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「とにかくジュニアさんを笑わせたい」――審査委員長・お~い!久馬にとっての『座王』

集英社オンライン / 2022年10月18日 14時1分

即興ネタバトルである『座王』のジャッジを担うのは、ほんこんやFUJIWARA・藤本などのベテラン芸人。その中でもっとも出演回数の多い、お~い!久馬(ザ・プラン9)に、『座王』のジャッジについて聞いた。

ドローも駆使する公平なジャッジ

『座王』に欠かせない存在であり、番組の盛り上げに大きく関与するのが、バトルをジャッジする審査委員長だ。放送1回につき9回の勝ち抜きバトルが行われるわけだが、審査委員長は笑いの総量やテクニックなどを判断材料に、勝敗(またはドロー)を判定していく役割を持つ。お題に沿っているとはいえ、芸人の捉え方によってはネタ同士を比較することも難しい場合がある中で、視聴者に納得感のある結論を導き出すのは至難の業と言える。



「審査委員長はね、難しいと思いますよ。これだけ芸人が出ていると、仲が良かったり、深く知る仲だったりする芸人もいるわけですから」と、千原ジュニアもその重要性を認める審査委員長を、ほんこんと共に長く務めているのがお~い!久馬だ。ザ・プラン9のリーダーとして数多くのコントを執筆している彼は、どのような基準で判定をしているのだろうか。


「お客さんがスタジオで観覧していた頃は、その笑い声を比較して審査していたんですけど、今は自分が素直に面白いなと思う方に札を上げていますね。ドローを出すこともあるんですけど、あれは苦渋の選択です。僕もたまにプレイヤーとして呼んでもらうことがあるんですけど、やっぱりドロー、嫌なんで。ドローを出しすぎても炎上しますから(笑)。それでも、“どっちもおもろいな”で拮抗するときはドローにしてしまいますね」

ザ・プラン9の活動以外にも、構成作家として、また芸人養成所であるNSCの講師としても活躍している久馬。『座王』という番組がここまで続いてきた理由を、このように分析する。


「最初は吉本の芸人だけでスタートしたのが、他事務所にも広がっていったことはひとつ理由として挙げられると思います。もうひとつは、やっぱりジュニアさんが生粋のお笑い好きというところ。あんなに笑っているジュニアさんが見られる機会も普段はなかなかないので、それも大きいと思いますよ」

構成作家や脚本家としても活躍するため、公平で納得感のあるジャッジに定評がある

『座王』が若手芸人の目指すべき目標になっている

さらに、『座王』の放送が続いていることは、若手芸人や、NSCなどに在籍する芸人の卵にとってもひとつの目標となり、高いモチベーションに繋がっているという。

「大喜利イベントって、僕らが若手のときだとそれほどなくて、それこそダウンタウンの松本さんくらいから積極的にやりはじめたイメージですね。それが今の若い子たちは普通に大喜利もできたりする。今、僕はNSCの講師をしているんですけど、生徒たちはみんな『座王』を観ていて、自分たちで“もし自分たちに回ってきたら”みたいな真似事をやっていますね」


長年、『座王』をジャッジしてきた久馬の立場から見て、そのセンスに驚いた芸人、また、改めてその実力に驚いた芸人はいるのだろうか。


「R藤本かな。もうベジータ関係なく大喜利が面白い(笑)。(ベジータの仮装は)枷になる可能性もあると思うし、普通の格好で出たらもっと勝てるんちゃうかなぁと思うことがありますもん。“その格好、邪魔になってない?”みたいな(笑)。あとは、浅越(ゴエ)もそうですね。最初、彼は審査側で出ていたんですけど、“浅越はやりますよ”とスタッフに伝えていて。実際、プレイヤーにまわったらどのジャンルも強い」

『座王』の難しいところは、いくら実力があっても、苦手なお題に当たればすぐに敗退を余儀なくされてしまうことだ。そのギャンブル性に振り回される芸人たちには同情する気持ちもある。


「仲の良いヤツが『座王』にきて頑張ってほしいなと思っても、苦手なお題に当たってしまって、すぐに敗退することもある。そんなときは、“あいつはそれじゃないからなぁ”みたいな気持ちにもなりますよ。『座王』は負けたらホンマショックですから。そのあとにボケなんか言いたくなくなるくらい。そういうときは僕らも勝負以外で盛り上げることができたらいいんですけどね」

冷静な語り口の中にもお笑いへの熱い思いを秘める

審査委員長でもジュニアさんを笑わせたい

ギャラクシー賞を獲得した『新春SP』など、全国放送も定期的になりつつある『座王』。10月18日には、ついにゴールデンタイムでの特番を控えているが、これからの番組の展望や期待を、久馬はこう話す。


「基本的にはこの形を続けてほしいですね。ただ、お正月や特番みたいに人数が多いときに使われる“敗者復活戦”は良いシステムやと思います。応援している人が負けても、まだ出るかも、みたいな期待感が持てますから。あとは、今日も収録のとき、隣でボソッと“出たいな”って言ってましたけど、ジュニアさんが出たら一回どうなるのか見たいですね。ジュニアさんのギャグとかモノマネとかみたいですよ(笑)」

そして久馬自身も、審査委員長という立場から、芸人として爪痕を残すチャンスを常に探っている。そこには、MCであり、2年先輩である千原ジュニアを笑わせたいという芸人としての矜持が感じられた。


「ジュニアさんの隣に座っているわけですから、『座王』はいつも緊張感がえげつないです。ジュニアさんがまだ“ジャックナイフ”だった頃を知っている、近い世代の人間なので(笑)。だから僕も、下手なコメントはできないんですよ。
さらに言えば、僕もなんとか、ジュニアさんを笑わせたいなという気持ちはあります。(ロングコートダディの)堂前が、“負けた。寝られへん”ってさっき言ってましたけど、うまいコメントが出なかったときは僕も一緒ですもん(笑)。家に帰ってから“あそこでこう言うとけば、ジュニアさん笑かせたかもしれんなぁ”と後悔することはいまだにあります」

取材・文/森樹 撮影/松木宏祐

「千原ジュニアの座王」

カンテレ 毎週金曜 深夜0:55~1:25
※カンテレドーガ、TVer、GYAO!で見逃し配信
※Amazon Prime内「大阪チャンネルセレクト」で全話配信中

座王 全国ネットSP 放送決定!
10月18日(火)21時~22時48分放送
笑いの総合格闘技!千原ジュニアの座王 2時間SP


番組公式ホームページ(https://www.ktv.jp/zao/
番組公式Twitter(@ktv_zaou
10月18日特番ページ(https://www.ktv.jp/zao/221018.html

お~い!久馬

大阪府出身。NSC(大阪校)第10期生。同期にはメッセンジャー、ココリコなどがいる。2001年に結成され、現在は6人組のユニット「ザ・プラン9」のリーダーであり、定期ライブ「月刊コント」を開催している。ほかにも脚本家、構成作家としても活躍しているほか、NSCの講師も務める。

森樹

編集者、ライター

アニメ、音楽、お笑いなどカルチャー系全般のインタビュー・執筆、パンフレット構成を手掛ける。近年の仕事に、Quick Japan連載『降幡愛のロマンティックが足りてない⁉』(司会・執筆)、『のだめカンタービレ展』公式パンフレット取材・執筆、『くノ一ツバキの胸の内』(ブックレット取材・執筆)など。

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