2ヶ月前、深紅の大優勝旗が初めて白河の関を越えた。今年の夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)の主役はもちろん仙台育英高校ナインだ。
しかし、その陰でもうひとつの“初めて”を達成したのが、阪神園芸入社2年目の石躍奈々さんだ。
女性として初めて聖地、甲子園のグラウンドキーパーを務めた彼女は、もともとサッカー少女。
チームの守護神として中学時代は全国3位を経験。しかし、故障をきっかけに競技を断念し、ゴールキーパーからグラウンドキーパーへと転身した。
今夏の大会前は女性初の甲子園グラウンドキーパーの誕生に、各メディアがこぞって彼女を取材し、野球ファンの間では知る人ぞ知る存在に。
あれから2ヶ月。甲子園の熱気がおさまった今、改めて石躍さんに直撃した。
――石躍さんは甲子園の近所、南甲子園小学校出身だそうですね。
はい。甲子園は身近な存在でした。小学校6年生のときに西宮市立小学校連合体育会という、市内の小学校が合同で行う運動会のようなものがあるのですが、その会場が甲子園なんです。テレビでよく見るグラウンドに立てて、とても感動した記憶があります。