近隣住民同士のトラブルによる事件が後を断たない。記憶に新しいところでは、今年9月に北海道旭川市のある夫婦が男に包丁で刺されて死傷した。原因は子どもと容疑者のもめごとだったという。
「ガチャ」という当たり外れのあるカプセルトイに由来して、最近は「隣人ガチャ」というネットスラングも登場した。トラブルメーカーが住んでいる近くに引っ越してしまったときの不運、嘆きである。
トラブルは避けたいものだが、隣人を選ぶことはできない。もちろん、引っ越しする前に調べようとする人もいるだろうが、不動産屋からの情報は限られているし、自らの足で情報収集するのも一筋縄ではいかない。結果的に、引っ越してから後悔することも少なくないだろう。
そうした人たちの悩みに応えるサービスを提供するのが、「トナリスク」という会社だ。購入予定の物件について隣人や近隣住民の事前調査を行なっている。
「われわれが購入検討者を装って隣人や近隣に聞き込みしています。直接話すので、隣人のことがよくわかるし、その人が周りにどう思われているのか調査することもできます」
こう話すのは、トナリスクの松尾大史代表。もともと大手探偵会社の「MR」で取り組んでいた一事業を切り離して、2020年4月に独立した。隣人の調査やトラブル対応に特化した事業を展開する会社は珍しいという。