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バイアグラの普及で増加?「セックスが痛い」更年期女性に優しいセクシュアルローション

集英社オンライン / 2022年9月26日 16時1分

更年期以降、膣の潤い不足による性交痛に悩む女性は多い。この切実な悩みに解決法はあるのか? セクシュアルウェルネスブランド「bda ORGANIC」のプロデューサー・鈴木美樹さんに話をうかがった。

バイアグラの普及も要因? 増えた女性の性交痛

「bda ORGANIC」は、オーガニックの力でセックスにまつわる悩みや違和感を解消してくれるセクシュアルウェルネスブランド。鈴木さんがこのブランドを立ち上げた理由は、ブランドローンチ(2017年)の4年ほど前にさかのぼる。

産婦人科医の女性医師から、「バイアグラの普及により、更年期以降の潤い不足によるセックス時の膣の痛みを訴える人が増えている。安心安全な基準をクリアしたオーガニックのセックスローションがあればよいのに…」という意見をもらったのだ。



この声に共感し、日常生活の中で手軽に使用できるオーガニックセックスローションの開発はスタートした。

化学成分を膣内に入れたくない

鈴木さん自身、化粧品などのブランド開発はしてきたものの、セックスアイテムのブランドの立ち上げは初めて。そのため当初は知らないこと、知って驚くことの連続だったという。

そもそも、世の中的に「セックスローション」自体の認知が低かった(ノーマルカップルにとっては、行為中に使用する概念はあまりなかったとされる)。しかし、たまたま鈴木さんが当時LGBTのNPOに参加しており、ゲイカップルに常用されていたローションの情報を知り得たため、開発を推し進めることができた。

だがそこで、もう一つの壁にぶつかる。

それまで世に出ていたローションは、化学成分を用いた製品が圧倒的に多かったのだ。鈴木さんは、自分自身でも使うものとして、どうしても化学成分を膣内に入れることに抵抗があった。

「絶対に女性たちに必要とされる。そして安心できるものでないと選ばれない時代が来る」。当時、女性がローションを使うこと自体あまりなかったようだが、周囲の女性たちの話からニーズがあることを確信していた。

とにかく女性も快適に自分らしく過ごすべきという強い思いで、“オーガニックの”セックスローションを開発することにこだわった。

ローションを使った方が、気持ちいい

2018年の発売当初、「膣ケア」という文言とともに、いわゆるデリケートゾーンケアにまつわる色々な情報や製品が出始めた。日本における“フェムテック”の始まりとされるが、当時はまだ感度の高い人が「興味がある」と言っていた程度だった。

しかし、情報が多く発信されるにつれて、さらに多くの女性の状況が見えてきた。

現代女性は忙しく、いつでもセックスができる状況というわけではない。疲れて帰った時は、その気になれないこともある。だが、パートナーの誘いを無碍にすることもできず、痛みに耐えながら行っていた女性も少なくないようだった。

そうした女性たちの悩みが吐露されるようになるにつれ、「ローションがあった方が快適にセックスできる」という声が自然と増えていったという。共働きで妊活をするカップルや更年期以降の女性にも好評で、百貨店での販売時には、高齢女性から「何十年ぶりにセックスが楽しめた」という声をもらえるようになった。ゲイの中にも、オーガニックのローションを選ぶ人が増えていった。

セックスローションがオールセクシュアリティ向けということ、老若男女問わずに使用できるということが理解されてからは、さらに認知が広まったと感じているという。

画像/スパイス・アンリミテッド提供

「痛いから、セックスやめた」はもったいない

ローション開発を通してさまざまな人の話を聞く中で、「痛いから、セックスをやめた。そこからセックスレスに……」という人がたくさんいることを鈴木さんは知った。特に今、更年期以降の女性たちは、産婦人科は子どもを産む場所(産む人でないと行ってはいけない)と思っている人が多く、性交痛があっても産婦人科を受診しない傾向があった。

更年期以降は女性ホルモンが減少するため、潤い不足になるのは当然のこと。だが、膣は痛みがあってもなくても、乾いていることが良しとされない部位でもある。最近では婦人科系の病気や疾患を予防する観点から、産婦人科で定期検診をすることが推奨されているが、「推しの婦人科医を見つけるのもいい」と鈴木さんは言う。性交痛や不快感を感じたら積極的に受診したい。

また、病院で検査をするだけではなく、自分の膣状態を知り、自愛することも大切だ。自分の膣状態を知り、適切なケアをすることで、パートナーとの健やかな性生活や痛み、痒みのない快適さを手にすることができることもある。

セクシュアルアイテムの選び方

鈴木さんは、「セックスローションを使用すれば、性交痛が軽減することがあることを知ってほしい。そして、まずは試してみてほしい」と言う。

現在は、YouTubeなどでローションの使い方やアイテムなどの情報を手軽に入手できる。bda ORGANICも、「セクシュアルウェルネス塾」と称したYouTubeチャンネルを配信中だ。

>>>セクシュアルウェルネス塾はこちら

セックスローションを選ぶ際には、そのローションがどんな製品か、自分の目で確かめた方がいいだろう。デリケートゾーンの経皮吸収率はかなり高いため、体内に成分が吸収される懸念があるからだ。膣内に使うものは、安全なオーガニック製品を使用することが推奨される。

画像/スパイス・アンリミテッド提供

またセクシュアルアイテムと一口にいっても、さまざまな用途の製品があるため、自分の悩みやニーズに合ったものを選びたい。

例えば、bda ORGANICの潤滑ゼリーは、性交痛を解消するためのもので、セックスやセルフプレジャー時に使用するものである(通常時の膣内の乾きをカバーする化粧品とは異なる)。外陰部に乾きや痛みを感じる人は、膣入口をバームでマッサージすることがおすすめだ。現在、bda ORGANICでは該当製品をリニューアル開発中とのことなので、そちらも楽しみに待ちたい。

年齢に関係なく快適なセックスライフを!

フェムテックという言葉や技術、情報の拡大、そして性教育の改革を唱える支持の増加など、確実に2020年代の日本は、女性のからだや性に対してオープンにはなっただろう。

それでもまだ、更年期以降の女性の中には、性についてオープンにすることに恥ずかしさを持っていたり、我関せずな人が多い印象があることは否めない。しかし、体の痛みを我慢する必要は全くない。できるだけ快適に生きたいと願う気持ちは万人にあるはずだ。

つい先日、アメリカが誇るクイーンオブポップ・マドンナが、ファンからの質問に、「今、一番楽しいことはセックス」「自分の人生そのものもセックス」と発言したという記事が出たばかり。このオープンな発言には賛否があるかもしれないが、比較的前向きに捉えられていることもまた、現代らしさなのかもしれない(もちろんお国柄もあるとは思うが)。

店頭でセクシュアルアイテムの販売経験がある筆者から見ても、熱心に話を聞き、ローションを購入していくのは、実は圧倒的に更年期以降の女性が多かった。そして、大半の女性が「使ってみてよかった」「もっと早く知りたかった」と伝えてくれた。

店頭に立つスタッフとしてその時に感じたのは、「今までこういった製品や情報がなかったことは、どれだけ多くの女性を辛くさせていたのだろうか」ということだった。

これからさらに、日本女性たちが痛みや辛さを打ち明け、共感し、寄り添える世の中になることを願っている。また多くの女性に、痛みを我慢せずセックスやセルフプレジャーを大いに楽しんでほしいと思う。

画像/スパイス・アンリミテッド提供

bda ORGANIC問い合わせ先
株式会社スパイス・アンリミテッド
TEL:0120-828-290
URL: https://www.bdaorganic.jp/

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