ほんの10年ほど前まで、多くの知識人が、終身雇用・年功序列の日本的雇用が日本人(男だけ)を幸せにしてきたとして、「ネオリベによる雇用破壊を許すな」と大合唱していた。最近になってこのひとたちが黙るようになったのは、OECDをはじめとするあらゆる国際調査において、「日本人は世界でいちばん仕事が嫌いで、会社を憎んでいる」という結果を繰り返し突きつけられるようになったからだ、
しかも、これは必ずしも「ネオリベ改革」のせいではなく、バブル絶頂期の1980年代ですら、日本のサラリーマンよりアメリカの労働者のほうがいまの仕事に満足し、友人に勧めたいと思い、生まれ変わったらもういちど同じ仕事をしたいと考えていた。
日本的雇用と対称的なのがネットフリックスで、2009年、自分たちの人事方針を説明した社内文書「カルチャーデック」が一般公開されると、革新的なシリコンバレーですら大騒ぎになった。そこには、これまでの常識とはぜんぜんちがうことが書かれていたからだ。