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【国内組8選手】代表サバイバルで生き残りW杯の舞台に立つJ戦士は?

集英社オンライン / 2022年10月5日 16時1分

カタールW杯メンバー発表前、最後のテスト試合となるドイツ遠征は1勝1分けに終わった。日本代表メンバーへの生き残りを懸けた最後のアピールチャンスに国内組でインパクトを残した選手は!?

代表サバイバル、国内組8名の運命は!?

ドイツ・デュッセルドルフで張られた約10日間の日本代表合宿が終わった。二つの強化試合では、アメリカに2-0で勝ち、エクアドルと0-0の引き分け。この結果をどう受け止めるかは別にして、本番を数週間後に控えるチームにはその前にサバイバルがある。

この代表合宿で招集された30選手から4人が削られ、W杯本大会へ向かう26人の最終メンバーが11月1日に発表されることになるのだ(それ以外の新規メンバーが入る可能性は極めて低いはずだ)。



キャンプ中には、「競争」や「アピール」といった言葉が頻繁に飛び交った。そんな報道陣の熱を冷まそうとするように、ベテランGK権田修一は合宿の序盤にこう話している。

「(理想の)競争というのは、自分が(自分のために)いいプレーをするのではなく、チームが勝つためのベストのプレーをすること。そうすれば、自ずとチーム力は上がるし、まとまりもどんどん上がっていくと思います。ここで詰められることをしっかり詰めて、一回離れて、最後に互いにもうひと確認するくらいで臨めるように、密度の濃い合宿にしなければいけない」

このキャンプに参加した国内組は、権田を含めて8名。彼と長友佑都、酒井宏樹はコンディションさえよければ、最終メンバー入りが濃厚と見られている(権田はアメリカ戦で負った怪我が気になるところ)。一方、山根視来、谷口彰悟、相馬勇紀、町野修斗、谷晃生は当落線上にいる選手たちと言える。

昨シーズンまでのJ1を2連覇している国内王者・川崎フロンターレの山根と谷口は、共にエクアドル戦のみフル出場した。前者は昨季のJ1で最多となる12アシストを記録した国内を代表するライトバックのひとりで、代表にデビューした昨年3月の韓国戦で先制点を奪ったり、最終予選の大一番となったオーストラリア戦で先制点をアシストするなど、優れた攻撃性能を最大の持ち味とする。

山根視来、谷口彰悟のチャレンジ

それでも代表には「自分は毎回、チャレンジャーの気持ちできている」と話し、レギュラー格の酒井宏樹、そして代表では中央でもクラブでは右を担うことの多い冨安健洋とのポジション争いに「全力で」挑んだ。

9月23日のアメリカ戦で、途中から冨安が右SBを任されたこともあり、エクアドル戦に先発した山根は重圧を感じていたかもしれない。序盤からやや堅そうに見え、チームと同様に落ち着くまでに時間を要した。

「ゴールに絡むのが自分の特長だと思うので、そこは強烈に出していきたい」と試合前日に話していたが、手強いエクアドルを前にそんなシーンもなかなか作れなかった。それでも前半35分には高い位置で鋭い縦パスを送ったが、その後がつながらずチャンスとはならなかった。守備面でもドリブルで巧みに仕掛けてくる相手に苦しむ場面が何度かあった。

「グラウンドの状態もあって、プレー判断が難しいところがありました」と試合後に山根は明かし、「攻め上がった時にあとひとつ繋がればというシーンもつくれましたが、数字を残さなければ僕のいる意味がない」と悔やんだ。

谷口は今回招集されたCBのなかでは、吉田麻也と冨安に次ぐ存在と言え、エクアドル戦では最終ラインを統率した。全般的にそつなくこなした印象だったが、後半にミケル・エストラーダをボックス内で倒してしまいPKを献上。GKシュミット・ダニエルのビッグセーブでことなきを得たが、W杯に出場するクラスの選手のキープ力や強度を痛感したようだ。

「W杯に出る国とあって、(エクアドルは)非常によいチームでした」と試合後に谷口は語った。

「そんな相手を上回れなかった悔しい思いはもちろんあるけど、(W杯では)こういう戦いになるんだろうなと感じられました。これぐらい強度の高いゲームをすれば、次に生きてくるはず。駆け引きや1対1など、個人的にはレベルアップが必要ですが、ラインコントロールとかは、みんなで集中力高く統一感をもってできたのはよかった」

欧州でプレーする選手も出番なしの中で…

エクアドル戦の67分から出場機会を得た相馬はもともとウイングながら、今季は所属先で左ウイングバックを任されている。それもあって守備に自信をつけており、投入されるやいなやボールを持った相手に激しくぶつかっていき、ファウルになったものの、新たな身上でアピール。

また得意のドリブル突破も何度か見せ、危険なクロスを放つこともあった。総じてポジティブな内容だったと言って差し支えないはずだが、本人は「結果を出したかったので、チームを勝利に導けなかったところに悔しさが残る」と試合後に話した。

また2試合を通じて23分ほどの出場にとどまり、「やりきった感は……難しいですね。ここで終わりというより、チームに帰ってからのプレーを見られると思うので、自分がやれるところを示し続けていきたいと思います」と続けた。

湘南のふたり、(先日の記事でも取り上げた)GK谷とFW町野にとっては悔しい欧州遠征となったか。前者には一度も出番がなく、後者はアメリカ戦の後半から投入されながらも、得意のシュートを一本も放てず、縦パスが入った時には強力なCBの圧力に屈してボールを収めることもままならなかった。

「世界の壁というか、そういうものを肌で体感できたのが、唯一の収穫というか」と翌日の練習で町野は正直な胸の内を吐露した。

「(味方が)しっかりビルドアップしてくれていたので、中盤と繋がってゴールへ向かうことを意識していましたけど、得点はおろか、シュートも打てていないので、全然ダメでした。いつも対戦している日本の相手と比べると、(アメリカのDFは)腕の強さや足の長さ、強度の高さ、スピードなどが全然違いました」

欧州でプレーする選手でも、瀬古歩夢と旗手怜央には一度も出番がなかった。彼らを含め、サバイバルの行方はいかに。それぞれの所属クラブに戻って、残された少ない時間でアピールを続けるしかない。

取材・文/井川洋一 写真/ムツ・カワモリ/アフロ

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