1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

コロナ後遺症も老化も原因は「炎症」にあった! 名医が教える「炎症ゼロ」5つの習慣

集英社オンライン / 2022年11月2日 15時1分

若さと健康はすべての人の願い。だが、身体によくないことをついついやって、自ら老いと病を引き寄せてしまってはいないだろうか。内科医で東洋医学会漢方専門医でもある今井一彰氏の新著『名医が教える 炎症ゼロ習慣』(飛鳥新社)から一部を抜粋、要約して、若さと健康を保つための、ちょっとした心がけをお届けする。

自覚症状のない“隠れ炎症”とは

私は福岡でクリニックを開業しています。クリニックには原因不明の不調を抱えた患者さんらが日々、受診にこられます。メンタルの弱さが原因だと言われた患者さん、登校拒否の高校生、そして最近もっとも多いのがコロナ後遺症に悩む患者さんです。

しかし、私が診察してみると、本人は気づいていないのにのどが腫れて(炎症が起きて)いて、それが原因でさまざまな不調が起きていました。自覚症状はなくても、体内のあらゆる箇所に“隠れ炎症”が潜んでいる可能性があります。



そして、その“隠れ炎症”は免疫力が低下すると飛び火し広がり、生活習慣病やがん、心臓・脳血管疾患、老化などを引き起こすと考えられるのです。

たとえば、センテナリアン(100歳以上の長寿の方)は慢性炎症の程度がわかる“高感度CRP”の値が圧倒的に低いのです。“高感度CRP”は血液検査で調べられるのですが、一般的には0.3㎎/dl以下が正常とされる数値。それが、センテナリアンは0.03㎎/dl程度と、たった10分の1に抑えられているのです。

若々しく、免疫力が高い健康な身体をつくるには、“炎症ゼロ”の状態を目指すことが重要です。本書では「食べ物」「呼吸」「運動」「睡眠」「メンタル強化」の5項目に分け、50の習慣を提案しています。

「食べ物」では、意外にも牛乳は健康に良いとは限らないため、摂り過ぎには注意しましょう、と提案しています。牛乳に含まれるカゼインというタンパク質は消化されにくく、腸に負担がかかり、腸に炎症を起こすと考えられています。

そのため、取り過ぎると腸のバリア機能が低下し毒素が血液中に侵出し、身体の他の箇所へも毒素や炎症が広がってしまうことがあるのです。

海外では豆乳やアーモンドミルクで代用され、カゼインフリーのヨーグルトやチーズは、日本でも販売されています。牛乳を避けることでカルシウム不足が心配な場合は、豆腐などの大豆製品や小魚、ワカメなどの海藻類や小松菜などの緑黄色野菜にも多く含まれています。

それらを組み合わせて、推奨される量(成人男性1日650~800㎎、成人女性1日650㎎)をまかなうようにしましょう。

座り時間が長いほど死亡リスク増

「呼吸」では、飲む込む機能を鍛えるお口の体操をおすすめしています。65歳以上の死因の第4位、80歳以上では死因の第3位が肺炎で、なかでも多いのが誤嚥性肺炎です。

唾液や食べ物が肺や気管に入ってしまい炎症が起こってしまうのですが、舌やのどの筋力低下、反射神経の衰えなどで、飲み込む機能が老化しているのが原因です。

お口の体操としては、たとえば口や舌の動きをスムーズにする「ぶくぶく体操」を。口に水を含んで、最初は両頬をしっかり膨らませて10秒ぶくぶく、次に右頬だけ、左頬だけ、口の上だけ、口の下だけで、それぞれ10秒ずつぶくぶくして、最後に水を吐き出してください。これだけです。「最近、むせることが多くなった」という人は、積極的に行いましょう。

「運動」は苦手、という方も少なくないかもしれませんが、運動は薬、と考えてください。国立がん研究センターによる科学的な検証の結果、運動には大腸がんや乳がんの発症リスクを低くする効果があることが示されるなど、がんの発症リスクが抑えられることがわかっています。

反対に座りすぎは寿命を短くします。なんと、日本人は世界一座っている時間が長い(7時間)、というデータがあります。オーストラリアの研究によると、1日に座っている時間が4時間未満の人に比べ、8~11時間座っている人は死亡リスクが15%増え、11時間以上では40%増えるという結果が出ています。

30分座ったら3~5分歩いたり、ストレッチをしたり、立ったままデスクワークができるスタンディングデスクを活用してみましょう。

“最悪な状況”を思い浮かべる効能

「睡眠」では、理想の7時間睡眠を。睡眠不足が続くと糖尿病、肥満、認知症になりやすくなります。これらはすべて慢性炎症の原因にもなります。

寝つきを良くするには、靴下を履いたまま寝るのはNG。人は足や手のひらから放熱し、深部体温を下げることで眠気が起きるのですが、靴下を履いていると深部体温がじゅうぶんに下がらず寝つきが悪くなってしまうのです。

寒くて眠れないという人は靴下ではなく、レッグウォーマーを。足首の血管が温められ、足の血流が良くなり、足先からの放熱もスムーズになるでしょう。

「メンタル強化」では、“最悪な状況”を思いうかべる、という方法があります。まだ起こってはいない悪い状況を想像する。それによって、現実をポジティブにとらえ直す効果があるのです。

ネガティブなことはストレスになり、精神的なストレスは自律神経のバランスを崩すなど脳や身体にさまざまな影響を与え、炎症を引き起こします。

ですが、人間の防衛本能として、無意識にネガティブな考えが思い浮かんでしまうもの。それを逆手にとり、最悪な状況をイメージし、自分が恵まれていることを改めて自覚すれば、感謝の気持ちが生まれ精神的に安定します。

以上、いくつかかいつまんで紹介しましたが、いずれも私が実践して効果を実感している健康法ばかりです。ぜひみなさんの生活のなかにも取り入れていただけることを願っています。

患者さんと向き合っていると、健康な身体に大事なのは名医の存在よりも、病気にならない予防法だと感じています。炎症を小さなボヤのうちに消し、大きな病や老化に繋がるのを予防し、病気にならない身体づくりを実践していただけたらと思います。

名医が教える 炎症ゼロ習慣 ~体内年齢が10倍若返る~(飛鳥新社)

今井一彰

2022/11/1

1430円(税込)

単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 180ページ

ISBN:

978-4864109246

原因不明の「疲れ」急増中! のどや歯ぐきの腫れが原因かも!

【炎症を消す&予防する50の習慣】
本書では、お口の炎症をはじめ、
体のあらゆる箇所にひそんでいる炎症を
消す&予防する50の習慣を紹介しています。

・食べもの ⇒ カレーを食べる、牛乳を飲まない
・呼吸 ⇒ 口を開けない、舌の筋肉をきたえる
・運動 ⇒ 座る時間を減らす、歩くなら「インターバル速歩」で
・睡眠 ⇒ 雑音のなかで眠る、15分の昼寝で脳がよみがえる
・メンタルヘルス ⇒ 病気の写真を見ない、「私」と言わない

など、世界中の研究データをもとに、
毎日かんたんに実践できることばかりをまとめました。

1つでも多く習慣にして、若々しく元気な体を手に入れましょう!

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください