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トマトケチャップや黒豚も。加熱する「ふりかけ市場」の最新トレンド

集英社オンライン / 2022年11月4日 14時1分

“至高のふりかけ”を決める「全国ふりかけグランプリ」が、2022年11月6日に熊本県合志市で開催される。実はふりかけというのは、数多くのメーカーがしのぎを削る激アツの食品ジャンル。同イベントを主催する国際ふりかけ協議会の松江慎太郎さんに、ふりかけの最新トレンドや注目の商品について聞いてみた。

ふりかけは日本が誇る食文化!

––そもそも松江さんが代表理事を務める「国際ふりかけ協議会」って、どんな団体なのでしょうか?

国際ふりかけ協議会は、「ふりかけを通じた地域振興、経済発展、国際交流」を目的に発足されました。主な活動としては、たとえば、ASEAN諸国の子どもたちにふりかけを提供しています。東南アジアはお米がたくさん採れるので、ふりかけでカルシウムなどの栄養補給をしてもらって、体づくりに役立ててもらいたいと思ったのがきっかけです。あと、最近は自然災害が増えていますが、避難所にふりかけを提供する活動も行っています。白いごはんばかりだとどうしても飽きてしまいますし、ふりかけは常温で長期間保存できるので、非常食としてもぴったりなんです。


松江慎太郎(まつえ・しんたろう)さん。国際ふりかけ協議会代表理事。ふりかけ発祥の地のひとつとされる熊本県出身。ふりかけ好きが高じて2013年に国際ふりかけ協議会を発足

––ふりかけを海外に提供しているということですが、そもそもふりかけは日本で生まれたものなのですか?

ふりかけは、日本独自の食文化なんです。起源は諸説ありますが、大正時代に熊本県の吉丸末吉さんという薬剤師がつくった「御飯の友」が商品化の始まりだという説があります。賞味期限が長いので、昔は軍用食としても使われていたそうです。

大正12年に誕生した「御飯の友」(フタバ)。いりこを丸ごと粉末にしたふりかけで、登場から約100年もの間、多くの人に愛され続けている(https://www.gohannotomo.co.jp

––ふりかけを製造する日本メーカーって、どれほど存在しているのでしょう?

「ふりかけ専業」の会社はそれほど多くありませんが、今は多くの食品会社がふりかけをつくっています。食品会社から見ると、ふりかけは参入しやすい分野なんだと思います。先ほども言ったように賞味期限が長いので、一度生産したら、時間をかけて売っていくことができるんです。実は、私自身も商品を開発しています。

––ご自身でもふりかけ開発を! どんな商品なのでしょうか?

「シャカシャカ変身ふりかけ」という商品です。蓋の中にスパイスが入っていて、振れば振るほど味が変わります。柚子胡椒とか明太子とか、蓋の中に入れるスパイスを変えることで、いろんなバリエーションのふりかけを作り出せるんですよ。これに関連したワークショップも開催していて、子どもたちに16種類の中から好きなスパイスを2つ選んでもらって、オリジナルふりかけづくりに挑戦してもらいます。

––なぜ自分でふりかけを作ろうと思ったのですか?

世の中に出回っているふりかけの「容器」が、どれも同じ形ばかりだったんですよ。ふりかけの容器とか食べ方とかって昔のままで、ほとんど進化していないのでは……と感じたのが開発のきっかけです。私たちは「ふりかけの発展」を目指しているので、自分たちが新しいことに取り組むことで、メーカーさんが奮起するきっかけになるんじゃないかと思いました。

松江さんが開発した「シャカシャカ変身ふりかけ」は、蓋の中にスパイスが入ったユニークなふりかけ。熊本県内のお土産屋さんで販売中。県内アミューズメント施設でUFOキャッチャーの景品としても採用された

一度は食べてみたい最新ふりかけ

––いろいろな種類のふりかけがありますが、最近は何がトレンドなのでしょうか?

