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「おさつスナック」にはなぜツノがある? 「さつまりこ」はさつまいも味じゃなかった?“焼きいも菓子”トリビア5

集英社オンライン / 2022年10月10日 12時1分

スーパーにはブランドさつまいも、コンビニにはお菓子やドリンクがズラリ、と空前のさつまいもブームの今。おなじみのお菓子には、カルビーの「おさつスナック」と「さつまりこ 焼きいも」がある。いずれも季節限定の定番商品だが、その背景には意外な企業努力や工夫があるらしい。カルビーの“中の人”に、焼きいも菓子に関するトリビアを聞いた。

焼きいも菓子トリビア〜おさつスナック編〜

トリビア1. おさつスナックの独特の形は「原料を無駄なく使うため」

「おさつスナック」の登場は1981年。今年で41年目となる、カルビーのロングセラー商品のひとつだ。

「おさつスナック」で印象的なのが、その形だ。上下に“ツノ”のようなものがある、少し丸みのあるかわいらしい形状で、ポテトチップスのような楕円形とは大きく異なる。さつまいもの葉を模した形状の、現在の形になったのは2003年から。



販売当初から「さつまいもの葉をイメージしたデザイン」という点は変わっていないが、2002年までの「おさつスナック」は“栗”のように、上だけがツノのように尖った形をしていたのだという。

おさつスナックの特徴的な“ツノ”は、以前は上だけだった(画像:カルビー提供)

現在の形に変化した背景には、「原料を無駄なく使うため」というSDGsな目的もある。

「おさつスナック」は、シート状の生地を型抜きしてつくっているため、栗のような形に型を抜くよりも、ジグソーパズルのように組み合わせて型抜きするように工夫することで生地をより無駄なく使えることがわかり、現在の形になったのだという。

トリビア2.今年の「おさつスナック」は、昨年のより甘い

蒸かしたさつまいもに加え、「おさつスナック」に焼きいもが練り込まれるようになったのは、2004年から。当時の開発担当者が試行錯誤をするなか、スーパーで購入した焼きいもを加えて試作をしたところ、おいしくできたことがきっかけとなった。

従来の「おさつスナック」の良い部分はしっかりと残しながらも、現在まで味や香りの改良に取り組んできている。2021年には焼きいもの配合量を30%アップし、より香ばしさを感じられるようにしたという。

お客様相談室に寄せられた声やSNS上の声なども参考に、その年に販売する「おさつスナック」の味わいや香りを検討しているそうだ。前年の味わいが好評な場合には、改良せず継続して販売する年もある。

今年発売の「おさつスナック」は、焼きいもの香りをより楽しめるよう、昨年からさらに改良。「香り」もおいしさの大切な要素だそうで、袋を開けたときによりふわっと焼きいもの香りがするが、その効果でますますさつまいも感や甘みをさらに感じられるようになっている。

40年以上も愛され続ける「おさつスナック」(画像:カルビー提供)

2011年より期間限定の2品目も展開。今年は「バター香るスイートポテト味」(画像:カルビー提供)

焼きいも菓子トリビア〜さつまりこ編〜

トリビア3.「さつまりこ」はプレーン味だった!

「さつまりこ」の発売開始は1999年。じゃがりこの姉妹品として、さつまいもを主原料として登場した。現在の主軸は焼きいも味だが、「焼きいも味」としての販売を開始したのは2007年から。発売当初は「さつまりこ プレーン」としての販売だったそう。

好評だった一方で、「プレーンだと一見、どんな味なのかイメージしにくい」という声もあった。また、さつまいも好きなユーザーは「さつまいもを一番おいしい食べ方で楽しみたい」と考えていることも判明したという。

そこで、最もおいしい食べ方について調査を実施。素材本来のおいしさや甘さを楽しめるのが焼きいもだという意見が多かったことも、焼きいも味発売のきっかけになったそうだ。

「さつまりこ プレーン」パッケージは2005〜2006年度のもの(画像:カルビー提供)

トリビア4.秋以外の季節に楽しめる「さつまりこ」がある

「おさつスナック」は、毎年秋冬のみの限定販売である一方、「さつまりこ 焼きいも」は秋限定の商品。しかし、ご存じの方もいるかもしれないが、焼きいも味以外の「さつまりこ」は秋以外の季節に販売されることもある。

たとえば「大学いも味」「黒蜜きなこ味」などの「さつまりこ」は、春に発売された。「さつまいものお菓子=秋」というイメージがあるが、秋以外の季節でも「さつまりこ」を楽しめることがあるのだ。

トリビア5.「さつまりこ」は食物繊維豊富なヘルシースナック

「スナック菓子は身体に良くない」というイメージを持つ人は多いかもしれない。しかし近年、さつまいもが健康に良い食品として知られるようになってきたこともあり、「さつまりこ 焼きいも」は「ヘルシースナック」という新たなイメージも定着しつつあるという。

実際に、「さつまりこ 焼きいも」の1カップ(56g)に含まれる食物繊維は3.1g。今年はパッケージの見やすい位置に、食物繊維含有量の表記もなされている。

以前にも「食物繊維が豊富に含まれている」という点を訴求していた時期もあったそうだが、そのときは、そこまで大きな販促効果があったは言えなかったそう。しかし、今年は未だコロナ禍が続いていることもあり、引き続き健康志向の高まりも見られたことから、パッケージに食物繊維に関する表記をふたたび入れたのだとか。

SNSなどでも「これなら食べても罪悪感がない」という声があるなど、昔と比べて「ヘルシーで健康的なイメージ」を持って購入するユーザーも増えてきた実感があるそうだ。

今年のパッケージの右下には「食物繊維3.1g」の表記が(画像:カルビー提供)

第4次焼きいもブーム、今年も継続!

一説によると、第1次焼きいもブームは江戸時代後期で、砂糖などが高級品であった時代に、甘くて安価な焼きいもが愛された。第2次は明治維新以降、第3次は昭和の「焼きいも屋台」登場がきっかけとも言われている。

そして、2000年代初期から現在まで、第4次焼きいもブームが継続中だ。背景として、高品質なさつまいもの流通、前述した健康志向の高まり、スーパー等でも買える手軽さや専門店の登場なども、ブーム継続の理由として考えられる。

「さつまりこ 焼きいも」の原材料には焼きいもパウダーが使用されているが、その味は、市販の焼きいものトレンドを参考にしているという。現在使用しているのは、ねっとりとした甘みの強い焼きいもをイメージしたもの。同じ焼きいもでも流行に合わせた味や香りを意識している。

一方で、「おさつスナック」は濃厚な焼きいも風味というよりも、全体のバランスに考慮した香りや味わいを追求し、甘みのなかにほのかな塩味も効いている。同じ焼きいも味のスナックでも、それぞれのタイプに合わせて目指す味が異なるという点も興味深い。

スイーツにアレンジしても美味しい

今回ご紹介した「おさつスナック」と「さつまりこ 焼きいも」は、カルビーのスナック菓子の中では数少ない「甘いスナック菓子」。

たとえば「おさつスナック」はバニラアイスとの組み合わせもマッチしたり、「さつまりこ 焼きいも」でスイートポテトをつくったりできるなど、「スイーツのアレンジレシピ」を試せるスナック菓子という点も、魅力のひとつなのだそう。

この季節だけの焼きいも菓子のトリビアを知ることで、より楽しく味わうことができそうだ。

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