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リヴァー・フェニックス降臨。5年ぶりの男性表紙となる一方、女優側にはシンシア・ギブ旋風が

集英社オンライン / 2022年10月19日 12時1分

ジャッキー・チェン以来、5年ぶりに「ロードショー」の顔となったのは、若きリヴァー。そして同時期に今もトップの座にある大スターがブレイク。入れ替わりの激しい女優の世界では、シンシア・ギブが短い天下をとるが…

リヴァー・フェニックス、このとき17歳

1987年最大の衝撃は、9月号においてリヴァー・フェニックスが表紙を飾ったことだ。映画のオフショット(1984年9月号『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』)をのぞけば、82年8月号のジャッキー・チェン以来なので実に5年ぶりの男性表紙!

また、それまでの「ロードショー」の表紙はほぼ女性が独占、たまに男性が起用されても、アラン・ドロンやジュリアーノ・ジェンマ、マーク・ハミル、ジャッキー・チェンと年齢が高めだった。だが、1970年生まれのリヴァーは掲載当時17歳。80年代の「ロードショー」の表紙を牽引してきたブルック・シールズやダイアン・レイン、ソフィー・マルソー、ジェニファー・コネリーと同じ10代でデビューを飾っているのだ。ついに若手男性アイドルが映画界にも誕生したのである。


7月号/ジェニファー・コネリー 8月号/シンシア・ギブ 9月号/リヴァー・フェニックス 10月号/ダイアン・レイン 11月号/メアリー・スチュアート・マスターソン 12月号/シンシア・ギブ
©ロードショー1987年/集英社

リヴァー・フェニックスは『エクスプローラーズ』(1985)で映画デビューを飾った。傑作『スタンド・バイ・ミー』(1986)で注目され、ハリソン・フォード主演の野心作『モスキート・コースト』(1986)に息子役で出演。圧倒的な美貌と強烈な個性を兼ね備えていた彼を、「ロードショー」が放っておくはずがない。「どーんとリバー・フェニックス」(6月号)「リバー・フェニックス来日密着8日間」(7月号)「リバー・フェニックス写真集」(8月号)「リバー・フェニックス特集」(9月号)「リバー・フェニックス大特集」(10月号)「リバーのなかよしファミリーを大特写」(11月号)「とじこみリバー・フェニックスセクシーピンナップ」(12月号)と、下半期はリヴァー・フェニックス一色である。

男優に関しては、表紙にこそ登場していないものの、もうひとり大ブレイクを果たしたスターが存在する。1962年生まれ、当時25歳のトム・クルーズだ。前年末に公開された『トップガン』(1986)が1987年の日本配給収入ランキングで1位となる大ヒット。『ハスラー2』(1986)『レジェンド 光と闇の伝説』(1985)などの公開を控えており、まさにハリウッドの頂点に登りつめたばかりだった。「ロードショー」も、「トム・クルーズのすべて」(3月号)「トム・クルーズFreshカラー」(4月号)「トム・クルーズ絶好調カラー」(5月号)といった特集を展開し、6月号からは「トム・クルーズ物語」の連載をスタートしている。だが、これらの記事を担当した記者や編集者も、それから35年以上、トム・クルーズがトップに君臨し続けるとは予想していなかっただろう。

シンシア・ギブと青春映画のスターたち

女優に目を向けると、前年初登場を果たしたシンシア・ギブが最多4回表紙を飾り、新女王となった。ジェニファー・コネリーとリー・トンプソンが2回で、1983年から毎年3回以上登場していたフィービー・ケイツがまさかの0回となっている。

1月号/シンシア・ギブ 2月号/ジェニファー・コネリー 3月号/リー・トンプソン 4月号/シンシア・ギブ 5月号/ダイアン・レイン 6月号/リー・トンプソン
©ロードショー1987年/集英社

シンシア・ギブは、1986年に青春スポーツ映画『栄光のエンブレム』(1986)と戦争ドラマ『サルバドル 遙かなる日々』(1986)が公開され、一躍注目された。続いて『マローン 黒い標的』(1987)『殺しのナイフ ジャック・ザ・リッパー』(1988)が公開され、日本では新アイドルとしてもてはやされた。

だが、出演作はいずれも端役で、代表作と呼べるものがないため、人気を持続することはできなかった。現在はほぼTV専門の俳優となっている。この時期のハリウッドでは、彼女のような“ガール・ネクストドア”風の親しみやすい感じの女優が人気で、ライバルが多かったのだ。たとえば、11月号で初めて表紙を飾ったメアリー・スチュアート・マスターソンもそのひとり。青春映画『恋しくて』(1987)のボーイッシュなキャラクターが強烈な印象を残したが、本作には同じタイプのリー・トンプソンも出演している。

若手俳優にとっては青春映画が登竜門であり、80年代の青春映画の名手といえば『恋しくて』の脚本・製作を手がけたジョン・ヒューズ監督だ。ヒューズ監督は、『すてきな片想い』(1984)『ブレックファスト・クラブ』(1985)『プリティ・イン・ピンク 恋人たちの街角』(1986)で連続起用した秘蔵っ子モリー・リングウォルドをはじめ、『ブレックファスト・クラブ』のその他のキャスト(エミリオ・エステベス、アンソニー・マイケル・ホール、アリー・シーディ、ジャド・ネルソン)、マシュー・ブロデリック(『フェリスはある朝突然に』)、青春映画ではないが『ホーム・アローン』(1990)のマコーレー・カルキンなどをブレイクさせたことで知られている。

もし、シンシア・ギブがジョン・ヒューズ作品に関わっていたら、違ったキャリアになっていたかもしれない。

小西未来

米ロサンゼルス在住の映画監督・映画ジャーナリスト。ハリウッド外国人記者クラブ所属の記者として取材活動を行うかたわら、『カンパイ! 世界が恋する日本酒』『カンパイ! 日本酒に恋した女たち』などのドキュメンタリー映画を手がけている。

ロードショー編集部

1972年に創刊し、2008年に休刊となるまでの36年、多くの映画ファンから愛されていた 映画雑誌「ロードショー」。
現在も数多く届く復刊希望の声をうけ、集英社オンラインでは、映画に関する記事は「ロードショー」レーベルで発信します。
劇場で、配信やサブスクリプションでと、映画を作る環境も見る環境も多様化し、膨大な数の作品が作られている今だからこそ、本当に見たい映画を選び、より広く深く楽しむための情報や読みものを届けます。

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