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「東の『笑点』、西の『座王』になれれば」千原ジュニアが明かす、バトルではなくお笑い番組としての『座王』の野望

集英社オンライン / 2022年10月17日 18時1分

千原ジュニアがMCを担当するバラエティ番組『座王』は、笑いの総合格闘技と称されるストイックでシビアな即興ネタ番組。だが、賞レース番組とは異なり、毎週放送されるバラエティという立ち位置を保っている。「バラエティ」としての『座王』の魅力とは?

『座王』が生んだスターたちと、新たなスター候補

千原ジュニアが主宰を務める『座王』は、即興ネタバトルであり、最後まで勝ち残った者が座王という称号を手に入れることができる。そのトップに君臨するのは笑い飯・西田で、唯一の250勝超え、座王獲得回数58回を誇り、どのお題でも圧倒的な強さを発揮することから「座王の鬼」と呼ばれる。

それに続く100勝超えがふたり。ひとりは、ベジータ芸人として知られ、「モノマネ」や「歌」、「1分トーク」なども強い、R藤本。そして、ほぼ無名の時代から『座王』に参加し、その高い大喜利力と発想の妙で評価を上げていった“優しいセンス系”のロングコートダディ・堂前だ。


この3名は他の大喜利番組にも呼ばれるようになるなど、『座王』を機にその芸人力が改めて評価されたメンバーと言える。改めて千原ジュニアに、現在その能力を注目している芸人について聞いてみた。

「最近やったら、やっぱりサツマカワ(RPG)ですね。一般の視聴者からすれば、まだギャグの人、ピンネタの人っていう感じはあると思いますけど、彼は近年稀に見るオールラウンダー。あとは、カベポスターの永見かな。彼は漫才のネタも面白いし、ちゃんといろんなお題に対応できる。しかも“静”のままで大きな笑いを作るという、すごく難しいところに身を置いているんです。だけど、そこでちゃんとアベレージを出すことができるのが良いですね。タイプ的には堂前に近い。R藤本なんかはね、とにかくめちゃくちゃ大喜利が面白い、というのはありますね」

サツマカワRPG。ギャグだけでなく、大喜利やモノボケでもセンスを発揮

カベポスター・永見。落ち着いた雰囲気から繰り出される、品の良いネタが特徴

追い詰められてわかる、芸人の骨の太さ

様々な知識や語彙力、記憶力、それを引き出す瞬発力や発想力も試される『座王』。だが、オールラウンダーだけではなく、FUJIWARA・原西のようなギャガー、奇想天外なエピソードトークが豊富なチャンス大城、あるあるネタやモノマネを得意とする藤崎マーケット・田崎なども座王に輝いた経験がある通り、大きく突き抜けた能力を持つ者も勝ち上がりやすい。
200回以上、現場で芸人のストイックな笑わせ合いを見てきた千原は、『座王』に向いている芸人をこう分析する。

「大喜利だけじゃなくていろんな要素も入っていますからね。歌もあって、トークもあって……あとは、システムとしてドロー(甲乙つけがたい対戦のときは審査委員長が引き分けと判断し、再試合が行われる)があるのも大きい。
ドローが続くと、何も引き出しがなくなることがあるんですよ。引き出しも何もない状況になって、そこから笑いが取れるかどうか。そこではじめて、その芸人のホンマの骨の太さがわかるというか。だから……普段から芸人であり続けている人、ですかね」

『座王』名物ドロー。ドローの場合は再試合となり、勝敗が決するまで戦い続けなければならない

負けざまがいい芸人も、番組の華

一方で、『座王』は即興ネタに強い、実力派ばかりが参加しているわけではない。勝率は低くとも、継続的に登場している芸人もいる。
例えば、当初は勝つ気配が薄かったものの、高い向上心によって即興力を身に着けてきたフルーツポンチ・村上、そして冒頭で必ずビックマウスを炸裂させるが、気持ち良いくらいキレイに敗北することが多く、少し照れながら敗退席に向かうことが多い、しずる・KAƵMA。

