過ぎて、やっと来たという感じだね。よしっ! それじゃあ、ラストスパートといきますか?

伊藤 すみません。お待たせしました。

――よろしくお願いします。ではまず、アナウンサーになるために必要な要素があるとしたら、それはなんでしょうか?

佐野 まずはテレビが好きな人。次がテレビを何とかしたいと思っている人だね。

伊藤 イノベーティブな人かな。『めちゃイケ』だって発明だったわけですよ。あれだけテロップでツッコミを入れるとか、大枠のストーリーがある中で、もう一方では自由演技があるとか。画面に出てしゃべるだけじゃなくて、そういうモノ作りが出来る、モノ作りの一員になりたいと思う人に、ぜひフジテレビに入ってきてほしいなと思います。

佐野 昔のフジテレビは、そういう先輩たちがいっぱいいたし伝説もたくさんあるからね。『プロ野球ニュース』でいえば、バットがボールに当たる瞬間カキーン!という音をつけたとかさ。

伊藤 ディレクター的なマインドを持った人の方が、同じ仕事をしていても楽しいと思えるし、絶対に伸びる。

佐野 う〜ん。

伊藤 どうしました、佐野さん!? お腹を壊しちゃいました?

佐野 そうじゃなくてさ、俺も伊藤も、もっともらしいことを言ってるけど、全部後付けみたいなもんでさ、本当は答えなんかないんじゃないかって。伊藤のようなアナは、伊藤ひとりで十分なわけだし、同じタイプは成功しない。違うから面白いわけで。そう考えると、やっぱり答えはないんだよなぁ。

伊藤 確かに。もしかしたらそんなにテレビは好きじゃないというところからスタートした方が、そこから何かが生まれる可能性だってあるし。YouTubeの動画を作っている人がテレビの世界に入ってきたら、そこから違うものが生まれる可能性だってあるだろうし。

佐野 その事で言うと『めざましテレビ』が終わった後に、後輩たちがYouTubeを撮ろうって、みんなわーわー、きゃーきゃー言ってて、楽しそうにしているのを見ると、時代は変わったなと思うね。

伊藤 いいと思いますよ。地上波テレビだけじゃなくて、配信も含めていろんなコンテンツがあるんだから。6月に、バラエティの黄金期を作った港さんが新社長になって、もう一回弊社は、モノを作る会社だと言うことを強く掲げています。そのソフトを送り出すのは、必ずしも、地上波だけじゃなくて、アウトプットのプラットホームの多様化という流れもありますから、テレビ放送だけではなく、いわゆるコンテンツを作りたいというメンタリティのある人、そしてやはりしゃべりの上手い人に入って欲しいと思います。

それでもテレビは楽しい!

――アナウンサーとして、楽しいと思える瞬間というのはどういうときでしょう?

伊藤 現場で一体感を感じられたときですね。ハプニングが起きた、報道・情報で大きなニュースが飛び込んできた……そういうときには、アドリブで対応しなきゃいけない場面というのがあって。それを乗り越えるには、カメラマン、スタッフそして僕らが一つにならなきゃいけない。そのときの緊張感と乗り越えたときに感じる、なんとも言えない、ゾクゾクした感じは何度味わっても楽しいです。

佐野 そこを繋いで、とか、10秒伸ばして、とかって振られたときかな。大変なんだけど、楽しい。さぁどうしようかと考えるのが、アナウンサーの醍醐味だし、そこがアナウンサーとして一番、面白いところだと思う。

ひとつ気の合う話をしようか。伊藤は街で声をかけられると嬉しいだろう? 俺は嬉しい。

伊藤 僕はスタートが、『めざましテレビ』で。視聴率では日テレの『ズームイン朝』には負けていたんだけど、それでも「昨日見てました」とか、「頑張ってください」とかちらほら声をかけていただけるようになりました。ただ街の反応は『とんねるずのみなさんのおかげでした』を担当するようになって、まるで変わったように思います。

佐野 視聴率が20%を超えると、いきなり世界が変わるもんね。

伊藤 みんなって言っちゃうと、大袈裟かもしれないけどそれくらいすごかった。かけていただく言葉も、「いつも見てます」になったし、声の熱量も全然違って。それは素直に嬉しかったですね。

佐野 いま視聴率が20%を超える番組は、フジだけじゃなくどの局にもなくて……。そういう意味じゃ、今の若い子は可哀想だよなぁ。

伊藤 そういうのも含めて、テレビ界を覆っている重苦しい空気を吹き飛ばしてくれるような人に来てほしいし、そういう発明ができる人に来てほしいですね。いつまでも、こんなおっさんたちがやっててもしょうがないと思うし、テレビを目指す人には、コンテンツを作るマインドで来てほしい。自力で“バズる”アナウンサーになれる楽しいステージは沢山ありますし、やりがいもありますから。

――最後に一つ、お伺いします。テレビはいまでも楽しいですか!?

佐野 楽しいです。めちゃめちゃ、楽しい! 入社して28年半ずっと楽しいです! これは間違いなく言えます。

伊藤 これからは配信などもどんどん増えると思いますが、我々がいう「テレビは楽しい」という言葉はすなわち「映像コンテンツ作り」が楽しいという意味ですから、「テレビ離れ」と言われる時代にあっても、やっぱりテレビは楽しいですよ。

佐野 本日、2度目の意見の一致だね。

伊藤 そりゃそうですよ。だってほら、僕はざっくりだし、佐野さんは――

佐野 緻密だからね(笑)。

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詳しくはフジテレビ採用HPをチェック!

https://www.fujitv.co.jp/recruit/

取材・文/工藤晋 撮影/猪原悠

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