――グラフィックデザイナーとはどんなお仕事なのでしょうか?
ロゴやポスター、DVD/BDのパッケージなどを作るのがグラフィックデザイナーの主な仕事です。
アニメのグラフィックデザインの場合、そのテーマとなる作品自体がそもそも視覚的な作品であるという特徴があるため、デザインの主役となるのは、必然的にキャラクターなどのイラストとなることが多いです。
また、アニメ関係者はビジュアルを扱うプロなので、デザインに要求するレベルも高いのですが、アニメ側の方もデザインのプロではないので、最終的なイメージはどこかモヤモヤしている。
そのモヤモヤにアイディアをプラスして具体化するのが僕らの仕事ですね。
―― 実際にデザインを作る際に最も気をつけていることは?
やっぱり、主役となるイラストなど作品に関するビジュアルが、最も素晴らしく見えるようにしたいということです。
例えば、メイン要素となるイラストをいただいたときも、スキャンした後にPhotoshopでホコリなどの細かいゴミ取りをしますし、他にも不要だと思う要素は徹底的に掃除したりして調整します。
マニアックなファンの中には「この色塗りのかすれがいい」とか「筆の毛が残っているのがいい」と思う人もいるのかもしれないですが、それについては「どこかの機会で原画を見てください」と思いながら修正しています。
もちろん細かい掃除だけでなく、事前にイラストの内容自体への提案も行いますし、上がってきたイラストのデッサンが狂っていたら、それも指摘します。
デザイナーとして、やっぱりそのイラストが最もよく見えて、作品のファンが増えたり喜んでくれたりするような仕事をしたいですから。