一時期は「生タイプ」とか「ソフトタイプ」といった商品が増えてきました。賞味期限が2、3カ月くらいのものです。でも最近の市場を眺めると、賞味期限が半年以上の商品が再び伸びてきている印象です。私たちが主催する「ふりかけグランプリ」では、以前はソフトタイプとドライタイプでカテゴリを分けていたのですが、ソフトタイプの参加がだんだん減ってきたので、今はドライタイプだけに絞っています。

食材に関しては、今は非常にいろいろな種類がありますよ。ふりかけというと、海苔や魚を使ったものをイメージする人が多いと思うのですが、肉系のふりかけも増えています。乾燥技術が上がってきたので、いろんな食材にチャレンジしやすくなってきたのではないでしょうか。

––今注目の商品がありましたら、教えてください。

最近だと、「明宝トマトケチャップふりかけ」(明宝レディース)がおすすめです。明宝レディースは、岐阜県郡上市のお母さん方が設立した会社。トマトケチャップのふりかけってイメージしにくいかもしれませんが、ケチャップのほどよい酸味と、ポテトフレークのサクサクとした食感が本当においしいです。余った食材を活かす「フードロス削減」の観点でつくったものだったと思いますが、素材の良さを上手に引き出していると感じました。

「明宝トマトケチャップふりかけ」(明宝レディース)。岐阜県の道の駅などのほか、メーカーのオンラインショップでも購入できる(https://www.meiho-ladies.com

あと、「鹿児島 黒豚ふりかけ」(日本海水)は、前回のグランプリで金賞を獲得しました。ふりかけはやっぱり海の幸を材料にしたものが多いのですが、肉系や野菜系などいろいろな商品が増えると盛り上がるんじゃないかと思っています。そういう点では、今回の全国ふりかけグランプリでは本当にバラエティー豊かなふりかけが揃っていて面白いですよ。

「全国ふりかけグランプリ2019」で金賞に輝いた「鹿児島 黒豚ふりかけ」(日本海水)。鹿児島県産の黒豚を使用した、旨みたっぷりチャーシュー味(https://www.urashimaonline.shop

至高のふりかけを決める人気イベント

––「全国ふりかけグランプリ」って、どういうイベントなのですか?

「ふりかけ業界の振興・発展」と「お米の消費拡大」を目的に始めたイベントで、今年は11月6日(日)、熊本県合志市で開催します。2014年から2年に1回のペースで開催していたんですが、去年は新型コロナウイルスの影響で見送ったので、今年は実に3年ぶりの開催になります。全国約500社のふりかけメーカーにお声掛けして、今回は10社に参加してもらいました。エントリーしたふりかけは、すべて新商品です。みなさんがグランプリに合わせて新商品を開発するような、本気度の高いイベントなんですよ。

––どのように審査するのでしょうか?

来場したお客さんに、お酢が入っていないシャリ玉(6個1パック)を購入してもらいます。各メーカーのブースでそのシャリ玉にふりかけをかけてもらって、美味しかった商品に投票する仕組みです。合志市の市民まつりの中で開催するので、老若男女、幅広い世代の人に審査してもらうことになります。用意しているシャリ玉は1500パックほど。たくさんの参加者の投票で決まるので、かなり信憑性の高いグランプリだと思います。今年も美味しくてユニークなふりかけがエントリーされているので、ぜひたくさんの方に参加いただきたいですね。

「全国ふりかけグランプリ2022」の開催概要はホームページでチェック。お近くの人はぜひ足を運んでみよう(https://www.ifa-furikake.jp/fgp/

*********

ふりかけメーカーが本気で挑む全国ふりかけグランプリ、今年はどんな商品が金賞を獲得するのだろうか。遠方で会場まで足を運べない人もいると思うが、審査の行方が気になる人はイベント終了後に国際ふりかけ協議会のホームページをチェックしてみよう。アツい戦いを勝ち抜いた「至高のふりかけ」に出会えるはずだ。


文/小平淳一

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