––「サメ研究」の最先端で活動されている佐藤さんですが、沖縄美ら海水族館では普段どのような研究をしているのでしょうか。
基本的には、サメを飼育しているからこそできる研究や長期的なスパンの研究を重点的に行っています。
たとえば、沖縄美ら海水族館ではオスのジンベエザメ「ジンタ」を27年にわたって飼育していて、その血液を毎月採取し続けています。そして、飼育開始から17年目の2012年に、初めて血液データから成熟の兆候を確認したんです。
わかりやすく言えば、交尾をして子どもをつくれる体になったということですね。2012年時点でジンタは25〜30歳くらい。これまでジンベエザメは何年くらいで成熟にいたるのかわかっていなかったのですが、長期間の飼育によって実証できました。