さらに、負け続けた者だけに与えられる「土下座王」に不名誉ながら輝いた、芸能リポーター・井上小公造のモノマネが有名な女と男・市川などだ。“負けざま”にインパクトのある彼らも、番組に必要な人材となっている。

「村上にしてもKAƵMAにしても、実際の対戦ではスベって負けたとしても、そのスベったことが結果として笑いにつながる。それって結局、スベってないってことなんですよ。それができるのは芸人としても強いし、呼ばれ続けている理由のひとつですね。
あとは……『座王』に出たことによって、本来開くはずのなかった扉が開いたとか、俺、こっち(のネタ)も意外と行けるんやみたいな感じで、広がりが出た芸人もいるじゃないですか。そういう、新たな一面に芸人が気づく番組にはなっていればいいですけどね」

ロングコートダディ・堂前。大喜利力に定評があったが、『座王』で一般の人にもその実力が知れ渡った

座王は賞レースではなく、あくまでバラエティ番組

芸人と芸人がぶつかり合う真剣勝負の場と言えど、千原はMCとして、初参戦組や若手のフォローを忘れず、敗退メンバーにもしっかりとチャンスを与える。こうした千原の中にあるのは、あくまで『座王』は即興ネタバトルという競技でありながら、優勝だけを純粋に競い合うものではなく、視聴者に30分間、笑いを届けるTVショーとしての側面を強く意識しているからと言えるだろう。

かつて『座王』では、決勝戦があまりにグダグダになったため、勝者なしとして準決勝に進出していたセルライトスパ・大須賀が繰り上がりで座王になったケース(#22)もある。
「最近では一番印象深い回でしたね」と千原が語るのは、Yes!アキトとどんぐりたけしのギャグ対決が異様に盛り上がり、ドローが連発されたため、座王1回分が2週にまたがって放送されることになった回(#222、223)。

そうしたハプニングに対し、ルールやシステムに縛られず臨機応変に対応し、より大きな笑いに繋げようとするのが座王という番組の醍醐味でもある。

「そういうことを考えると……結局ね、『座王』って純粋な競技じゃないんです。あくまでバラエティ番組なんですよ」

子供たちに大人気の椅子取りパートでも、芸人のおふざけが楽しめる。BGMのオクラホマミキサーを止めるのは千原ジュニアの役割

東の『笑点』、西の『座王』になることができれば

2022年1月2日、ダウンタウン・松本人志を審査委員長に迎えて放送された『座王 新春SP』が、ギャラクシー賞・TV部門と、放送文化基金賞・番組部門奨励賞をW受賞。また、放送文化基金賞の企画賞に、千原ジュニア本人も選ばれている。“純粋に笑える娯楽番組として高く評価する”という選評は、まさに千原ジュニアが番組を立ち上げたときに抱いていた「ただお笑いだけの番組を」という志が視聴者や各方面に伝わった結果である。

これだけ変化の早い世の中にあって、固定フォーマットでの笑いを追求している『座王』の、今後の展望と、千原ジュニア本人のささやかな希望を聞いた。

「出たいという人がいるなら、芸人じゃなくてもいいですけどね。これは希望ですけど、『IPPONグランプリ』に出ているような全国区の芸人が参加してくれればまた面白くなるやろうし、広がると思いますよ。将来的には、東京に『笑点』があるように、関西に『座王』がある、みたいなポジションになれば。
あとはまぁ……ホンマは絶対イヤですよ? でも毎回、司会しながらちょこっとだけ思うんですよ。出場してみたいなぁって(笑)」

取材・文/森樹 撮影/松木宏祐

「千原ジュニアの座王」

カンテレ 毎週金曜 深夜0:55~1:25
※カンテレドーガ、TVer、GYAO!で見逃し配信
※Amazon Prime内「大阪チャンネルセレクト」で全話配信中


座王 全国ネットSP 放送決定!
10月18日(火)21時~22時48分放送
笑いの総合格闘技!千原ジュニアの座王 2時間SP


番組公式ホームページ(https://www.ktv.jp/zao/
番組公式Twitter(@ktv_zaou
10月18日特番ページ(https://www.ktv.jp/zao/221018.html

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