アマゾンは11月1日に、プライム会員向けに提供する音楽配信サービス「Amazon Music Prime」のリニューアルを実施。従来は約200万を上限としていた「聴き放題」で楽しめる楽曲数が、月額980円の有料音楽配信サービスである「Amazon Music Unlimited」と同じ約1億曲に増えた。
Amazon Music Japanに直撃。不満続出の「Amazon Music」大幅リニューアル。シャッフル再生を「是」とした狙いとは?
集英社オンライン / 2022年11月8日 9時1分
楽曲の「シャッフル再生」対応で不満が続出している「Amazon Music Prime」のリニューアル。ユーザーがAmazon Musicを利用するメリットとは何なのか? Amazonプライム会員向け音楽配信サービスの変更点を解説する。
「Amazon Music Prime」とは?
Amazon Music PrimeとAmazon Music Unlimitedで大きく異なるのは、Amazon Music Primeでは一部のプレイリスト以外の楽曲がすべて「シャッフル再生」になる点だ。
Amazon Musicはモバイルアプリやインターネットブラウザなどで楽しめるが、Amazon Music Primeの場合は聴きたい楽曲を検索すると「プレイリスト」がヒットする。アーティストやアルバムの名称を検索キーワードに設定すると、それぞれを含むプレイリストが見つかるのだ。プレイリストの中に聴きたくない曲があれば「スキップ」もできるが、飛ばせる回数には制限がある。
Amazon Music Primeにおける基本の再生スタイルは「プレイリスト内シャッフル」。聴きたくない曲をスキップすることも可能だが、回数には制限がある
プレイリストには、Amazon Musicがその時期にイチオシする楽曲を集めた「曲を選んで再生できる厳選プレイリスト」が用意されている。筆者が本稿を執筆している11月上旬時点には、デビュー50周年を迎えた松任谷由実の作品を数多く収録する「Golden Time J-POP」や、季節の名曲を集めた「クリスマス・ポップス」などのプレイリストが見つかった。
それぞれのプレイリストを選択すると、40曲前後の楽曲を自由に選びながら聴くことができる。Amazon Music Unlimitedには「高音質配信」のモードが用意されているが、Amazon Music PrimeもスマートフォンやPCなどで気軽に楽しむ用途には十分適した音質を確保している。
注目のヒット曲やテーマに沿った楽曲を集めた「曲を選んで再生できる厳選プレイリスト」
シャッフル再生が持つ魅力
Amazon Music Primeは自宅でくつろぎながら聴いたり、ドライブ中にBGM感覚で音楽をカジュアルに聴きたいユーザーに向いている。
シャッフル再生はたしかに不便に感じる部分もあるが、好みのアーティストや音楽ジャンルと「近い作品」に出会える面白さも持ち合わせている。せっかく聴き放題で楽しめるサービスなのだから、自分が知っている楽曲ばかり聴いているだけでは勿体ない。
プレイリスト再生の醍醐味は「知らなかった名曲との出会い」が得られること
また、11月上旬からAmazon Musicではポッドキャスト番組も拡大する予定だ。
新番組はタレントがナビゲーターを務めるバラエティ情報系が中心だが、Amazon Musicではビジネスパーソンも活用できる「外資系裏技英語-基本のKEY」のような、役に立つ学習系のポッドキャスト番組も人気がある。プライム会員もこれらのポッドキャスト番組を聴くことが可能。もちろん番組は「選んで再生」に対応している。
「エンタメとECサービスによる連係強化」が狙い
今回Amazon Music Primeの音楽配信機能をアップデートした背景を、Amazon Music Japanのディレクター&ゼネラルマネージャーである島田和大氏に聞いた。島田氏は「プライム会員により沢山の音楽を楽しんでもらうこと」と「アマゾンの音楽以外のコンテンツも楽しんでもらうこと」が大きな理由であると説いている。
前者については、楽曲数を増やすことにより実現する。
後者については、動画配信サービスである「Amazonプライム・ビデオ」やライブ配信プラットフォームである「Twitch」など、アマゾンによるエンターテインメントサービスへの横展開によってさらに強化される。
Amazon Music Japanは今年、Twitch上のチャンネルで「yama」「Mrs. GREEN APPLE」といった人気アーティストによるオンラインライブイベントを開催。Primeサービスで聴ける楽曲が増えると、イベントでアーティストが演奏した楽曲のプレイリストなどをファンに配信提供しやすくなるだろう。
11月5日にはレッドブル主催のフリースタイル・ラップバトル「Amazon Music Live: Red Bull 韻 DA HOUSE 2022」をTwitchでライブ配信。Amazonによるメディアミックス展開も加速している
アマゾンの横展開にはAmazon.co.jpの強力なEC販売プラットフォームとのコラボが含まれる。たとえば、Amazon Musicでは過去に「あいみょん」や「SEKAI NO OWARI」といったアーティストがニューアルバムをリリースした際に、オリジナルグッズを販売して多くのファンから好評を得た。
加えて、Amazon Musicは世界の各地域で展開する音楽配信サービスであることを忘れてはならない。島田氏は「日本の才能あるアーティストが世界に羽ばたく機会をAmazon Musicがサポートしたい」と今後に向けた意気込みを語っている。
「良い音楽配信」の条件
Amazon Music Primeのリニューアル直後、SNSでは「シャッフル再生は不便」「約200万曲でいいから選んで聴きけるほうがよかった」という辛口の評価も散見された。
たしかにシャッフル再生は不便かもしれないが、音楽配信サービスにとって一番大事なのは「たくさんの楽曲が聴けること」にある。従来のAmazon Music Primeユーザーの中には、約200万では聴きたい楽曲に巡り会えず味気なく感じていた人も多かったのではないだろうか。
アマゾンがAmazon Music Primeに「シャッフル再生の不便さ」を残した理由は、有料のAmazon Music Unlimitedユーザーをリスペクトするためであることは言うまでもない。
そしてアマゾンも、できれば多くのプライム会員がAmazon Music Unlimitedにアップグレードしてくれることを期待しているはずだ。
実際Amazon Music Primeの利用中は、各所に張り巡らされたバナー等でAmazon Music Unlimitedへの移行を促される。
プライム会員は、月額880円でAmazon Music Unlimitedに加入できる。競合である「Spotify」「Apple Music」と同じ約1億曲という楽曲数を提供しながらも、月額料金は頭ひとつ抜けて安価だ。さらにAmazon Musicが独占・先行配信する楽曲もある。
「シャッフル再生」という仕様に否定的な印象を受ける人もいるかもしれないが、プライム会員であれば、現在の年間・月間プランに追加料金を支払うことなく、約1億タイトルの楽曲が「聴き放題」で楽しめる、と発想転換してみてはいかがだろうか。
プライム会員は、リニューアルされたAmazon Music Primeをまずは一度試してみることをおすすめする。
文/山本敦
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