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天国からアントニオ猪木と橋本真也が「会社が憂鬱」と悩む若者に喝を入れる

集英社オンライン / 2022年11月1日 16時1分

会社や仕事は、いつの時代もさまざまな悩みを生み出す。人間関係が面倒だったりやる気が起きなかったり……。会社というリングで戦うビジネス戦士の悩みに、四角いリングで戦い続けた男たちは、どんな励ましを送ってくれるのか。悪戦苦闘する若者たちに、燃える闘魂・アントニオ猪木と破壊王・橋本真也が愛のビンタや親身なキックで喝を入れる。

「とりあえずプロレスを観に来い」と猪木

難病と果敢に闘い続けて、2022年10月1日に世を去ったアントニオ猪木さん。プロレスラーとしてだけでなく、政治家としても多くの伝説を残しました。人生相談でも、迷える相談者に愛のビンタを送っています。

大学を卒業して一流企業に就職したものの「会社に行きたくなくて悩んでいます」という25歳の男性。「会社では友達もできず仕事もやる気が起こりません」と嘆いています。


猪木さんは「いわゆる五月病ってヤツか。難しい問題だな」とひと呼吸置いた上で、こうアドバイス。

〈そうだな、とりあえずプロレスを観に来ることだな。会場で「バカヤローッ」でも「猪木がんばれーー」でもいいんだけど大声を出してみろよ。(中略)それこそ、河原にでも行ってメチャクチャでっかい声を出してみるとさ、スカーッとして、今やっていることの価値観みたいなものが見えてくるかもしれないよね。もし、それで本当に価値観がなければしょうがない。終わりだな。会社員以外の別の選択を考える。それもまた生き方だと思うね〉
※初出:雑誌「週刊プレイボーイ」(集英社)の連載「風車の如く」(2001年43号~2002年49号)。引用:アントニオ猪木著『アントニオ猪木の人生相談 風車の如く』(集英社、2003年刊)

相談者に限らず、この回答を読んで「ふざけている」と感じた人は、疲れすぎて心の余裕をなくしているのかも。もちろん猪木さんは大真面目だし、ウジウジした悩みを吹き飛ばすには、うつむいて考え込んでいるより、背中を伸ばして大きな声を出したほうが、はるかに有効でしょう。

猪木さんは「会話している声がどんどん小さくなっていくとエネルギー自体も小さくなっちゃうんですよ」とも。猪木さんが常々おっしゃっていた「元気を出せば何でもできる!」という言葉には、「大きなエネルギーがあればどんな悩みも吹き飛ぶ」という意味もありそうです。

逃げることも勧める「破壊王」橋本の回答

続いては、アントニオ猪木さんに憧れて新日本プロレスに入門したプロレスラーの橋本真也さん。巨漢を揺らした激しいファイトでファンを魅了しましたが、2005年に40歳の若さで世を去りました。

破壊王と呼ばれた彼に、26歳の男性が「ものすごく嫌いな人がいます」と相談を持ちかけます。「相手もボクのことを嫌っていますが、仕事上の付き合いは避けられません」とのこと。人間関係が原因で会社が憂鬱になっている相談者に対して、橋本さんは「それがライバルなんだよ」と背中を叩きつつ、具体的な作戦を授けます。

〈そいつが陰気なヤツなら意地悪されるかもしれんけど、それにも立ち向かわないかんのよ、人生は。そこで逃げとったら、お前は負けだ! 嫌なヤツも自分の先生としなくてはいけないって、偉い中国の先生も書いてたよ。それでも嫌だったら、椅子の下に画鋲やブーブークッションを置くとか、ちょっとした意地悪をすればいいからな。仲良くなりたかったら、殴り合いの喧嘩でもして認め合うか、それでも嫌だったら逃げるか、そいつを追い出すかしかないだろ。とにかく合わないヤツは絶対に合わないからな〉
※引用:「紙のプロレス」編集部編『紙の破壊王 ぼくらが愛した橋本真也』(エンターブレイン刊、2005年)

「破壊王」のニックネームのとおり、なかなか破壊的な回答です。逃げてはいけないと言いつつ、逃げる選択肢もあると言っていますが、そこに矛盾はありません。きっと、合わない相手との戦いから逃げてはいけないけど、逃げるという戦い方もあるという意味です。画鋲やブーブークッションを使った意地悪も、非現実的に見えますが、深読みして「手段を選ばない覚悟を持て」という意味だと受け止めたいところ。

「嫌いな人がいる」と悩んでいても何も変わりません。橋本さんは勢いのある熱い口調で「まずは行動を起こせ」と言ってくれています。たしかに、それは憂鬱を撃退する唯一の方法と言えるでしょう。

会社や仕事を憂鬱と感じる原因は、多種多様です。

闘う男たちが口をそろえるのは、原因に立ち向かうにせよ辞めるにせよ「行動を起こさないと何も変わらない」ということ。「まずはファイティングポーズを取らないと」と言ってもいいかもしれません。

猪木さんの「元気ですかー!」は、ちゃんと闘っていますかという問いかけでもあります。悩んでいることを言い訳に立ち止まっている場合ではありません。それぞれの場所で、それぞれのやり方で、少しでも前に行くための闘いに挑みましょう。

恐れることはありません。猪木さんは「迷わず行けよ 行けば分かるさ」とも言ってくれています。

(文/石原壮一郎、イラスト・マンガ/ザビエル山田)

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