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「東京駅地下には『鬼滅の刃』の無限城がある」「ブラジャーワイヤーで発癌」 SNSで大バズの “ヤバすぎトンチキ陰謀論”3選

集英社オンライン / 2022年11月15日 18時1分

混迷極める社会情勢の影響か、SNSで無数の陰謀論が囁かれるようになって久しいが、なかには思わずツッコミを入れたくなってしまう説も…。今回は、陰謀論界隈のスペシャリスト・雨宮純が今ホットなトンチキ陰謀論を紹介。

今回は、陰謀論界隈で右に出る者がいないとまで言われる怪事解明ライターの雨宮純さんに、注目のぶっ飛んだ陰謀論を解説していただく。陰謀論者の繰り出す奇怪な世界観に振り落とされないよう、気をつけながら読んでいただければ幸いである。

ブラジャーのワイヤーが水平だと、
人工電磁波を受信してガンになってしまう?

まず雨宮さんが教えてくれたのは、「ブラワイヤー陰謀論」だ。聞き慣れない用語かもしれないが、何かのプロジェクトの名前なのだろうか。



「いえ、シンプルにブラジャーのワイヤーです。これは、今年10月11日にとある陰謀論者のTwitterユーザーがツイートしたところ、約3000RTされてプチバズりした陰謀論です」(以下、「」内は雨宮氏のコメント)

一体ブラジャーワイヤーにどんな陰謀が隠されているというのだろうか。

「『ブラジャーに金属ワイヤーが水平に入っていることで、水平方向の電磁波を受信してしまい、着用者がガンになる』というものです。陰謀論者たちは“最近のブラジャーがワイヤーレスなのは、これがバレる前に入れ替えているためだ!”と騒いでいます。そもそもブラジャーのワイヤーは水平に入っていないなどと、ツッコミ出したらきりがないすごい陰謀論です。

この陰謀論を理解するには、まず陰謀論者たちの間で、通信機器や電化製品から放出される電磁波が肉体に悪影響を及ぼしている、という共通認識があることを知る必要があります。

この人工電磁波陰謀論は根強い人気があり、2000年代には“携帯電話が出す人工電磁波はポップコーンや茹で卵が作れるくらい強力で危ない”と囁かれていました」

実は、こうした電磁波系の陰謀論の裏にはビジネスの影が潜んでいるようだ。

「“健康に悪い人工電磁波が存在している”という陰謀論で危機感を煽っている人が存在しているのです。電磁波被害を訴えているサイトやブログのほとんどは民間療法関連で、現代科学やひいてはそれに繋がる現代医学への不信を煽り、解決策を売るビジネスを狙っているのでしょう」

O型の血液型を持つ人は、高次元生命体によって
地球にもたらされた地球外生命体?

次に雨宮さんが紹介してくれたのは「O型の血液型を持っている人は地球外生命体」という陰謀論だ。どうやら筆者は地球外生命体だったようだ……という冗談はさておき、一体これはどんな陰謀論なのか。

『“A型、B型、AB型は地球固有の血液型だが、O型はアヌンナキによってもたらされた血液型で、彼らは地球外生物だ”というものです。

アヌンナキというのは、古代シュメール神話やバビロニア神話でよく登場する神々のことで、昔から陰謀論者界隈では“アヌンナキ=高次元地球外生命体”とする説が広く浸透しています」

雨宮氏いわく「地球外生命体による陰謀論」もまた定番のネタなんだとか。

「有名なのは、地球は爬虫類型宇宙人・レプティリアンに乗っ取られているという陰謀論ですね。ルーツはかなり前まで遡れますが、これを世界に広めたのはイギリスのデヴィッド・アイクです。彼はもともとサッカー選手でしたが若くして関節炎を患い、その治療の過程で民間療法にのめり込み、いつしか界隈屈指の有名陰謀論者になった人物です。

彼の世界では、イギリス王族やアメリカ大統領といった世界の指導者の大半は、レプティリアンの遺伝子が入っている支配種族であり、政府やメディアを通じて人類は支配されていることになっています。

この陰謀論にはレプティリアンが遺伝子操作で支配人種や奴隷人種を作ったという話まで入っており、先の“O型は地球外生命体陰謀論”で語られたアヌンナキも、彼のなかではレプティリアンだったのではと疑われています。

あまりに荒唐無稽ですが、相当に拡散しており、これは神真都Q(複数の逮捕者を出した反ワクチン団体)の思想にも取り込まれているので、あまり笑ってもいられません」

まるでSF映画のような世界観だが、陰謀論者たちがこれを本気で信じているというのが恐ろしい。

東京駅の地下には核攻撃にも耐えられる
『鬼滅の刃』の無限城のような施設がある!?

最後に伺ったのは、安倍元首相の銃撃事件から連なる国葬にまつわる陰謀論だ。

「陰謀論者というのは、大きな出来事があればなんでも自分が好きな陰謀論とつなげてしまう傾向があるのですが、安倍元首相の銃撃事件は相当なショックだったようで、ぶっ飛んだ陰謀論が飛び出しました。

それは“東京駅の地下にある宗教施設には子どもたちが誘拐されている。国葬の本当の目的は、厳重な交通規制を行っている間に、善の勢力が地下から子どもたちを救出するためのものだった”というものです」

いまいち意味がわからない陰謀論だが……。

「一部の日本の陰謀論者は、とある宗教団体は秘密の研究施設を持ち、日本のメディアを支配している闇の組織だと考えています。そんな彼らを倒そうとする善の勢力が表向き国葬ということにして、地上への出口や地下通路を封鎖して、一大作戦を行ったというのです。

この陰謀論がおもしろいのはこのあと。

なんと、あるチャットアプリ内でこの陰謀論が広まったところ、その施設は漫画『鬼滅の刃』に登場する、上下の概念がなく、内部構造を自在に変化することができる無限城のような施設なのでは? とするコメントが寄せられたのです。
そして、それを別の陰謀論者がブログで取り上げたことで、最初からとある宗教団体が無限城のような施設を持っていたということになったのです。

さらに、この陰謀論は進化し続け、最終的に“東京の地下には無敵の鉱物・オリハルコンで覆われているため核攻撃にもびくともしない『鬼滅の刃』の無限城のような施設がある”という、国葬とはまるで関係ないものになってしまいました」

ここまで大胆な変化を受け入れる陰謀論者の想像力の豊かさには凄まじいものがある……。

最後に、雨宮氏にどうして極端な陰謀論が生まれるのか分析していただいた。

「快楽は理性に勝るからでしょうね。コミュニティ内で“世界の真実”を語り合うことでアイデンティティを獲得し、“世界の真実”を知っていることに優越感を覚え、それがもたらす脳内麻薬の中毒になってしまうのでしょう。

ごっこ遊びと構造は似ていますが、『自分が見てきた現実は全部嘘で、こっちの方が本当なんだ』と、“ごっこ”を“本気”にすることで快感を得て、常識や倫理を捨ててハマり込んでしまいます。
こういう心理を、陰謀論界隈では『レッド・ピルを飲んだ』と表現することがあります。

これは映画『マトリックス』で、主人公のネオが赤いピルを飲んだことで、それまで見ていた世界が機械によって作られた夢だったことを知るというところからきています」

こうしたトンデモ陰謀論の数々を笑って楽しめるうちはいいが、間違っても“気づいたら本気で信じてしまっていた”なんてことがないように、十分注意していただければ幸いだ。

取材・文/TND幽介/A4studio

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