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「今でも『あの時は戸田さんに助けてもらった』と言われます」スターの地位に戸惑っていた若き日のブラッド・ピッド

集英社オンライン / 2022年10月28日 10時0分

ロバート・レッドフォード版の「華麗なるギャツビー」を知っていますか?〉から続く

字幕翻訳の第一人者・戸田奈津子さんは、学生時代から熱心に劇場通いをしてきた生粋の映画好き。彼女が愛してきたスターの見るべき1本を、長場雄さんの作品付きで紹介する。

人間的に大きく成長していったスター

日本の映画ファンはスターを見つけるのがとても早くてお目が高いので、『テルマ&ルイーズ』(1991)のときすでに、端役で出演していたブラッド・ピットの美しさが話題になりました。世界的に注目を集めるようになったきっかけは、やっぱりロバート・レッドフォードが監督した『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)でしょうね。

モンタナの大自然の中で成長する若者の心情を描いていて、流麗なカメラワークと相まって、心が揺さぶられる物語でした。ブラッドはルックスもピカイチだけど、あのナチュラルな演技ができるのは感受性が豊かな証拠。レッドフォードをはじめ、先生になる映画人も周りにいっぱいいたんだと思います。



私が初めて彼に会ったのは、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(1997)で来日したとき。取材でうまく質問に答えられず、不安そうな目で私をチラチラと見ていたことを覚えています。今でもブラッドは「あのときは戸田さんに助けてもらった」と言いますけど、それほど、スターの地位に戸惑っている初々しさがあったんです。

そんな彼が、今では非常に優秀な製作者として知られています。これまで通訳としていろんなハリウッドスターを見てきましたけど、ブラッド・ピットほど人間的に成長していくのを目の当たりにした俳優はいません。

『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)A River Runs Through It/上映時間:1時間4分/アメリカ

真面目な兄ノーマン(クレイグ・シェイファー)と、自由奔放なポール(ブラッド・ピット)は、厳格な牧師の父に育てられた対照的な兄弟。彼らの確執と絆を、共通の趣味であるフライ・フィッシングを通して描く。モンタナ州ミズーラの雄大な自然をバックに描いた美しい映像は必見。アカデミー撮影賞を受賞した。

ブラッド・ピット

1963年12月18日、アメリカ・オクラホマ州生まれ、ミズーリ州出身。1988年に『リック』で映画初主演。『テルマ&ルイーズ』(1991)『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992)などで注目を集め、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994)や『セブン』(1995)のヒットで世界的スターに。『12モンキーズ』(1995)『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)『マネーボール』(2011)でアカデミー賞にノミネートされ、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)でアカデミー助演男優賞に輝いた。プロデューサーとしても活躍し、『ディパーテッド』(2006)『それでも夜は明ける』(2013)『ムーンライト』(2016)がアカデミー作品賞を受賞している。

語り/戸田奈津子 アートワーク/長場雄 文/松山梢

貞淑な妻と娼婦。ふたつの顔を演じ分けるフランスの国宝的俳優カトリーヌ・ドヌーヴ〉へ続く

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