――舞台『しびれ雲』は下北沢の本多劇場で公演されます。井上さんご自身は下北沢や本多劇場にどんな印象を持っていますか?
下北沢自体が演劇の街というか、小劇場がたくさんありますし、劇団の方々が日夜しのぎを削っているイメージです。もちろん舞台を見に行ったことはあるんですが、どちらかと言うと、僕がやっているミュージカルは大きめの劇場で上演することが多いので、あまり馴染みはなかったです。同じ演劇ではありますけど、畑が違うと言いますか。踏み入れると怒られるのではないかという、ちょっとの緊張感と憧れのある街であり、劇場だなと思います。
――たしかに。ミュージカル作品といえば日比谷の帝国劇場。本多劇場のある下北沢と同じく、日比谷も演劇の街ですが、全く違う雰囲気です。
そうですね。本当は隔たり的なものはないほうがいいので、自分としてはあまり感じないようにしたいなと思いますし、役者としてステージに立つ上ではどこの劇場でも呼ばれれば行きます!
見てくださる方々にはもちろん、お好みの演劇を見ていただければと思うんですけど、日本は同じ演劇ファンでも細分化されているのは確かですよね。宝塚ファンの方や劇団四季ファンの方など、結構細かいんです。もちろん何でもご覧になる方もいらっしゃって、素晴らしいなと思います。
ただ、意外と小劇場ファンとミュージカルファンは被っていなくて。小劇場ファンは下北沢に通い詰めるし、ミュージカルファンは日比谷に通い詰めるという傾向があると思います。それが悪いということではないです。どちらにも素晴らしい部分があるし、好みの違いもあるかと思います。でも、互いを知ってもらったり、両方を行き来して交わるというのも、素敵なことなんじゃないかなと思います!