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90年代最初の年は、なんと男性表紙が半数弱に! 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作が完結で、マーティことマイケル・J・フォックス旋風が吹き荒れる

集英社オンライン / 2022年11月9日 12時1分

これまで表紙の顔といえば圧倒的に女優だったが、90年代に入り男優パワーが急上昇。トム・クルーズやマイケル・J・フォックスら、“アイドル”と呼ぶべき男性俳優が台頭してきたからだ。そんな中、記念すべき1月号を飾ったのはなんと…?

日本ではそこそこのヒットに終わったバットマン

記念すべき1990年代最初の「ロードショー」の表紙を飾るのはなんとバットマンだ。しかも、クレジットはバットマンことブルース・ウェインを演じた「マイケル・キートン」ではなく、「バットマン」となっている。スターではなく、特定のキャラクターが表紙を飾ったのは、83年2月号のE.T.に続き史上ふたり(?)目である。

今もリブートが続く『バットマン』第1作の監督はティム・バートンで、作品としての評価は高い


©ロードショー1990年1月号/集英社

アメコミ映画全盛のいまからすれば想像するのは難しいが、編集部にとって相当な英断だったはずだ。なにしろ、これは映画版『バットマン』の第1弾であり、当時、原作の知名度は非常に低かった。しかも、主演は演技派ではあるものの、イケメンとは言いがたいマイケル・キートンである。それでも表紙に起用したのは、同作が『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』を抑えて、1989年の北米興収1位(2億5118万ドル)に輝いたからだろう。
日本でも相当のヒットになると見込んで、猛プッシュ。1月号では、「こーふん!! 『バットマン』のすべて」という大特集を組んでいる。

だが、結果的には、日本での年間配給収入は7位となった。日本人に馴染みがなかったキャラクターとしては善戦したと言えるかもしれない。

なお、1990年の配給収入ランキングは1位『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989)、2位『天と地と』(1990)、3位『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(同)、4位『ゴースト ニューヨークの幻』(同)、5位『ダイ・ハード2』(同)となっている。

男優が5回も登場!

表紙に目をむけると、1990年は12号のうちなんと5回も男性が表紙を飾っている。マイケル・J・フォックスが2回、トム・クルーズが1回、前述のバットマンと、なぜかマシュー・ブロデリックだ。

ブロデリックといえば、いまの若い人には『セックス・アンド・ザ・シティ』のサラ・ジェシカ・パーカーの旦那という認識しかないかもしれないが、80年代は若手ながら舞台経験が豊富な演技派として注目されていた。『ウォー・ゲーム』(1983)で主演を務めたのち、ジョン・ヒューズ監督の傑作『フェリスはある朝突然に』(1986)に出演して人気者に。1990年はショーン・コネリー、ダスティン・ホフマンと共演したシドニー・ルメット監督作『ファミリービジネス』(1989)が公開されている。

ハンサムというよりキュートさが人気だったマシュー・ブロデリック
©ロードショー1990年12月号/集英社

ルックスも演技力も抜群なのに、いまひとつ伸び悩んだ原因は不明だ。本人が名声を嫌ったのか、作品の選択を間違えたのか? とりあえず、『フェリスはある朝突然に』を未見の方は、ぜひこの機会にチェックしてみてほしい。『デッドプール』(2016)の元ネタのひとつになっているし、ジョン・ヒューズ監督が脚本を執筆した『ホーム・アローン』(1990)の原形にもなっている。
本作と『ブレックファスト・クラブ』(1985)は、いまでも通用する80年代青春映画の傑作だ。

新人ではシャルロット・ゲンズブールが、いつもの「フランス女優枠」で登場。歌手で映画監督のセルジュ・ゲンズブールと、女優ジェーン・バーキンの間に生まれた彼女は『なまいきシャルロット』(1985)で初主演を果たし、その後も、『小さな泥棒』(1988)『太陽は夜も輝く』(1990)などが立て続けに公開されている。

9月号の表紙を飾ったモデル出身のトレイシー・リンは、『フライトナイト2/バンパイアの逆襲』(1988)で注目を集め、『侍女の物語』(1990)『クラス・オブ・1990』(同)に出演。日本ではアイドル的な人気を博した。

ちなみに、読者投票によって決まるシネマ大賞は、89年に続いて、マイケル・J・フォックスが男優賞を連続受賞している。人気シチュエーションコメディ『ファミリー・タイズ』と、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでトップスターの仲間入りを果たした彼は、シリアス路線に転向。ジェイ・マキナニー原作の『再会の街 ブライトライツ・ビックシティ』(1988)やブライアン・デ・パルマ監督のヴェトナム戦争映画『カジュアリティーズ』(1989)といった野心作に挑戦。演技の幅を広げようとしている時期だった。

◆表紙リスト◆
1月号/バットマン(マイケル・キートン) 2月号/マイケル・J・フォックス※初登場 3月号/グロリア・イップ 4月号/アリッサ・ミラノ 5月号/シャルロット・ゲンズブール※初登場 6月号/マイケル・J・フォックス 7月号/グロリア・イップ 8月号/トム・クルーズ 9月号/トレイシー・リン※初登場 10月号/リー・トンプソン 11月号/フィービー・ケイツ 12月号/マシュー・ブロデリック※初登場
表紙クレジット:ロードショー1990年/集英社

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