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世界を席巻! K-POPの新星「NewJeans」が短期間でブレイクできた理由

集英社オンライン / 2022年11月21日 19時1分

BTSを筆頭にボーイズグループの話題が目立つK-POP。しかしながら、韓国ではガールズグループがシーンを活性化させることが多く、最近も注目株が続々と登場している。なかでもこの新人は要チェック。見逃さないでほしい!(トップ画像 / ⓒ 2022 ADOR. All Rights Reserved.)

有名プロデューサーが全面支援

K-POPに関心のある人であれば、ここ数か月の間に「NewJeans(ニュージーンズ)」という女性5人組の名前をよく耳にしただろう。

日本の音楽ファンの間でK-POPのガールズグループと言えば、『第73回NHK紅白歌合戦』の出場が決まったLE SSERAFIM(宮脇咲良が所属)やIVEなどに目が行きがちだが、韓国ではNewJeansはそれ以上の大物と評価する関係者も多い。



今年8月に韓国でデビューしたばかりだが、4曲入りの1st EP『New Jeans』が発売後1週間で31万枚以上を売り上げ、各種チャートで何週間も1位を獲得。新人とは思えないほどの活躍ぶりで、国内はもちろん海外でも大きな注目を集めている。

では、なぜ彼女たちがこれほどまでに短期間でブレイクしたのか?

その理由として真っ先にあげられるのが、K-POP界隈ではかなり有名な女性クリエイティブ&アートディレクター、ミン・ヒジンが関わっている点である。彼女はかつて大手芸能事務所のSMエンターテインメント(以下、SM)に所属し、SHINee、f(x)、少女時代、EXO、Red Velvetといった数多くのビッグネームを独自のセンスで磨き上げてきた。

その“独自のセンス”とは、たとえば、古いアニメーションと最新のCGを組み合わせたり、ピントの合っていない写真をアルバムジャケットに使ったり、コラージュを駆使して幻想的な光景を生み出したりというもの。
こうした実験的で斬新なアプローチは、ステレオタイプになりがちなアイドルに強烈な個性を与えるための手段だったと言えよう。

そんな実績を持つ彼女が2017年、「やりたい仕事はすべてやった」とSMを退社。しばらくしてBTSが所属する事務所・Big Hitエンターテインメント(現在の社名はHYBE)に移り、同社傘下のレーベルとして2021年にADORを起ち上げる。NewJeansはそこから登場した全面バックアップのグループであるがゆえに、大きな話題となったわけだ。

幅広い世代を対象にしたアイドル

ADORを設立した理由は、本人いわく「自分が描く大きな絵を完全に具現化するため」。何よりも自身が理想とする音楽がベースにあり、そこに自身が望むキャスティング、トレーニング、デザイン、ビジネスがつながるようにしたいという。

その第1弾となるNewJeansには、ミン・ヒジンの感性が隅々までしみ込んでいる。消費者と本当のコミュニケーションを取りたいと、グループ専用のアプリ「Phoning」を開発。メンバーのメッセージや動画などがレトロなデザインの画面上で楽しめる作りは、他にはない味わいがある。

また、チャートを席巻したEP『New Jeans』は、「Weverse(HYBEのファンコミュニティプラットホーム)」専用のバージョンや、CD入りの布バッグなど、計5種類がリリースされており、サブスクに慣れ親しんでいる世代も買いたくなるようなパッケージをそろえている。こちらも既存のアイドルにはあまりなかった試みだ。

肝心の5人のメンバーだが、技術的なレベルよりも、パフォーマンスを純粋に楽しめるかどうかを優先して選んだようだ。心から楽しむ人から出るエネルギーはものすごく強力で、それを見る人までも踊らせる。それが今回のプロジェクトの意図だと、ミン・ヒジンはインタビューで語っている。

楽曲に関してはどうだろうか。
実はこれが最も慎重に制作しているようだ。韓国ではここのところレトロポップ、特にシティポップにスポットライトが当たる機会が多いものの、NewJeansはあえてその流れを避け、90年代後半の洋楽のエッセンスを取り入れている。同じ時代のK-POPアイドルたちも洋楽に影響を受けた曲を数多くリリースしており、当時を知る中高年にとってNewJeansのサウンドは懐かしく響くに違いない。

さらに言えば、単なる「模倣」に終わらず、イージーリスニング/ラウンジミュージック風に仕上げているのも注目すべきポイントである。
ミン・ヒジンは個人的に好きな音楽として、ボサ・ノバの神様であるアントニオ・カルロス・ジョビンの「デサフィナード」や「イパネマの娘」をあげているが、こうしたサウンドの根底にあるサウダージ(郷愁、切なさ、寂しさ)は、EP『New Jeans』の収録曲にも感じられるのが興味深い。

以上のような特徴を持つNewJeansは、上の世代にとっては親しみやすく、若い世代は新鮮に感じ、かつ購買欲を刺激される存在であり、またK-POPに興味のない人でも入りやすいムードがあるといった具合に、幅広いリスナーに向けて作っていることがわかるだろう。デビューしていきなりスターダムにのし上がるのも当然なのだ。

期待が高まるグループの第2弾

韓国の大衆音楽がK-POPと呼ばれるようになってから、およそ四半世紀。最近は何かとBTSが話題になりやすいものの、振り返ってみると何か大きなムーブメントが起きたときの先導役はほとんどの場合、ガールズグループが担っていたように筆者は思う。

日本で本格的なK-POPブームを巻き起こした少女時代とKARA、2015年に登場するやいなや10代の少女たちの熱狂的な支持を集めたTWICE、そしてガールクラッシュ(女性が憧れる女性)的な魅力で愛されるBLACKPINKなど、例をあげればきりがない。

NewJeansの登場は、今後のK-POPシーンにどのような影響を与えるのだろうか。先日、グループは2023年1月2日にシングル『OMG』で正式にカムバックすることを発表した。

第2弾のサウンドカラーとビジュアルはデビュー作を踏襲したものなのか、それともすべて変えてしまうのか–––––。いずれにしてもミン・ヒジンの次の一手はシーンを大きく揺るがすはずだ。K-POPファンは期待して待っていてほしいと思う。

文/まつもとたくお

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