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左右非対称、色に濃淡、直径6㎜以上…ほくろに現れる皮膚がんのサイン

集英社オンライン / 2022年10月19日 10時1分

ほくろは誰の体にもできるものだが、中には皮膚がんとなってしまっているほくろも。ほくろからのSOSサインを見逃さないように、ウチカラクリニックの森勇磨医師に解説いただいた。

メラノーマは足の裏にできやすい

皮膚がんは、人の目から見えやすい場所にあるため、他のがんと比べると比較的早期発見しやすいものです。
早期発見し、早期に治療、手術などすれば完治する可能性が高いがんと言われています。
ただし、皮膚がんにはさまざまな種類や症状があります。
中でも悪性黒色腫、メラノーマと言われている非常に悪性な皮膚がんは、色が黒くほくろのように見えてしまうことがあるので危険です。
メラノーマは皮膚の色素であるメラニンの工場の役割を果たしているメラノサイトが「がん化」してしまうものです。


がん化したメラノサイトからメラニン色素を多量に産出し黒くなることが多く、ほくろっぽく見えるのです。
メラノーマとほくろはかなり見分けがつきにくいので、定期的にチェックが必要になります。

まず、一番はじめにやってほしいことは足の裏をチェックすることです。
なぜならメラノーマの25%が足の裏にできるからです。
メラノーマの原因に紫外線を浴びすぎるということがありますが、そのほかに遺伝も原因として挙げられます。
日に当たらない足の裏にメラノーマがなぜできるのか、まだわかっていないのですが、もしかしたら足の裏への刺激などの影響かもしれません。


ですが、足の裏にほくろが見つかった人、あるいは体のどこかに気になるほくろがある人がみんなメラノーマか?ということではありません。
メラノーマかどうかは色、形、大きさなどからセルフチェックの仕方があり、「ABCDE」サインと呼ばれている特徴をつかむことがポイントになります。
それぞれのサインを確認しつつ、メラノーマを警戒しなくてはならないほくろがないかをチェックしましょう。

足の裏にほくろができていないか、定期的にチェックを

左右非対称のほくろ、肌に溶け込むほくろは要注意!

メラノーマの特徴「ABCDE」サインはそれぞれの頭文字から取っています。

まずAはAsymmetry=非対称です。
左右非対称のほくろになっていないかチェックしましょう。
ほくろはだいたい綺麗な円形をしていますが、メラノーマが疑われる場合は、つぶれたような楕円の形になっていたり、一部が飛び出ていたりする場合があります。
まずはほくろの形をチェックし、形がつぶれていたり、左右非対称であったりするなら、メラノーマの可能性があります。

形の次にチェックしたいのがBのBorder=境目です。
まるで肌に溶け込んだようなほくろになっていませんか?
普通のほくろは黒い部分と肌の境目がはっきりしていますが、だんだん肌との境目が分かりづらくなっていたら、メラノーマの危険サインです。

CはColor=色をチェックします。
色が濃淡になっているほくろはメラノーマの可能性があります。
ほくろの色は一般的に黒ですが、一つのほくろで色が濃かったり薄かったりなど混じっているとメラノーマが疑われます。
もし、急にほくろの色の濃淡が出てきたら、警戒したほうがいいです。

ほくろの変化に気を配るように

直径6㎜以上のほくろ、形状の変化には注意

形、肌との境目、色をチェックしたら、次はほくろの大きさをチェックしましょう。

DはDiameter=直径のことです。
大きなほくろはメラノーマである危険性があります。具体的には直径6㎜以上のほくろです。
ただし、大きなほくろが全てメラノーマということではなく、前述した、形、肌との境目、色などのメラノーマの特徴に当てはまっているかどうかがポイントになります。
大きなほくろで、形が左右非対称、濃淡があり、肌との境目が分かりづらい場合はメラノーマかもしれないので、皮膚科を受診しましょう。

そして最後のチェックは、EはEvolve=形状の変化です。
以前は普通のほくろだったのに、だんだん大きくなってきた、色や形が変わってきた、境目が分かりづらくなってきたという変化にも気を配るようにしましょう。
特にほくろの中心部分が凹み、ただれている場合は、メラノーマである可能性があるので、早めに皮膚科を受診してください。

メラノーマは足の裏のほかに、手のひらなどにもできやすいですが、背中など自分ではチェックしにくい部分にもできることがあるので、家族に見てもらうようにしましょう。

背中のほくろは自分では気づきにくい

また、メラノーマは爪に出ることがあります。
爪に黒い線が入り、色が濃くなったり、幅が太くなったりする場合はメラノーマの疑いが高いので、爪のチェックも忘れずに。

皮膚がんの予防は、何よりも紫外線を避けることです。日差しが強い日はしっかり日焼け止め剤を塗る、肌の露出が少ない服装をするなど紫外線を浴びすぎない対策を心掛けて。

メラノーマは早期発見すれば、その部分は手術によって切除すれば完治する可能性が高いのですが、発見が遅れてしまい、内臓に転移などしてしまうと、抗がん剤治療、放射線治療をしなくてはならなくなり、場合によっては命に落とすこともあります。

ほくろという自分から見えやすいものだからこそ、6ヵ月に一度くらいは前述した「ABCDE」サインをチェックするのがおすすめです。

もし、少しでも不安を感じたら早めに皮膚科を受診するようにしましょう。




取材・文/百田なつき

40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」
(ダイヤモンド社)

森 勇磨

2021年9月29日

1,650円(税込)

328ページ

ISBN:

4478113459

人生100年時代を生き抜く「最強の基礎教養」。血液・尿検査の絶対見逃してはいけないポイントから、エビデンスのあるがんの予防・早期発見法、健康寿命を1日でも延ばす食事術と生活習慣、太く長く生きるためのメンタルケアの方法、そして、大病になったときの再発予防・リハビリまで、正しい健康知識の超集大成!

森勇磨

神戸大学医学部医学科卒業。研修後、藤田医科大学病院の救急総合内科にて救命救急・病棟で勤務。2020年2月より「すべての人に正しい予防医学を」という理念のもと、「予防医学ch/ 医師監修」をスタート。株式会社リコーの専属産業医として、社員・会社全体へのアプローチから予防医学の実践を経験後、独立。「Preventive Room株式会社」を立ち上げる。2022年、医療×IoTの実践を目指す新時代のクリニック「ウチカラクリニック」 https://uchikara-clinic.com/を開設。

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