戦争というと、その単語だけで眉をひそめる人もいるが、実際世界史の年表を紐解けば、年表の節目はほとんど戦争といっていい。戦争が起こるのには原因があり、その結果の勝ち負けで歴史も変わってくる。一般の庶民にとってはおそらく戦争は自分たちの知らないところで始まって、勝ち負けの結果だけは味合わされるものだろう。理不尽極まりない。
しかし、海の戦いは大きな意味を持つものが多い。ヨーロッパの国々にとって、島国イギリスによる世界制覇は海の支配であった。同じような島国である日本にとっても、海の戦争は歴史の必然であった。
歴史に残るものだけでも白村江(はくすきのえ)の戦いに始まり元寇(げんこう)の役、倭寇(わこう)慶長の役と朝鮮半島や大陸と海の争いを続けてきた。なかでも元による大軍の襲来は、結果によってはその後の日本を大きく変えた可能性のある戦いだった。
本原稿では、二度の元寇を漫画で追ってみる。